みなさんはお子さんにどのような「お金の教育」をされていますか?
近年は、バーコード決済やポイント払いなど現金以外の取引が多様化かつ複雑化していることで、子供たちがお金を理解するのが遅れていると言われています。にも関わらず、2022年に成人年齢が引き下げられたことによって、クレジットカードが18歳から作れるようになったり、SNSなどを通じて10代の若者が金銭トラブルに巻き込まれる被害も増えています。
そんな時代に子育てをしている方!
今や「早期のお金の教育」は親が意識的に取り組むべき、最重要ミッションかもしれません。
この記事を読んで、ぜひ小学校入学前にやっておきたい幼児の「お金の教育」に関する知識をつけてください。
お金の教育はどうして必要?
お金の教育を子供に行うことで、人生を豊かにしてくれる可能性を広げることができます。
では、お金の教育とは具体的にどんなものなのでしょうか。
自分が欲しいものを買えるまでお金を貯金する
将来の必要なことのためにお金を貯める
お金の話の中には「税金や社会保障について」も含まれてきます。しかし、お金の仕組みや、役割を知っていくことでお金に対する興味が湧いてきます。
まずは、お金に対する基本的な教育を行って、お金に困らずに生きていくための知識を身につけさせることが大切です。
早期の段階で、お金の仕組みを理解しておけば将来的に家計管理や資産の管理が必要になってきた時に、役にたちます。また、税金や社会保障制度について理解を深めれば、安心して生活できるようにもなります。
いずれにしろ、お金に対する知識を身につけておくことで、将来お金に関して何かトラブルに巻き込まれた時に、冷静に対処できるようになります。
日本は遅れている!?お金の教育の現状
文科省が2014年に発表している「文部科学省における金融経済教育の取組について」では、学校教育においては、小・中・高等学校の社会科・公民科、家庭科などの教科を中心に、児童生徒の発達段階を踏まえ、消費者教育・金融経済教育に関する内容を指導することとしています。
具体的には以下のような指導が求められています。
小学校家庭科:身近な物の選び方、買い方を考え、適切に購入できるようにすること
中学校社会科(公民):契約の重要性やそれを守ることの意義、個人の責任に気付かせること
高等学校家庭科:クレジットカードの適切な利用や多重債務問題など消費生活と生涯を見通した経済の計画について理解させること
しかし、お金の教育についての指導要領が見直されたのも最近で、子供にお金についての教育を行う大人がお金の教育を受けたことがないというのも課題とされています。
また、暗号通貨や、QRコード決済など現金以外のお金や支払い方法が日々生まれているので、今の経済状況に果たして今の教育が正しいのかという意見もあります。
諸外国では、小学校からの金融教育が必修化されているなど、若い頃からのお金の教育が当たり前になっていることも多いです。
金融広報中央委員会が発表した「金融リテラシー調査2022年」では、学校などで金融教育を受けた人の割合の調査を行いました。その結果、日本が7%、アメリカが20%と日本との差は約3倍となりました。
ちなみに金融に関する知識に自信がある人の割合は、アメリカが71%と多くの人が自信を持っていますが、日本では12%と海外との金融知識の格差が大きいことがわかります。
おうちでできるお金の教育!年齢に応じた具体例をご紹介
では、実際に家庭ではどのようにお金の教育を行えばいいのでしょうか?
子供の興味や年頃に合わせて、適切な教育方法を実践してみましょう。
年齢に応じて、どうやってお小遣いをあげるのか。
それを決めるのが難しいよね〜
【おうちお金教育①】お小遣いからお金を学ぶ
多くの家庭で取り組んでいるお金教育かもしれませんが、ついつい”ただ渡しているだけ”にはなっていませんか?
