世界中にただいまと言える場所をつくりたい!山本望さんと考える『サステナブルな生き方』とは

サステナブルな生き方をする山本望さん

近年、SDGs(エスディージーズ)という言葉を耳にすることが増えてきました。

 

敷居が高くなりがちなSDGs。地球のために、未来の自分のためにと考えても、ぶっちゃけ何をしたら良いのか分かりませんよね。
「教育から見直すべきだ」「ビジネスにはしづらい」などという意見もあります。

 

そこで今回は、サステナブルな暮らしをSNSなどで発信している山本望さんと一緒に、『私たちの未来』について考えてみました。
実はライター yukaの高校時代の友人でもある山本さん。

 

いつもと少し違った雰囲気の取材を皆さんにお届けします。

 

続けることって難しい!小さなことの積み重ねが大事

海外の子供たちと触れ合う山本望サスティナブルな暮らしやSDGsについて考えていこうと意識したのはいつ頃でしょうか。

山本望さん:高校生の時、1年間アメリカ留学を経験したことがきっかけの一つだったと思います。日本ではあまり貧富の差は感じないけど、海外へ行ってその差を強く感じて。そこから貧富の格差についての課題意識を持つようになりました。大学生になってからもその気持は変わらず、大学入学時に海外に家を建てるというボランティアサークルに入りました。

 

ー貧富の格差ってどのようにして生まれるのか、山本さんなりの答えは見つかりましたか?

山本望さん:いろいろ考えた結果、国によっての資源の違いが大きいなと感じました。例えば、ある国には綺麗な水がたくさんあるけど、この国には水が少ない、みたいな。自然的な資源の量によって変わるんだと気付いてから、サステナブルや環境問題に興味を持ち始めましたね。

 

ー大学ではその他にどんな活動をしていたんですか?

山本望さん:大学3年生のときに、友人3人とサステナブルな取り組みを行う団体『from us to earth』を新たに立ち上げました。
一番最初に取り組んだのは、『0 waste picnic』というものです。ゴミを出さずにピクニックをしようという取り組みです。サステナブルと聞くと、ちょっと意識高いし、ちょっとやりにくいという印象が強いと思われがちだからこそ、もっととっつきやすいイベントを作ろうと始まったのがきっかけです。みつろうラップを使ったり、みんなでお皿を持ってきたり気軽に楽しく地球のためにできることを行っていました。他にも、みつろうラップを作るワークショップや地球にやさしい暮らしをおしゃれに楽しく始めるための情報を発信していました。私が通っていた獨協大学はとてもエコに力を入れている大学だったので、『アースウィーク』というものもキャンパスで行われるんです。そこに出典をしてみたりと、幅広く活動を行っていましたね。

この団体は、嬉しいことに私が卒業した今も続いてます。

ゴミを出さずにピクニックをする風景

 

人にも地球にも優しい選択を

SDGsに取り組む山本望さんと仲間たち

ー外部で行っていた活動もあるのでしょうか?

山本望さん:そうですね。外のコミュニティにも同じような思いを持っている人がたくさんいるんだということを知り、『meguru』というコミュニティもできました。meguruメンバーが各々ワークショップを開いたりすることで、沢山の人とつながりを作ることが目的です。

また、Youtubeの動画を通して、タレント・田辺莉咲子さんと環境問題やヴィーガンについて発信しました。

ーエコや、サステナブルの領域って、どうしても地球単位になってしまったりしがちかなと思うのですが、世界を変えたいなどの大きな目標を持ったことによって、苦しくなってしまったこともありましたか?

山本望さん:そうですね。一時期はとても大きいものを考えていたんです。例えば「自然がいっぱいある地球を作りたい」とか。でも、ボランティアサークルをやっている時から、「なんでお金を払ってまで海外にボランティアをしに行ってるの?」と否定的な声があったのも事実で。私は新しいものに出会うと、「これが正義だ」と思いがちだけど、意識を変えたり、日々の生活にエコを取り入れることはとても難しいよなという葛藤もありました。今では良い意味で肩の力抜けた部分もあって、まずは「楽しそう」と少しでも思ってくれたら良いなという想いで日々発信をしています。私が思い描く未来は、「自分が手を取り合える距離の人たちが幸せでいてくれる世界」で。それが結局はサステナブルなことが関わってくるなと気づけたので、共感できる人と少しずつ、変えていけたらなと思っています。

ライフスタイルを最優先したからこそ出会えた会社

持続可能な生活を行っている様子ーサステナブルな暮らしを目指す上で、たくさん働き方の選択肢はあったのかなと思いますが、なぜ不動産会社に就職をしたのでしょうか。

山本望さん:確かに最初はサステナブルな活動を通してビジネスができたら良いなと考えていましたが、学生時代に経験させてもらったインターンを経て、ちょっと違うなと感じてしまったんです。サステナブルは私が好きな領域だったはずなのに、仕事とかタスク化してしまうと嫌いになっちゃった自分が居て自然の近くで過ごしたい、という自分の大切にしたい想いに軸をおいて就職活動を行ったときに、『エンジョイワークス』というまちづくり不動産に出会いました。
この会社はライフスタイル(暮らし方、働き方、生き方)について共創する機会を生み出すことで、持続可能で豊かな社会の実現に貢献するというのがミッションなんです。ただ物件を紹介するだけじゃなくて、住む人のライフスタイルを考えたコンサルティング営業に近いことを行っています。

