高等専門学校(=高専)についてあなたはどこまで知っていますか?
近年、5年で創造的な技術者を育成する日本の「KOSEN(高専)」には世界が注目しており、タイやベトナム、モンゴルでは「日本型高専教育」の導入が進められています。
もちろん、専門的な知識を身につけた高専人材に注目し期待を寄せているのは海外に限った話ではありません。
政府や企業も、産学連携や共同研究、奨学金やインターンシップの提供、就職支援の充実などを通じて実践的な能力開発と競争力強化を支援しています。
今回は、そんな「高専」への進学についての解像度を上げるべく、実際に高専に進学した先輩方にアンケートを実施してきました。
これを読めば、高専進学のリアルを実際に読み取ることができるでしょう!
高専ってどんな学校か分からないから行かない…ネットの評判が悪いから高専には行かない方がいいよね…?と思っている人こそ、将来のために「高専への進学」という選択肢への理解を広げてみてください。
高専って知ってる?中高生保護者の皆さんへアンケート
【質問①】あなたは、高専がどういう学校か知っていますか?
【質問②】あなたは子どもや知人に高専をおすすめしたいと思いますか?
【質問③】高専生の就職率がほぼ100%だということを知っていましたか?
こちらのデータは、株式会社shabellが中高生の子を持つ親33名に対して実施した「高等専門学校(高専)に対するイメージアンケート」の結果です。ほとんどの方が高専について「なんとなくしか知らない。だから進学を考えることもほとんどない」というところでしょうか。しかし、もしお子さんが興味のある領域が高専で学べるのなら、行かない方がいいと決めつけず親の方から選択肢の一つとして提案してあげてもいいのではないでしょうか?
その理由は、きっと記事を最後まで読んでみたら理解できると思います。実際に高専に進学していた(している)方々にしか語れないリアルな声に触れてみてください。
そもそも高専とは
高等専門学校(=高専)とは実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関です。
高専は全国に国公私立合わせて58校あり、全体で約6万人の学生が学んでいます。
文部科学省が示す、高専の特色はこちら。
【高専の特色①】 5年一貫教育
【高専の特色②】 実験・実習を重視した専門教育
【高専の特色③】 ロボットコンテスト、プログラミングコンテスト、デザインコンペティション等の全国大会開催
【高専の特色④】 卒業生には産業界からの高い評価
【高専の特色⑤】 卒業後、更に高度な技術教育を受けるための専攻科(2年間)を設置
高等学校や大学への編入や、大学院への進学も可能。ほとんどの高等専門学校には学生寮があり、希望者は入寮することができます(1、2年生が原則全員入寮する高専もあり)。
詳しく知りたい方は、こちらをチェック。
高専生に聞く!高専ってどんなところ?
・近すぎず離れすぎず、困った時には支え合える関係の人が多くて、高専は人との距離感がちょうど良い。
皆それぞれ好きなものや熱中していることがあるから、趣味を否定する人が少ないと感じる。
・高専の学科にもよるが、課題や試験など助け合わないとやっていられないので自然と馴染む。5年間クラス替えはないが、学年が上がるにつれて勉強が難しくなるので結束力が強まる。
・サークルやクラブ活動に所属していれば、先輩や後輩との交流もあり楽しい。高専はマニアックな人や多趣味な人が多く、自分に刺さる友達が1人くらいはいると思う。卒業後も、高専時代の友人とは仲良くしている。
・高専の先生方は面倒見が良い方が多いので、わからないことがあったら必ず助けてくれるし、本人が諦めなければ留年することはまずない。学生は優しい人が多いので、同級生のおかげで経験できたことや乗り越えた事が多い。
・寮生活だったため友人とずっと一緒に生活できて楽しかった。高専で先輩や後輩と仲良くなったり、幅広い交流ができて刺激的だった。
勉強が忙しく、行かない方がいいという意見に不安を感じている方へ、こんな意見もご紹介!
確かに、情報系や工学系などが好きなのだったら、高専に進学して5年間かけてじっくり学び、将来のことも大学受験関係なしに時間をかけて考えられるのはとても魅力的。
高専に通うメリット・デメリットとは?
