【空間デザイナー】折原美紀さんに聞くデザインの持つ魅力!

ポーズを決める折原美紀

今回は“プロ”の中からインテリアデザイナーとしてご活躍中の折原美紀さんにインタビューを行いました。

皆さんが普段から目にする“空間”。
空間をデザインすることには馴染みがないかもしれませんが、デザインされた空間で何かを感じることはあると思います。折原さんは人への「思い」や「心」「愛」で空間をデザインし、作品で人の心を動かす活動をされています。

『shabell』を運営する株式会社shabellのオフィスも、折原さんにデザインしていただいています。
空間デザインで人の心を動かす折原さんのお話は、これからのキャリアを考えている方々に読んでいただきたいものとなりました。

ずっと働くなら“好きなこと”で

パソコン

ー折原さんが“インテリアデザイナー”を志すまでの、最初のキャリアやきっかけについて教えてください。

折原美紀さん:キャリアにおける“普通”というものは人それぞれだと思いますが、私は他のデザイナーさんとは違うキャリアを築いてきました。
専門的な知識を得るために学校で学んできたわけでもないので、早い段階からデザイナーを志していた方とは違うキャリアを持っているんです。

私のファーストキャリアは銀行員でした。大学進学を決める際に、美術大学への進学を希望していたのですが、いろいろな事情で進学を諦めることとなってしまったんですね。急遽就職活動を始めたのですが、時期がかなり遅かったので、そのタイミングで新入社員募集をしていたのが銀行員か公務員だけだったんです。そこから銀行員を選択しました。

 

そこからインテリアデザイナーを志されたと思うんですが、目指そうと思ったきっかけは何だったんでしょうか?

折原美紀さん:銀行員は自分には向いていないと感じ、結婚を期に退職しました。その後、子どもを授かることができたのですが、結局夫とは離婚をすることになったんです。それからはこの先「一生続けられる仕事は何か?」を考えるようになりました。

私は娘に「あなたのためにこんなに毎日頑張っているんだから」とは言いたくなかったですし、逆に「好きな仕事をさせてくれてありがとう」と言えるようになろうと思いました。

そして昔から絵を描くこと、デザインすることなどが好きだったことや、結婚していた時代に飲食店を経営していた夫と新規店舗を素人ながらもインテリアデザイナーとして内装に関わらせていただいたことを思い出したんです。そんな時に、知り合いの紹介もあってインテリアデザイナーの講座を受けたことがきっかけで、今の仕事を志すことになりました。

 

自分の中の好きを仕事にすることが出来たんですね。

折原美紀さん:ただ、私は専門的なデザインの勉強をしていなかったので、インテリアデザイナーとしてデザイン会社に入ってもすぐには戦力になれないと思いました。そこで元銀行員のスキルを活かし、経理を兼ねてインテリアデザインの会社に入社をしました。それからは営業時間開始より前に出社をして、先に経理の業務を終わらせて、始業と同時に先輩と一緒に打ち合わせや現場で業務をこなすという日々を重ねていきました。

トライアル精神を大切にしてくれる上司に恵まれ、2年半、その会社で実務経験を積んだものの、その会社がなくなることをきっかけに独立することを決意しました。

 

折原さんの原動力

猫を抱く折原美紀

多様なキャリアを経験されている折原さんですが、キャリアを歩まれていく中での原動力は何でしょうか。

折原美紀さん:インテリアデザイナーになったばかりの頃は、私はそれまでのキャリアで専門的な勉強をしてこなかったコンプレックスのようなものが原動力となっていました。大学で学んだこともなければ師匠もいないというような自分の状態に、焦りや引け目を感じていたんだと思います。

ですが、今の原動力はそれとは少し違うものです。私を突き動かすのは誰かの問題解決やポジティブに心を動かすことかなと思います。インテリアデザインの持つ魅力や価値をもっと世の中に広げていきたいという思いが原動力になっているように思えます。

 

折原さんの考えるインテリアデザインの魅力は何ですか?

