農学部の就職先は?専攻別の職種一覧&進路選びのポイントを紹介

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「農学部って就職先が少ない?」そんな不安を感じていませんか。

実は、農学部は食品・環境・バイオ・畜産・農業土木など、あらゆる産業に知識が応用できる“就職先の選択肢が広い学部”です。

一方で「どんな就職先があるの?」「専攻を就職先で活かすには?」と進路に迷いやすいのも事実。この記事では、農学部の就職率や進学状況といった基礎情報から、農学部での専攻別に代表的な就職先を分かりやすく紹介します。

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目次

農学部は就職先が少ない?農学部の就職率と実態

 農学部は「就職が難しい」と言われることがありますが、実際はその印象とは異なります。農学部で学べる内容は幅広く多様な分野に通用するため、就職先は豊富です。

ここでは、農学部生の就職率や進学率など、進路の実態をデータをもとに紹介します。

・農学部の実就職率は平均93%
・大学院への進学率は約24%

農学部の実就職率は平均93%

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大学通信が実施した「2024年 学部系統別 実就職率ランキング」より算出すると、 農学部の実就職率は平均で93%を超えており、理系学部全体と比べても決して低くありません。

農学部は文系学部に比べて専門性が高く、多くの産業から求められていることが背景にあります。

幅広い学びを活かせることが、高い就職率につながっているといえるでしょう。

大学院への進学率は約24%

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 農学部では大学院への進学者も多く、進学率はおよそ24%前後です。

農学部卒で研究職や開発職を志す場合、専門性の強化が求められるため進学を選ぶ学生も一定数存在します。

また、国家公務員総合職や農林水産技術者など、一部の就職先では大学院修了が前提となるケースもあるため、就職先の選択肢を広げたい人にとって大学院進学は有効なルートとなります。

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農学部の主な進路

農学部で学んだ知識やスキルは、農業分野にとどまらず、多くの業界で応用可能です。

選択肢は幅広く、企業就職だけでなく、大学院への進学や家業を継ぐことを選ぶ学生もいます。
ここでは、農学部卒業後の代表的な進路について紹介します。

・農業系の一般企業
・企業以外で農業と関わる就職先
・家業を継ぐ
・大学院に進学

農業系の一般企業

農学部の学びをそのまま活かせる就職先として、農業に直接関わる企業が多数あります。

たとえば、農業法人や種苗会社、飼料メーカー、農業機械メーカーなどが農学部の就職先として代表的です。

これらの就職先では、作物や家畜の育成、資材や肥料の開発・流通、現場支援などの業務に携わることができ、専門知識が高く評価されます。

また、近年はスマート農業の発展により、ICTやデータ解析の力を掛け合わせた新しい取り組みも増加中です。農業の現場に寄り添いながら、食の安定供給や技術革新に貢献できる就職先です。

企業以外で農業と関わる就職先

農学部で得た知識を農業の枠内で活かしながら、一般企業以外の組織で活躍する就職先も多くあります。

代表的な就職先は、農林水産省や地方自治体などの公務員、農家と地域農業を支えるJA(農業協同組合)、そして農業高校や教育機関での教員などです。

さらに、自ら生産者となる新規就農という道もあります。こうした進路では、専門性に加え「地域に根ざす視点」や「社会貢献性」が求められます。

一般企業とは異なる使命感や安定性、やりがいがあるため、志向に合う学生にとっては非常に魅力的な選択肢です。

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家業を継ぐ

農家出身の学生は卒業後に家業である農業を継ぐ選択も少なくありません。

大学で得た知識やネットワークを活かし、新しい作物の導入や販路開拓、6次産業化などに取り組む人もいます。自治体やJAによる就農支援制度も充実しており、技術だけでなく経営面までフォローされる環境が整いつつあります。