人の暮らしに関わる仕事がしたいとずっと思っていて、それが近からず遠からず、自分が生きたい世界と似ているなと感じ、この会社に就職をしました。現在は、フリーランスとして活動を行っています。

 

ただいまと言える場所を世界中に作りたい

SDGsに取り組む山本望さんと仲間たち

ー今までの人生を振り返った時、通ずる想いや原動力はあったのでしょうか。

山本望さん:信念的にずっと大事にしていることは、「自分に嘘をつきたくない」ということです。捉え方によっては自己中や自分本位という考えにもなってしまうけど、人のために、地球のためにって頑張りすぎるといつか疲れてしまって自分がいなくなってしまう気がするんです。

だからサステナブルも完璧にやらなくて良いんだよ、ということは常に意識しています。自分が幸せであり、自分の周りの人が幸せになる方法を選んでいます。

 

ー日本がこれから向き合っていかなきゃいけない課題ってどんな事があると思いますか?

山本望さん:固定概念かな。日本の良いところでもあり、悪いところでもある側面だと思うんです。「流行りにのるべき」とか、「痩せてる人は美しい」とか。もちろん、私自身も痩せたいなと思うことあります。だから、その考えが100%悪いというわけじゃないけど、『それが全て』と思いこんでしまう人がとても多いと思うんです。「女性らしい」とか「男っぽい」とか、そういう概念に強く囚われてしまっていることが問題だなと感じます。いろいろな考えに対して、もっと寛容的になれれば良いのにと強く思います。

 

ー私達が生まれた頃や、学生だった頃と比較すると、変わってきた部分はあると思いますか?

山本望さん:そうですね。10年前と比べると、だいぶ変わってきているなと感じます。『LGBTQ』というワードが出てきたり、自分のジェンダーをなんて例えても受け入れられる社会にもなってきました。SNSがみんなの生活の一部になっていったことで、そういう考えや想いを発信しやすい環境になってきていますよね。

 

ー山本さん自身の今の夢や目標を聞かせてください!

山本望さん:野望があるんです(笑)人生を通して、『ただいまと言える場所を世界中に作りたい』という夢があります。世界に影響を与えたいとか、そういう意味ではなくて、世界中に関わったことがある人をたくさんつくりたいんです。関わり方は何でもよくて、その人の夢の後押しをしてみたり、一緒にプロジェクトを遂行してみたり、その人の夢を応援したり…。沢山の人に関わって点を増やしていって、世界をもっと自分ごとにしたいなと思っています。

***

今回はフリーランスとして活動をしつつ、サステナブルな暮らしを大切にし日々発信をしている山本望さんにインタビューを行いました!

彼女は、『人にも地球にも優しい選択をという言葉を大切にしているといいます。
表面的にただ優しいわけではなく、相手や地球のことを想う優しさ。まずは想いがあれば、無理してそんなに頑張らなくて良いんだよと話してくれました。

実は私の周りには、高校から大学にかけて、山本さんに限らず地球に優しい暮らしを大切にしていたり、SDGsに課題感を持って日々発信をしている人が多く居ます。
そんな中で、私もみんなと同じようにやってみよう!と、サステナブルな暮らしに憧れを持ちいろいろなことを気にしはじめると、思い通りに行かないことが出てきて、以前は感じなかった罪悪感を感じたり、苛立ってしまったり…。

だからこそ、今回の取材は少し緊張していました(笑)

ですが、今回の取材を通して、少し気持ちが楽になりました。
ベストが無理でも、ベターな選択ができるように。まずは自分が居心地良く生きられるように。
できることから少しずつ頑張っていきましょう。

 

shabellbaseでは今後もさまざまなバックグラウンドや想いを持った方を取り上げていきます。
あなたの人生のヒントが見つかるかもしれません。

 

山本望さん
やまもと のぞみ|フリーランス


1997年生まれ。愛知県出身。高校時代に1年間アメリカへ留学したことや、大学で入ったボランティアサークルがきっかけでサステナブルの道に目覚める。団体を通して環境問題やサステナブルな取り組みを伝える活動を行う。大学卒業後は持続可能で豊かな社会の実現を目指し株式会社エンジョイワークスへ入社。現在はフリーランスとして活動をしている。

from us to earthhttps://www.instagram.com/from_us_to_earth/?igshid=YzAyZWRlMzg=
meguruhttps://www.instagram.com/me_gu_ru8/

 

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