余計な労力や時間をかける必要はありませんが、ちょっとした声がけや仕組みづくりは必要です。
お小遣いをあげて、子供が管理方法を学ぶ仕組みや方法を理解し、実践してみてください。
お手伝いに応じて10~50円などの金額を設定して、お子様と一緒に「200円貯まったら〇〇が買えるね!」など声がけをしてみてください。お金を貯めて、欲しいものを買うという体験を得ることができます。
【中期:5~7歳ころ】のお金の教育
この頃になると、もらったお小遣いをどう遣うかをきちんと考えられるようになってきます。「お小遣い帳」などをお子さんにつけさせるようにするといいかもしれません。帳簿を付けることや、「〇〇を買う」「〇円貯める」などの目標を達成させることにハマる子は楽しんで取り組んでくれるでしょう。
お小遣いの金額は家庭の経済状況や年齢に合わせて変えるのもいいのですが、周りの家庭に合わせた金額を与えることをお勧めします。
【おうちお金教育②】お買い物でお金を学ぶ
いつも行っているスーパーマーケットなどもお子さんにお金の教育ができるいい機会です。
子どもが欲しいと思っているものを買うためにはどれくらいお金が必要なのか、それを買うことで今日の買い物の予算に対してどれくらいの影響を与えるのかについて一緒に考えてみましょう。
【初期:3~5歳ころ】のお金の教育
予算額を設定し、「今日のおやつ」などを子どもと一緒に選んでみてもいいかもしれません。選んで・買うという体験ができたことは、お子さんの成功体験にもつながるはずです。
しかし、ここでのポイントは、設定を”シンプルなこと”にとどめ、できるだけ親子で一緒に取り組むことです。
まだこの頃のお子さんには予測をつける力が養われていないことを理解して、うまくサポートしてあげる必要があります。
【中期:5~7歳ころ】のお金の教育
お子さんの普段の発言などに応じて、設定のレベルを上げていきましょう。
時間的余裕がない場合は、ご自身の中で考えている「欲しいもの」「必要なもの」「餃子とシチューの材料」などを事前にお子さんに共有してみてください。ただお買い物について来ているのではなく、目的を共有するだけでも学びにつながるはずです。
【おうちお金教育③】遊びからお金を学ぶ
子供は遊びから学び、成長していきます。ご家庭での遊びの中に、お金の教育要素を含めていけたらいいですよね。
お金の教育のための玩具はたくさんありますが、いいものを買い与えずともお金の教育をすることができます。
ここでは、あえて玩具を買い与えるだけではない方法をご紹介します。
【初期:3~5歳ころ】のお金の教育
この年頃は、お金に興味が湧いて来た最初の頃ですので、まずはシンプルな遊びをお勧めします。
例えば、家にあるものでお金のようなものを用意し、お店のチラシなどを切り取って、欲しいモノを選ぶ・お金を用意する・支払う、といった体験を親子でやってみてください。
【中期:5~7歳ころ】のお金の教育
ご家庭内でお子さんがお店やさんを開く遊びもおすすめです。家庭内でニーズがありそうなモノ・コトに、値段をつけて売る体験は、それ以降の年齢で様々な創意工夫につながってくることでしょう。
お金の教育を行うタイミング
お金の教育は生きるために必要
2022年から成人年齢が引き下げられたこともあり、高校の家庭科の授業の中で、投資や資産形成などを取り扱ったお金の教育が始まりました。クレジットカードを作ったりお金に関する契約を結んだりすることが18歳から行えるようになりました。そのため、今後若者がお金に関するトラブルに巻き込まれる可能性が高くなると考えられています。
また、今の若い世代は、自分で老後資金を貯めるという意識やスキルが求められてきます。少子高齢化や平均寿命が伸びたことから、国の制度としての社会制度保障制度が正常に機能してくれる保障が薄くなったためです。
若い世代が将来きちんと自立して生きていくためにはお金の教育を行うことは必要不可欠であり、できるだけ早い方がいいとされています。まずは、社会とお金のつながり、お金の使い方や貯め方、増やし方などの幅広い知識を身につけていくことが大切です。
お金の習慣が身に付くのはいつまで?
お金に関する習慣は7から9歳までに確立されてくるといわれています。
大人になるまでに教えておきたいお金に関わる習慣は、「前もって計画を立てる」「予算を組む、計画をする」「後に楽しみをとっておく」「借りたものを返す」です。これらを身につけるという意味でも、早いうちからお金の教育を行うことは大切です。
まとめ
お金の教育を早いうちから行うことの大切さについて解説してきました。
お金の教育は、将来自立した一人の人間として育つためにも必要不可欠だと言えます。
これからの将来、さまざまなお金の問題や、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。それらから身を守るためのお金の教育でもあります。
また、生活とお金は切っても切れない関係にあります。お金の使いかたや仕組み、貯め方などを教育する方法を知っておくことで、子どもがお金に興味を持った時にすぐに教えることができます。
子どもに教育するためには、まずは大人がお金について学ぶ必要もあります。
お金に関しての知識に自信がない場合は、まずは勉強から始めてみましょう。