家業を継ぐことで、地域社会や日本の農業全体に貢献する道も開かれています。

大学院に進学

研究職や技術職を希望する学生にとって、大学院進学は大きなステップとなります。

修士課程ではより専門的な研究に取り組むことができ、企業の開発職や公的研究機関という就職先にも有利です。

また、将来的に大学教員や研究者を目指す場合にも、大学院進学は必須の道です。

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【農学部の就職先】食品系

 食品業界は、農学部の就職先として非常に人気が高い分野です。

大学で学んだ生物・化学・微生物・栄養などの知識を活かしやすく、研究や製造、品質管理、営業など多彩な就職先があります。
人々の「食」に直結するやりがいの大きな業界として、多くの学生が志望します。

・研究職(商品開発・技術開発)
・製造技術職
・品質管理職
・営業職

研究職(商品開発・技術開発)

食品メーカーの研究職では、新商品開発や既存商品の改良、保存性や栄養バランスの改善などに携わります。

農学部で学んだ微生物学・食品化学・栄養学などの知識がそのまま活かせる就職先です。

実験や試作を重ねながら、食の安全性と美味しさを両立させる研究に取り組みます。食卓に並ぶ製品を自らの手で生み出すことができる、非常にやりがいのある就職先です。

製造技術職

製造技術職は、食品工場において製造ラインの設計や改善、衛生管理、コスト削減などを担う役割です。

理系の知識と現場での実践力が求められ、品質や生産効率の向上を目指します。

農学部で学ぶ食品衛生やバイオ系の知識に加え、機械や工程管理への理解も重要です。安定した供給体制を支える重要な就職先であり、現場を動かす面白さが味わえる就職先です。

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品質管理職

品質管理職は、製品の安全性と品質を守るために、原材料の検査や製造工程のチェック、最終製品の分析を行います。

異物混入や衛生トラブルを未然に防ぐ役割として、企業の信頼を守る重要な存在です。

農学部で学ぶ食品微生物学や分析化学の知識がそのまま活かされる就職先であり、正確性と責任感が求められます。消費者の安全を守る縁の下の力持ち的な存在です。

営業職

食品メーカーの営業職は、小売店や外食チェーン、商社などの取引先に対して、自社製品を提案・販売する就職先です。

商品知識や市場動向への理解に加え、交渉力や人間関係構築力が求められます。

農学部出身者は、製品の原材料や製造工程などへの理解が深いため、専門知識を活かした提案ができるのが強みです。消費者のニーズをつかみ、商品開発にも意見を反映できる就職先でもあります。

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【農学部の就職先】畜産系

 畜産系の就職先は、動物と直接関わる就職先から、飼料・医薬品の開発や販売まで多岐にわたります。農学部で学んだ知識が活かされる場面が多く、動物好きで農学部を選んだ学生には特に人気のある就職先です。

現場志向から研究職まで、幅広い就職先が選べます。

・酪農
・競走馬・乗馬関係
・動物園
・養鶏
・養豚
・飼料会社
・動物用医薬品メーカー

酪農

 酪農は牛を飼育し、乳製品を生産する就職先です。搾乳や餌やりだけでなく、繁殖管理や牛の健康管理なども重要な業務です。

最近ではロボット搾乳やICTを用いた「スマート酪農」も普及しており、若手や未経験者でも参入しやすくなっています。命と向き合う責任ある仕事ですが、やりがいは非常に大きく、自然の中で働きたい人に適した就職先です。

競走馬・乗馬関係

競走馬育成や乗馬クラブの運営に関わる就職先では、馬の飼育管理や調教、健康管理が中心となります。

JRA関連施設や民間の牧場が主な就職先で、馬と密接に関わる仕事を希望する人に人気があります。

体力と観察力、責任感が必要とされる現場ですが、レースでの活躍や利用者の笑顔にやりがいを感じられます。馬術の経験がある学生にとっては特に適性が高い分野です。

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動物園

動物園での仕事は、動物の飼育・展示・繁殖だけでなく、来園者への教育・普及活動や広報業務など、幅広い役割を担います。哺乳類や鳥類、爬虫類など多様な動物の生態や行動特性を理解し、それぞれに適した飼育環境を整える高度な知識が求められます。