折原美紀さん:インテリアデザインが与える価値というのは、物質的なものだけではないんです。精神的な価値もあります。例えば、皆さんの中にも自然豊かな場所に行くと、心が晴れたような気分になった経験がある方がいると思います。それと同じように、インテリアデザインが与える精神的な豊かさがあると思っています。

私自身、小さな頃から部屋の模様替えが好きで、月に一回は必ず模様替えというインテリアデザインをしていたんですね。しかもその模様替えは必ずいつも寝る前。夜に模様替えをして、朝目を覚ますといつもと違う空間に自分がいて、少し生まれ変わったような新鮮な気持ちで朝を迎えることが嬉しくて仕方なかったのを覚えています。

 

確かに普段とは違う場所に行くと、非日常を感じたり、心がスッキリする経験をしたことがあります。あくまで個人的な感想なんですが“デザイン”と聞くと、なんとなくハードルが高いように思えてしまいます。折原さんはそんな“デザイン”とどのようにして向き合っているんですか?

折原美紀さん:以前までだと難しかったのですが、現代は情報社会になっているので、簡単に“素敵な空間”というものを目にすることができるんですね。例えばSNSやアプリを覗けば素敵なデザインやクリエイティブな作品を見つけることができます。

しかし、ただ単に眺めるだけではなく、自分が“素敵だな、いいな”と思ったデザインに対してどこが素敵なのかを考えることが大切です。もしくは”なんか惜しいな“と感じるのであれば、具体的にどの部分が惜しいんだろうと考えるだけで、これまで気が付かなかったことに気がつくと思います。

あとは、“色”についても同じで、自然界の中にたくさん見本が溢れているんです。木は緑と茶色ですし、海は青と砂浜のベージュというように、目を向けてみると身の回りには見本が溢れています。少しだけ視野を広げて、考えてみるだけで、それを繰り返しているといつしかデザインや空間について考えることが楽しくなるはずです。

 

自分のキャリアを活かすことができる

折原美紀がデザインをしたshabell社のオフィス

折原さんがshabellと出会ったきっかけはどんなものだったのでしょうか?

折原美紀さん:一番初めは、株式会社shabellさんの新オフィスのインテリアデザインをしたことがきっかけでした。オフィスをデザインしていく上でshabellの守岡社長とお話しする機会があって、その時にお話いただいたことがとても印象的だったんです。

今までの社会って経済的なことで物事の良し悪しが決められてきたように思うんですよね。価格が高ければ良いものとか、儲かれば良いものというように。ただ、守岡さんが話してくれたshabellのイメージは、本質的に人のためになるようなことで、経済的な要素は後からついてくるようなイメージだったんです。

人のためになることで、社会が良くなると思いますし、社会が良くなることが最終的には経済的にも良くなることに繋がると思うんです。そういう可能性を感じたので、ぜひご協力させてくださいということでアプリに登録しました。

 

ー最後にこれから夢を追いかける若者や、相談者になりうる人に向けて何かメッセージをいただけますか?

折原美紀さん:今ってとても過渡期で、今後の人生について悩んでいる学生さんが多いと思うんです。時に、やりたいことが見つからないというお悩みが多いように思います。

ただ、そんな時に一つ考えたいのは、“何をもって見つからないのか”というところです。もし、やりたいことが見つからない理由が、この仕事で食べていけるか分からないとか、専門的な勉強をしていないから、というようなものだとしたら、『できない』という選択肢を無くすお手伝いをしたいんです。

私自身、デザインについて専門的な勉強を学校でしたわけではないですし、だからこそ努力した部分もあります。私が話せることが、迷っている方のお役に少しでも立てばいいなと思っています。

***

今回はインテリアデザイナーの折原美紀さんにお話を伺いました。
ご自身のこれまでの経験を活かして、誰かの役に立ちたいとお話ししてくださった折原さん。

「キャリアについて迷っている方は、他人には分からない悩みをきっと持っていると思うんです。側から見れば“こうすればいい、ああすればいい”と考えるかもしれませんが、最終的には本人がどう考えるのかだと思うので、そこのお手伝いをできれば良いなと思います」折原さんはお話してくださいました。

この記事を通して、インテリアデザイナーになりたい方や、キャリアについて迷いや悩みがある方の力になれたら幸いです。

折原美紀さん
おりはら みき|経営者


株式会社oriharamiki design office株式会社 oriharamiki plannning officeの代表取締役。女性ならではの感覚で「居心地の良さ」「ホスピタリティ」「可愛さ」「色気」を追求し、そのフィールドはレジャーホテル、飲食、クリニック等多岐にわたり「流行る施設創り」を目指して日々インテリアデザインをしている。JCDデザインアワードなどで奨励賞、及び入選多数。

株式会社oriharamiki design office:https://oriharamiki.com/
株式会社 oriharamiki plannning office:https://oriharamiki.com/planning-office/

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