働き方も、生き方も、すべて自分らしく!ポーランドから日本へ移住をしたモニカさんに聞く「決断する力」

人生って分岐点の連続ですよね。

皆さんは何か決断を迫られた時、どのような軸で選んでいますか?

私は割と決断力のある方ですが、それでも選択に悩む時や、1つを選んでしまったことで逆に道が狭まってしまったように感じてしまうことがあります。学生時代なんて、みんなが選んでいるからそっちにしよう、と人に流されてしまったり、決められたレールを疑うこと無く進んでいったりと、「自分らしさ」はどこ行った?と自分に問いかけることもありました。

こんな経験って、意外と皆さんありませんか?

そんな生きていく上で必要な”決断力”を自分らしく、新しい視点で切り開いているのが今回取材をさせていただいたモニカ・ヴァイスマン(Monika Weissmann)さんです。

モニカさんは、ポーランドで生まれ、大学卒業を機に日本へ移住をしたWebマーケティング・ブランディング領域のプロフェッショナル。色々なことに興味があり、1つに絞ることができなかったモニカさんは、”スキル”ベースでものごとを判断し、決断をしているといいます。

私はこの考え方を教わり、自分はまだまだ可能性の塊だ!と前向きになれました(笑)人生が楽しくなって年齢を重ねることが楽しみになりました。

同じようにみなさんも、こんな生き方もあるんだ〜と、新しい発見になると嬉しいです。

 

キャリアではなく、スキルで選ぶ

ー小さい頃から色々なことに関心を持たれていたんですか?

モニカさん:そうですね。興味関心の幅がとても広いのでたくさんのことに対して「知りたい!学びたい!」という欲求がありました(笑)熱しやすく冷めやすいタイプでもありますが、途中で飽きてしまうというよりは深く掘り下げて調べ尽くして、自分のものに出来たと思ったらまた違うことを追求する、そんな子どもでした。

 

ー進路選択やキャリア選択の際は、どのような軸で決断をされてきたのでしょうか。

モニカさん:これは自分の中で明確なものがあって、1つのキャリアだけを極めるのではなく、”このスキルを身につけられたら将来役に立つだろうな”という、スキルベースで決断するようにしています。

私は「〇〇になりたい!」というような明確な夢やビジョンが無かったので、”専門性を身につけられる”ことや “1つの学問を極める”ことに魅力を感じなかったんです。だからこそ学生時代は、好きな学問を好きなように学べる独自のプログラムが作れたらなと常に考えていました。でもそんなの難しいですよね(笑)

だからこそ、大学進学の際は『情報学』を専攻したんです。理由は情報、特にインターネットがこれからの社会でもっともっと重要になっていくと考えたから。適切な情報の見つけ方や情報の管理の仕方、情報設計などを身につけることで活きるスキルになると思い、決断しました。

他に興味があった日本学科など他の領域に関しては、考えた末、独学で学んでいくことを決めました。日本語も頑張ったら独学で勉強できますし、興味があるからこそ趣味の延長で熱意を持って学べるので、日本語だけを大学で勉強するのはもったいないなと感じたんです。それに、日本学科を卒業して日本語をマスターできたとしても、日本人は当たり前に日本語が話せますよね(笑)それって自分の強みにはならないと思ったんです。

一方で情報学であればどの国に住んでいても必要になります。そうやって選択した学問以外の「好きなこと」に関しては、すべて独学で学んできました。

 

ーキャリアではなくスキルに集中するって、割と今の社会には必要な考えですよね。

モニカさん:1つの領域を深く深く掘り下げることも大切ですし、面白いと思います。事実、私は昔はっきりした夢や目標が持てないことが悩みでした。分かりやすい夢を持っている友人が羨ましく感じることもありました。でも、色んなことに興味が尽きない欲張りな私にとってはこの考え方や生き方が合っていると思うんです。そんな自分の人生はRPGゲームみたいだなって思います(笑)

選んだ武器や選択した道によって未来も強さも、得られるものも変わっていく。そんな風に、自分がゲームの主人公だと思って、「あとはどんな武器が必要だろう」「まずはどのスキルを優先して高めていこう」「まだ私にはこの能力が足りないから新しいことに挑戦してみよう」と考えながら生きていくことで、新しい学びやスキルが見え始めるのが楽しくて。

“はっきりしたルートを歩かなくても良いんだよ”と、自分を認めてあげたらとても生きやすくなりました。

株式会社ニューロマジック モニカさん

ーその後、日本に来るまでの間で興味関心やスキルの変化はありましたか?