農学部で学ぶ動物栄養学や衛生管理、生態学の知識が活かされる一方で、実際の求人は非常に少なく、採用の難易度は高めです。

また、大学で畜産学や獣医学など特定の専攻を修了していないと、応募資格を満たせないケースもあるため、事前に募集要項をよく確認することが大切です。

動物と人とをつなぐ社会的意義の大きな就職先ですが、それに見合う専門性と覚悟が求められます。

養鶏

養鶏場では、卵や鶏肉の安定生産に向けて、ヒナの育成、飼料管理、温度・衛生管理などを行います。

国内外での需要が安定している分野であり、衛生基準や生産性向上のための管理手法が日々進化しています。

農学部出身者は動物の成育管理や飼料設計などの知識を現場で活かせるため、即戦力としての活躍が期待されます。バイオセキュリティ意識の高さも重要な資質のひとつです。

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養豚

 養豚業では、豚の飼育管理から出荷まで一連の工程に関わります。母豚の繁殖管理や子豚の育成、病気予防、飼料設計など多くの専門的知識が必要です。

農学部で学んだ家畜衛生・栄養学などが活きる場面が多く、現場ではデータ管理や自動化の技術も取り入れられています。

持続可能な食肉供給のために欠かせない分野であり、国際的にも注目される就職先です。

飼料会社

飼料メーカーでは、家畜の健康や成長を促進するための配合設計や栄養バランスの開発に関わります。営業職として農家や畜産業者への提案・サポートを行うケースもあります。

農学部で学ぶ動物栄養学・微生物学・化学の知識が活かされる専門職であり、生産性や品質向上に直結するやりがいのある就職先です。

時には現場に足を運び、実際の課題解決に貢献することも重要です。

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動物用医薬品メーカー

動物用医薬品メーカーは、ワクチンや抗生物質など家畜の健康を守る製品を研究・製造・販売を行う就職先です。

研究開発職では生体反応や安全性の検証が求められ、営業職では畜産農家や獣医師への製品提案・情報提供を行います。

農学部で学んだ免疫学や生理学の知識が活かされる分野で、畜産業全体の健康管理を支える重要な存在です。法規制や製品の正しい使い方を熟知する責任も伴います。

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【農学部の就職先】植物系

植物に関する知識や技術は、農学部ならではの専門性として、多くの業界から求められています。

新品種の開発、農薬や肥料の設計、植物を活用したバイオ研究など、その活躍の場は幅広く、研究・開発から営業職まで多彩な就職先が存在します。

・種苗メーカー(研究職)
・農薬・肥料
・製薬会社 バイオテクノロジー部門

種苗メーカー(研究職)

種苗メーカーの研究職では、新しい品種の開発や病害虫に強い作物の育種、品質向上などに取り組みます。

遺伝子や交配、栽培環境の研究が中心で、農学部で学ぶ植物育種学・栽培学・生理学の知識が不可欠な就職先です。

収量や食味、耐病性など複数の特性をバランスよく改良するには高い技術と根気が求められます。日本国内だけでなく海外市場も意識したグローバルな視点も重要です。

農薬・肥料

農薬・肥料メーカーは、製品の研究開発、成分設計、作物への効果試験、安全性の検証などを行う就職先です。

また、営業職として農家やJAへの提案活動に携わるケースも多いです。

植物病理学・土壌学・化学などの基礎知識が必要とされ、農業の効率化と持続可能性を支える存在として社会的意義も高い分野です。環境への配慮や法規制の遵守も重要な要素となっています。

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製薬会社 バイオテクノロジー部門

製薬会社のバイオ部門では、植物の遺伝子や成分を活用した新薬開発や、創薬のための基礎研究が行われています。

農学部で学ぶ分子生物学・バイオインフォマティクス・細胞工学などの知識が活かされ、医療や食品など異分野との融合も進んでいます。

研究職だけでなく、技術サポートや製品管理などの就職先でも農学の視点が求められています。バイオ分野に興味のある学生には非常に魅力的な進路です。

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【農学部の就職先】農業土木・工学系

農業を支えるインフラや機械技術の就職先でも、農学部出身者は高いニーズがあります。

農地整備や灌漑設備の設計、農業機械の開発など、土木・工学の要素と農学の知識を融合させる就職先が多く、生産現場の効率化や地域農業の基盤づくりに貢献できる分野です。

・建設コンサル
・農業機械メーカー(開発・技術営業)