メリット
- 将来的な就職先の選択の幅が広くなることと、学費が安いこと。
- 就職がしやすいことと、学生寮で上下関係等の社会の練習が出来たこと。
- 早いうちから、大学生よりも深い専門知識と技術力を身につけられること。
- インターンシップで実際に会社に行ける。
- 人によっては卒業研究で共同研究をすることができ、メールの文章なども学んだりできる。
- 映像研究室やロケットを飛ばすクラブなど高専ならではの部活がある。
- 初対面でも高専卒の人だとすぐに打ち解けることができる。
- 全国の高専生と交流できるロボコンや高専大会などのイベントがある。
- 編入や大学院進学でレベルの高い大学に一般受験より行きやすい。
- 時間に余裕がある。留学したり、将来について様々な選択肢を検討したりできる。
- 普通の高校よりも教員の人数が多いため、先生が親身に相談に乗ってくれる。
デメリット
- 普通高校に進学した友達とのギャップがある(気にならない人は気にならない)
- 専門教科が難しいので早々に着いて行けなくなると後がしんどい。
- クラス替えが無いので人間関係でモメると逃げられないこと。
- 中学の早い頃に進路を決めることになること。
- 普通高校の漫画のような青春を送ることは難易度が高い。(できなくはない!笑)
- 女子の友達が少ない。
- 高専そのものを知らない人もいる。
- 高専卒で就職を選択すると、4大卒の方に比べて出世や昇給に社内で壁があることもある。
- レポートやテストなどが多くて忙しいため、バイトができたりするのは長期休みしかない。
他にも「クセ強い人により磨きがかかる」「私服登校なので、自分の好きな服を着られる」などの意見もありましたが、これは人によってデメリットとしてもメリットとしても挙げられていました。
では、実際に高専への進学を選ぶ方々は、どんな理由で進学を決め、どんな価値観を持っているのでしょうか。
高専に進学した先輩たちは、どんな理由で高専を選んだの??
【あなたはどんな理由で高専に進学をしたのでしょうか】という質問に対して、分野や専門知識に興味があった人や就職率の高さが理由の人が多いのかと思いきや、実際にはそれ以外の進学理由もあるようでした。
〈実際のコメント抜粋〉
- 将来の進学を考えた時に大学入試を受けるより、編入のほうが楽だと聞いたから。
- 兄姉が高専に通っていて、高専祭などの学校行事に参加した時に、楽しそう!と思ったから。
- 国語が苦手で、自分の数学力を試したかった。
- 寮に入って、誰にも邪魔されない環境で学校生活を満喫したかった。
- 将来の夢はある程度決まっているのに、普通高校に入学して大学入試のための勉強に多くの時間を費やすのが嫌だったから。
- 自由な校風に憧れたから
- 志望校に落ちたから
高専で学んだことはどう役に立っている?
【高専で学んだことは、その後に活きていますか】という質問に対しても、高専で学んだ専門知識や実践的なスキルを活かせているなどの質問がほとんどかと思いきや、実は高専で学んだことはカリキュラム以外のことも多いようです。
〈実際のコメント抜粋〉
- 色んな人がいたことで、視野が広がった。
- 技術者の方が参加するイベントや大会への参加、留学などを経験できて自分の引き出しが増えた。
- 高専は16-22歳までの学生が在籍しているため、上下関係をうまく構築していく能力が身についた。
- 高専でできた友達との交流は卒業後もずっと続いており、今でもそれが支えになっている。
- 知らない用語が多いような新しい分野でも、インプットするのに抵抗がなくなった。
- 高専時代の、専門的なことも理解できるようになっていった経験が、自信に繋がっている。
高専はどんな人におすすめ?
・地元にある高校数が少なく選択幅が狭い人
・好きなことへのこだわりが強かったり、共通の好きなこと(特に物作り)を持つ人と仲良くなりたい人
・高専では自由度が高い生活をすることになるので、堕落してしまわないような自立心のある人
・なんとなく人と違うことがしてみたい人
・モノづくりに興味のある人、留学に行きたい人
・就活への不安が大きい人
・数学が得意で国語や暗記が苦手な人
・高専でその専門科目を学びたい理由を持っている人
・学費を安く済ませて大企業に就きたい人
・高校で大学入試のためだけの勉強をしたくない人
まとめ
いかがでしたか?
保護者へのアンケート結果でみられた通り、きっと多くの方が「高専については、なんとなく知っている」という感覚でしょう。
専門知識を高度な実践的カリキュラムで学ぶことができる。その5年間で培われたスキルに、政府も期待している。そういったことも、なんとなく既に認知してる部分かもしれません。
だからこそ、最後は「高専生アンケート」で聞けたリアルな情報について、おさらいも兼ねてポイントをまとめてみます。
他の環境に比べ、何か好きなことに没頭している人の割合が高いからこそ、個性が尊重される環境!
5年間を共に過ごし、テストや課題などに立ち向かう環境の中で、友人と一生ものの絆を深められる!
日々の勉強は忙しいが在学期間には余裕があるため、将来のことをじっくり考えることができる!
校風が自由な一方で、学生寮や部活などで上下関係を身につけられる!
数学が苦手だったり、克服しようとするモチベーションがないと留年するリスクもある!