モニカさん:情報学を学ぶうちに、ブランディングに興味を持つようになりました。今まで勉強してきたスキルも活かせる領域でしたし、当時は今よりもインターネットやSNSがそんなに普及していたわけではなく、流行りはじめたくらいだったので、「これをビジネスにできたら面白いぞ」と思い勉強を進めていきました。

 

ー具体的にどのような勉強をされていたのでしょうか。

モニカさん:そうですね。大きなことで言うと、Web制作のインターンをはじめました。大学生はみんなアルバイトをすると思うんですが、私はいわゆる”普通のバイト”をしたくなかったんです。「自分が今まで勉強してきたことを早く試したい!」という気持ちが強くて。そこで色々調べてみたときに、たまたま私の大学の近くに有名なブランディングの会社があったので、インターンとして働きはじめました。

2週間ほど勤務をしていくうちに、もっと実務に触れたいと思うようになり、パートタイムとしての雇用を私からお願いし、先取り社会人のような感覚で平日の5日間、フルタイムで働くようになりました。

 

ー行動力や決断力が本当にすごいですね!日本語の勉強も独学でされていたと思いますが、どのように勉強をされていたのでしょうか。

モニカさん:今でこそ、アプリやオンライン学習が普及したり、日本語対応がされているコンテンツもポーランドでたくさん出てきましたが、当時は学ぶツールはすべて本だったので当時はとても苦労しました(笑)

まずは地道に電子辞書や本を使いながらひらがなとカタカナの勉強から始めて、その後はインターネットを利用してブログを読んだり、書いたりして勉強をしていました。

またWeb制作と同じく、日本語力を試すアウトプットの場がほしかったので、2つの方法を試してみました。1つは日本人と会話をしてみること。当時、ポーランドのヴロツワフには日本企業の工場があったので、町には多くの日本人がいました。そこで、町に住んでいる日本人と知り合って、英語を混ぜながら日本語を話す練習をしていました。

もう1つは自分でブログを書いたり、友達のサーバーでWordPressを使って、サイトを立ち上げてみたりしました。そこでCSSなどのスキルも試していましたね。ブログは2つ運用していて、1つはポーランド語で書く日本についてのブログ、そしてもう1つはアメブロを使って日本語で日記を書いていました。使いながら勉強するのが私には1番合っていましたね。自分で勉強できることなら学校で学ぶ必要がないということをより感じられた経験です。

そうしてブランディングやWeb制作、日本語をひたすら学び、大学を卒業した1年後、日本に移住をすることを決めました。

 

 

働き方も、自分らしくありたい

ー日本に移住するという決断をした理由を聞かせてください。

モニカさん:本当にシンプルに、人生の経験として日本に住んでみたかったんです。そんなに長期的に住むことになるとは思っていなかったんですが、気づいたら9年経っていました(笑)

「なぜ日本をそんなに好きになったの?」とよく聞かれるんですが、これも困る質問なんですよね(笑)突然好きになったのでこれという理由がなくて。人を好きになるのって、明確な理由はないじゃないですか、そんな感じなんです。ご飯や文化、環境など、色んなことが私にフィットしていたんだと思います。


ー実際に日本語を主軸に話すようになって、挫折や悩みなどはありましたか?

モニカさん:ヨーロッパの言語と全く異なる言語なのでチャレンジングな日々でしたが、ブログなどを通してポーランドでも勉強は続けていたので、あまり壁にぶつかることはなかったです。簡単な文法だけでコミュニケーションが取れる日本語の良さを上手く利用して、学びながら習得していきました。

ただ、個人的に一番大変だなと今でも感じるのは”敬語”ですね。敬語というより、日本人が持っている”言葉の敏感さ”に悩みました(笑)個人差があるので「丁寧すぎるからラフに話していいよ」と言われたかと思えば、違う人に「上から目線に感じる」と言われたり…。ここの調節や距離のとり方は今でも苦労します(笑)

 

ー日本に移住されるにあたって、お仕事探しはどのようにされていたんですか?

モニカさん:ブランディングのお仕事は続けていきたいなと考えていたので、大学生の時に働いていたポーランドのブランディングの会社との繋がりで、フリーで仕事を受けていました。それと両立してスターバックスでアルバイトをしたり、英語教師をしてみたりと、色々なお仕事も日本で経験しましたね。

そうしていくうちにブランディングの会社から頂ける案件が増えてきたので、日本で個人事業主として働くようになりました。それからはポーランドだけではなく、日本語でのお仕事や日本の企業と業務委託で仕事を受けたりもしましたね。

 

ーでは、日本の会社で正社員として働くことは選択肢になかったのでしょうか。

モニカさん:そうですね。インターンのころから柔軟性を持った働き方をしていたので、朝の9時から夜の7時まで毎日オフィスに行くような生活は私には向いていないなと思っているんです(笑)だから、自分で時間を管理して自由に働けるフリーランスの道を選びました。