建設コンサル

建設コンサルタントは、農業用水路や農地造成、農村整備といった農業インフラの設計・計画・管理を行う就職先です。

測量・設計・環境評価などの知識が求められ、農業土木の専門知識に加えて土壌・水資源など農学的な視点も活かされます。

地方自治体や国の農業整備事業と関わる機会も多く、地域振興や防災の面でも重要な役割を果たす分野です。

農業機械メーカー(開発・技術営業)

農業機械メーカーで、トラクターやコンバインなどの開発、改良、導入支援を行う就職先です。

機械系の知識に加え、作物や土壌、現場での農作業に関する理解がある農学部出身者は、開発現場でも営業現場でも貴重な存在です。

近年はスマート農業の発展に伴い、ICT・AI技術と連携した製品開発も進んでおり、次世代の農業を支える技術革新に携わることができます。

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【農学部の就職先】環境系

 環境問題や持続可能な社会づくりへの関心が高まる中、農学部で学ぶ土壌・水・生態系などの知識は、環境分野の就職先でも大きく活かされます。

・環境コンサルタント
・環境分析・測定技術者
・廃棄物処理・リサイクル企業の技術職

環境コンサルタント

環境コンサルタントは、企業や自治体の環境対策を支援する専門職です。環境影響評価(アセスメント)や自然再生の計画立案、動植物の生態調査などを行い、持続可能な開発を実現するための提案を行います。

農学部で学ぶ環境科学・生態学・植生学などの知識が現場で直接活かされ、法規制や地域特性に配慮した分析力も求められます。環境保全に携わりたい学生には魅力的な就職先です。

環境分析・測定技術者

水質・土壌・大気などの環境データを測定・分析する技術者は、環境調査会社や研究機関、自治体で活躍しています。

実験やフィールド調査に基づく数値管理が中心で、理系の精密な観察力や分析スキルが求められます。農学部で学ぶ環境化学や微生物学の知識が活かされ、データを通じて地域や企業の環境負荷を可視化し、改善提案を行う役割を担います。

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廃棄物処理・リサイクル企業の技術職

 食品廃棄物や農業残渣、下水汚泥などを再資源化する技術に関わる就職先です。

バイオマス燃料や有機肥料への転換、焼却・埋立処理の適正化など、循環型社会を支える技術開発や運用に携わります。

農学部で得た有機物分解、発酵、土壌への影響などの知識が応用され、SDGsの実現にも直結する分野です。環境と産業の橋渡し役として、注目度が高まっています。

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【農学部の就職先】専攻を問わず目指せる就職先

農学部の知識やスキルを活かせるのは専門職だけではありません。専攻に関わらず幅広く目指せる進路として、公務員やJA(農協)、教員、新規就農などがあります。

地域に密着した就職先や、社会貢献度の高い就職先を志す学生にとって、これらの道は非常に有力な選択肢となります。

・公務員
・JA(農業協同組合)
・農業高校・理科の高校教師
・新規就農

公務員

国家公務員や地方公務員として、農政、林業、水産、環境保全などの分野に携わることができます。

農林水産省や国土交通省では技術系総合職として農業政策の立案・実行に関与し、地方自治体では農業支援、農村振興、防災計画などを担当します。

農学の知見を地域や国の施策に反映させることができ、安定性や公共性の高い職業です。採用試験には専門的な対策が必要となります。

JA(農業協同組合)

