2025年9月、「しゃべる就活フェスタ」が開催されました。多くの企業様と学生がリアルに出会い、相互理解を深める貴重な機会となった本イベント。
今回は、初めて大型イベントに出展された人材×IT領域で急成長中の企業の採用担当 U 様と T 様にお話を伺いました。
出展に至った背景や当日の手応え、そして今後の採用への活かし方について教えていただきましたので、出展を検討されている企業様や、今後フェスタに参加予定の企業様はぜひ参考にしてみてください。
企業様の概要
| 概要 | HRTech領域 |
| 昨年採用人数 | 10~12名 |
| 主な採用チャネル | 紹介会社経由が中心 |
| 課題 | ・紹介会社依存度が高いことによるコスト上昇 ・採用チャネルの多様化・自社接点強化の必要性 ・採用時期の前倒し化による、早期層アプローチの難しさ ・出会えてもその後フォローで離脱・反応が薄くなる「接続途切れ」問題 |
“紹介会社依存”から脱却へ。攻めの採用を目指して
——これまでの採用活動では、どのような課題を感じていらっしゃいましたか?
U 様:これまでは紹介会社経由の採用が中心で、そこに強く依存していた点が大きな課題でした。
紹介経由は一定の成果が出る一方で、コストも上がっており、採用チャネルを広げる必要があると感じていました。
また、採用スケジュールの前倒し化もあり、「待つ採用」から「攻める採用」に転換しなければという危機感もありました。そのような背景から、今回の「しゃべる就活フェスタ」は、ほぼ初めて“自社で直接学生に出会う”ための挑戦でした。
——今回、「しゃべる就活フェスタ」への出展を決めた理由を教えてください。
U 様:代理店を通じてご案内をいただいたのがきっかけです。
弊社はこれまで早期学生向けのイベントに出展したことがなく、また大型イベントへの参加も初めてでした。「まずは試してみよう」という社内の声も後押しとなり、早期層へのアプローチを目的に出展を決めました。
参加人数が多く、学生との接触数が期待できる点も魅力的でしたね。
——出展前に期待していたことはどのような部分ですか?
U 様:一番の目的は「学生との接触数」と「認知拡大」でした。これまで紹介会社経由が中心だったため、直接弊社を知ってもらう機会がほとんどなかったんです。
リアルイベントを通して、学生に弊社を自分たちの言葉で伝えたい。そんな思いがありました。
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当日の手応え。多くの接触と新たな課題
——実際のイベント当日は、どのような手応えがありましたか?
U 様:QRコードの交換は85件ほどと、想定よりも多くの学生と接触できました。ただし、その後の接続に関してはまだ課題が残りますね。
LINEでつながった学生の中には説明会に参加してくれた方もいましたが、QR交換だけの学生は反応が薄く、フォローが難しい部分がありました。
T 様:おそらく、学生からすると「どのイベントで出会った会社だっけ?」となってしまうのだと思います。せっかく接触できたのに、その後の“思い出してもらう導線”が弱い点は、今後の改善ポイントだと感じました。
——会場での運営面で、感じたことはありましたか?
U 様:はい。ブース内のメンバーによって学生との接触濃度に差が出てしまいました。
スカウトエリアで積極的に動いていたメンバーは10〜15分程度しっかり話せましたが、ブース対応側は2〜3分の短い接触が中心で、印象が薄くなってしまいました。
また、後半から「2回目の接点をつくる」動きを始めたのですが、前半から戦略的に動けていればもっと成果につながったと思います。
中村:確かに、当日中に再接触を仕掛けるのは効果的ですよね。
U 様:そうですね。「一度話した学生が、他社を回った後に再度立ち寄る」ような流れをもっと作れれば良かったと感じました。
——今回、ブース装飾はシンプルな形でしたが、いかがでしたか?
U 様:業界表示などを出す案もありましたが、結果的に非表示で正解でした。
IT業界と書くと「エンジニア志望じゃないから」と学生が避けてしまう可能性もあったので。装飾を抑えた分、呼び込みスキルや会話力が求められますが、人の力で勝負するイベントである以上、それも良いチャレンジだと感じました。
T 様:ブース装飾がない分、学生の興味を引くには“人”の力がすべてです。
御社って何の会社?と聞かれることも多かったので、そこから会話で引き込む力が重要だと思いました。
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「人」が主役のイベント。営業メンバーの存在が鍵に
——どんな企業に「しゃべる就活フェスタ」をおすすめしたいですか?
U 様:参加していた学生層のレベルが高く、上位校の学生も多い印象でした。そのため、数百人規模ではなく“厳選採用”をしたい企業には合うと思います。
T 様:加えて、人事メンバーが積極的に話しかけられる会社、または営業メンバーをうまく巻き込める企業に特におすすめです。
学生との距離が近い分、“人の魅力”がそのまま伝わるイベントだと思います。
——最後に、イベント全体の感想を教えてください。
U 様:長丁場でしたが、ローテーション制で動いたので疲労感は少なかったです。後半は学生数が減る時間帯もありましたが、終始、活気のある良いイベントでした。
T 様:私にとっては“ゲームの攻略”のような感覚でした(笑)。どう動けば学生が立ち止まり、どう話せば印象に残るか。
そのコツを掴んだチームほど成果が出ると感じましたね。イベント全体を通して、「学生とリアルに会うことの価値」を改めて実感しました。
① 「待つ採用」から「攻めの採用」へ転換
② リアルな対話で学生への認知を広げられる
③ “人”の力が問われるブース運営で、採用チームの成長にもつながる
④ 上位層の学生との新たな接点が得られる
⑤ 次回への戦略的改善にも多くのヒント