 

ー現在は株式会社ニューロマジックで、正社員として働いていらっしゃいますが、どのような心境の変化があったのでしょうか。

モニカさん:日本に7年ほど住んだ頃、そろそろポーランドに戻って向こうで仕事をしてみたいなとぼんやり考えていたんです。その頃にちょうどコロナが始まり、海外渡航もしばらくできなくなってしまったんです。その期間が自分の生き方や働き方を考えるきっかけになって、今まで自分の選択肢からは外していた正社員のお仕事をしてみたいなと思いエージェント経由で職を探しはじめました。そして出会ったのがニューロマジックです。

ニューロマジックで働いてみようと決断できたのは”働きやすさ”と”他社と違うことをやっていること”ですね。海外にも複数拠点を持つ会社だったのでフレックスはもちろん基本的にはリモートワーク勤務なんです。まさに、私が探していた理想の働き方だと思いました。 

ニューロマジックでは、マーケティングをメインで行っています。広報など、私が今まで培ってきたブランディングのスキルも活かせています。

モニカさんと同じく株式会社ニューロマジックで働く江口さんの記事はこちらから

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ニューロマジック江口綾さんのサムネイル

 

“いつか”を待ちたくない

ーモニカさんがエネルギーを絶やさず、挑戦し続けられる理由は何だと考えていますか?

モニカさん:人生はあっという間に過ぎ去ってしまうからこそ、やりたいことにはたくさん挑戦してみるべきだと考えています。私は”いつか”を待ちたくないんです。

やりたいことリストだけ作って満足して、「今はまだいいや」と後回しにしていたり、「良い服を買ったから大事なときにだけ着よう」とクローゼットにしまい込んでいると、気づいたら数年経ってしまっていたっていう経験って無いですか?(笑)

むしろ観光客や旅人のほうが、限られた時間を無駄にしないようにと、私がやりたくても簡単にできなかったことを数日で経験してしまってたりするんですよね。

スイッチを押すのは自分なので、長い目で見たときに自分の人生に後悔しないようにやりたいことはすぐにチャレンジしてみる、ということは常に意識しています。

 

ーモニカさんがこの先新たにやってみたいと思うことや挑戦したいスキルはありますか?。

モニカさん:未来のことは正直わからないです。こんな性格なので、今は全く想像していない事をしているかもしれません(笑)

現時点での”やってみたいこと”のお話をすると、今の時代どこでも仕事ができるからこそ、ワーケーションをしてみたいと考えています。数ヶ月単位で拠点を変えて、色々な環境で仕事をしてみたいんです。

アパートを借りたり、地元のスーパーやレストランに行ったり、”そこ”に住んでいる人と同じように生きてみたい。「どんな出会いがあるんだろう」「どんな暮らしができるんだろう」「ここで何にチャレンジができるんだろう」という事を考えるととてもワクワクしますよね。今まではスキルに重点を置いていたからこそ、次は自分のライフスタイルにも価値を生み出していきたいです。

 

***

 

人や社会に影響されることなく、自分らしく生きるって本当に難しいことですよね。


そんなとき、ゲーム感覚で人生を進んでいくモニカさんの生き方は、自分自身を客観視しながらも楽しんで人生を歩める、とても素敵な考え方だなと感じました。

 

1つのキャリアを極めることもとても大切だと思います。
でもモニカさんのように、好きなことを好きなだけ学べる、異業種のお仕事がいくらでもできる、そんな社会があっても面白いはず!


これからの社会はもっともっと多様化し、数年前は考えられなかった働き方や生き方がこれからもたくさん出てくると思います。
だからこそ、皆さんには可能性を捨てず、固定概念にとらわれること無く、一度しか無い自分の人生を全力で楽しんで欲しいです。


私もモニカさんのように、新しい武器を探しにクエストに出かけたいと思います。

 

モニカ・ヴァイスマン(Monika Weissmann)さん
モニカ・ヴァイスマンインバウンドマーケティンググループリーダー・ビジネスデザイナー


ポーランド出身。ヴロツワフ大学(Uniwersytet Wroclawski)卒業。2013年から日本に移住し、日欧米のブランディングとマーケティングを10年以上経験。ビジネスデザイナーとして、ブランディング、マーケティング、リサーチ、企業戦略、情報設計、UX、サービスデザインの経験を活かした総合ソリューションを提供。2020年ニューロマジックに入社。2021年からインバウンドマーケティンググループリーダーとして従事している。

モニカさんのHP:https://monikaweissmann.com/japanese/
株式会社ニューロマジックHP:https://www.neuromagic.com/

 

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