JA(農協)は、地域農業を支える中核的な存在として、営農指導や資材供給、金融・保険業務、販売支援など多様な業務を担います。

農学部出身者は作物や栽培技術への理解があるため、農家との信頼関係構築や技術指導などの場面で強みを発揮できます。

地域密着型の働き方ができるため、地元に貢献したい学生や、農業を支える立場で活躍したい人にとっては魅力的な選択肢です。

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農業高校・理科の高校教師

農業高校の教員や、一般高校での理科教師として働く進路もあります。農業教育では、栽培、畜産、食品加工など専門的な実習を通じて、生徒の技術力や考える力を育成します。

理科教員としては生物や化学分野の授業を担当することが多く、農学部での基礎学問が役立ちます。

教員免許の取得が必要ですが、人材育成や教育に関心のある学生にはやりがいの大きい道です。

新規就農

自ら農業を始める「新規就農」は、農学部卒業生ならではの進路です。

農地の確保や機械の導入などハードルはありますが、自治体や農業法人、JAによる支援制度も充実しています。

大学で得た知識を活かして6次産業化や観光農業、スマート農業に挑戦する例もあり、新しい形の農業経営が注目されています。自然とともに生きるライフスタイルを実現したい人にとって、有力な選択肢のひとつです。

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農学部就活で役に立つ資格

農学部から希望する就職先へ進むために、専門性をアピールできる資格を取得しておくと有利です。
ここでは、農学部で取得を目指しやすく、かつ就職に役立つ主な資格とその取得条件を紹介します。

・教員免許(高校理科・農業)
・栄養士・管理栄養士
・食品衛生管理者
・測量士補
・家畜人工授精師
・HACCP管理者
・自然再生士補
・園芸療法士
・樹木医補

教員免許(高校理科・農業)

農学部の教職課程を履修し、必要な単位を修得することで、高等学校「理科」または「農業」の教員免許状を取得できます。

理科教員としては主に生物や化学を担当し、農業教員は栽培、畜産、食品など専門科目の授業や実習に携わります。

ただし、農業高校では必ずしも大学で専攻していた分野に配属されるとは限らず、幅広い指導領域に対応できる柔軟性も求められます。

免許取得には教育実習の履修も必要で、時間的余裕をもって準備することが大切です。

栄養士・管理栄養士

管理栄養士は国家資格で、栄養士資格を持ったうえで所定の実務経験(基本は3年以上)と国家試験合格が必要です。

栄養士資格は、文部科学省が定めた養成課程(栄養士養成施設)を卒業すれば取得可能ですが、通常の農学部では対応していないケースが多いため、履修課程やカリキュラムの確認が必須です。

食品・給食業界への就職に有利な資格です。

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食品衛生管理者

食品衛生管理者は国家資格ではなく「任用資格」であり、指定された学科(食品衛生・農芸化学・畜産学など)を履修して卒業すれば、申請により取得可能です。

農学部では該当課程を修了すれば取得できるケースが多く、食品工場や品質管理職を志望する学生に有利です。任用先となる施設での配置要件にも関わるため、重宝される資格です。

測量士補

測量士補は国家資格で、国土地理院が所管します。

文部科学大臣が認定した大学の土木・測量関連課程を卒業すれば、無試験で取得可能です。

農業土木分野や建設コンサルで働く際に必要となるケースがあり、農村整備や用排水設計などに携わる進路を目指す学生に有効です。測量士へのステップにもなります。

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家畜人工授精師

都道府県が管轄する指定の講習会(学科・実習)を修了し、知事の認定を受けることで取得できる国家資格です。

受講には獣医師または農学系課程(畜産・動物系)卒業見込み者であることが原則条件です。

酪農や養豚などの現場で繁殖管理を行ううえで不可欠な資格であり、実践的で高い専門性を示すアピール材料になります。

HACCP管理者

HACCP(ハサップ)は食品衛生管理の国際基準で、法的な資格名称ではなく、各種団体が行う「HACCP管理者養成講習」を受講・修了することで取得できます。

食品製造業・品質管理職を志望する際に、HACCP対応の知識を有していることを示せるため、履歴書や面接でも好印象を与えられます。

農学部での微生物学や食品衛生の学びと相性が良い資格です。

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飼料製造管理者

飼料安全法に基づく任用資格で、農学・畜産学などの所定の課程を卒業すれば、特別な試験なしに「飼料製造管理者」として任命される要件を満たすことができます。

家畜用飼料の品質・成分・安全性を管理する職務においては必須の資格で、飼料メーカーや畜産企業での就職に活かせます。

自然再生士補

NPO法人「自然環境復元協会」が認定する民間資格で、所定の養成講座(基礎編+実地研修)を受講・修了することで取得可能です。

里山保全、湿地再生、環境教育などに携わる際の基礎資格として評価され、環境NPO・行政委託事業などでの活動実績づくりにも活用できます。学術的知識と地域活動をつなぐ橋渡し的存在です。

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園芸療法士

園芸療法士は複数の団体が認定している民間資格で、所定の講座受講や実習経験、最終試験の合格などが取得条件です。

高齢者施設や病院などで、植物を通じたリハビリ支援を行う専門職として期待されています。

農学部で植物生理や園芸に関する知識を学んだ人にとっては、医療福祉分野へのキャリア展開にもつながります。

樹木医補

「(公財)日本緑化センター」が実施する認定研修を受講し、修了することで取得できる資格です。

樹木医(上位資格)になるための条件のひとつで、造園会社、森林管理、行政職などでの専門性の証明になります。

農学部で植物病理学や林学を履修した学生には親和性が高く、都市緑化・街路樹管理・文化財保全など幅広い場面での活用が期待されます。

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農学部就活の4つのポイント

農学部ならではの強みをどのように就職活動に活かすかが、内定獲得のカギになります。

専門知識を社会でどう応用できるかを明確に伝え、説得力のある自己PRを構築することが重要です。ここでは、農学部生が意識しておきたい就活成功のための4つのポイントを紹介します。

1.農学部の志望理由を明確にする
2.資格を取得する
3.農学部で得た知識やスキルをどう活かせるか考える
4.自己分析や企業研究を進める

1.農学部の志望理由を明確にする

企業側は「なぜ農学部で学んだのか」「何を学び、どのように将来に活かしたいのか」を重視しています。

志望理由をしっかりと言語化することで、自分の価値観やキャリアへの熱意が伝わりやすくなります。

研究テーマ、授業、課外活動など、農学部での経験を交えて語れるように準備しておくことが大切です。

エントリーシートや面接では頻出の質問なので、早めに整理しておきましょう。エントリーシートや志望動機の書き方については以下の記事を参考にしてください。

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2.資格を取得する

進みたい業界やに応じて、関連する資格を取得しておくと強いアピールになります。

例えば食品業界なら「食品衛生管理者」、畜産系なら「家畜人工授精師」など、専門性を裏付ける資格は説得力を高めてくれます。

履歴書に書けるだけでなく、学習意欲や現場志向を示す材料にもなるため、余裕があれば積極的にチャレンジしましょう。

3.農学部で得た知識やスキルをどう活かせるか考える

微生物、植物、生態系、環境化学など、農学部で得た知識はさまざまな業界に応用できます。

ただ学んだだけではなく、「どのような就職先で活かしたいのか」「具体的にどんな貢献ができるのか」を考え、それを言葉にして伝えることが重要です。

研究職だけでなく営業職や企画職を目指す場合も、専門知識の活用場面をイメージしておくと説得力が増します。

4.自己分析や企業研究を進める

自分に合った業界や企業を見つけるためには、自己分析と企業研究が欠かせません。

特に農学部は就職先の選択肢が多いため、自分の価値観や志向性に合う進路を早めに明確にしておく必要があります。

また、志望企業の理念や取り組みを深く理解することで、志望動機の精度が高まり、他の学生との差別化にもつながります。

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就職活動に迷ったら…

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特に農学部は就職先の選択肢が多いため、かえって方向性に迷いやすい学部でもあります。そんな時は、一人で悩まず、信頼できるサポートを頼ってみましょう。

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