今回はフリーアナウンサーとしてご活躍中の中倉隆道さんにインタビューを行いました。
NHKを経て、フリーアナウンサーとしてご活動されている傍ら、コミュニケーションコンサルタント、柿ピー研究家など幅広くご活躍をされています。
今回はそんな中倉さんの「アナウンサー」に焦点を当てて、アナウンサーになるには?アナウンサーとして活躍するには?など様々なお話しを伺いました。
アナウンサーなどの話すお仕事に憧れている方、実際に目指している方にぜひ読んでいただきたい内容です。
研究者から、話のプロであるアナウンサーへ
ー中倉さんがアナウンサーを目指した理由を教えて下さい。
中倉隆道さん:私は就職活動の時に2つの考えをもちながらアナウンサーを目指しました。
私が就活をしていた時代はテレビの人気が最盛期で、今でも語り継がれる人気バラエティ番組がたくさんあったりアナウンサーがいろんなところで活躍したりと業界自体がとてもキラキラしていました。その世界に憧れて、テレビ業界に入りたいと思ったのが1つ目です。
そして2つ目は、人と話してコミュニケーションをとる仕事がしたいという思いです。私は、理工学系の大学院生だったので、学生時代は日々研究に明け暮れていました。そんな環境に身をおいていると自分は黙々とコンピューターへ向き合うよりも、人と話して何かを作り上げていくことの方が得意なタイプだと就職活動をする中で自己分析をしていくうちに気付いていったのです。
この2つの考えとマッチしたのが、結果としてアナウンサーという職業でした。
それに加えて、当時テレビ業界の採用試験は他の業界よりも半年から1年近く早く、就活の動き出しとして経験を積むために試験を受ける人が多くいました。私も、メーカーなどの研究職の採用が動き始める前に、憧れの仕事にチャレンジしたいと思い、試験を受けました。民放の試験も数々受けましたが、NHKから合格をいただくことができ、アナウンサーになることができました。
アナウンサー試験とは
―アナウンサー採用試験とはどんなことをするのでしょうか。
中倉隆道さん:私が受けた採用試験は筆記テストや面接、カメラテストがあり、他には身元のチェックもありました。
―カメラテストとはどんなことをするのですか。
中倉隆道さん:カメラテストというのはカメラの前で自己PRをしたり、指示された課題をこなしたりします。具体的には、スポーツの映像を見て実況をしてみるなどの課題があります。他にはその場で大学生には難しいと思われる漢字などが使われた難読なニュース原稿を渡されて、カメラの前で読むという課題もありました。その試験では、どれだけ物事を知っているのかを測ると同時に、分からないものに直面したときにどう対応するのかという対応力も見ています。
中倉さんのアナウンサー試験合格談は
―読めない漢字に対して、中倉さんはどんな対応をされたんですか。
中倉隆道さん:僕は無理やり読みました(笑)もちろん間違った読み方をしているんです。
その後面接官から、なぜ分からないものを読んだのかと聞かれたときに「読めという指示だったので読みました。意味は分かりませんでしたが、(独自の解釈で)読みました」と答えました。すると爆笑されましたが、そのやりとりの中で私の人間性を知っていただけたのではないかと思います。
アナウンサーという仕事は、テレビに映っている部分は全体の1割程度です。残りの9割の部分は取材やニュースなどの勉強、アナウンス技術の練習、スタッフとのコミュニケーションの上で成り立つ業務です。だからその試験では、その人の「人となり」が見られていたんだと思います。
フリーアナウンサーとしての働き方
―現在、フリーアナウンサーとして主にどんなお仕事をされているのでしょうか。
中倉隆道さん:ナレーションやイベント・番組司会、コミュニケーションに関する講演の仕事などがあります。講演の仕事は、例えば企業役員の方々が人前で受け答えする際のパブリックスピーキングの仕方や立ち振る舞いなどについてお話しさせていただいております。アナウンサーは人前に出て話す仕事で、見せ方の勉強をしていますから、そんなお仕事もあるんです。あとは、柿ピー研究家としてのお仕事ですね!
―何かスキルアップのために日々行っていることはありますか。
中倉隆道さん:知らない人とたくさん話すことです。例えば、カフェで隣の席に座っている人などですね。いきなり話しかけたりはしませんが、何かのきっかけからお話をして仲良くなります。
なぜそんなことをするのかと言いますと、テレビの現場は収録前の5分くらいでタレントさんと対面し、本番に入ることもあります。収録までに一瞬で打ち解けないと、距離感が視聴者に伝わりかねません。なので、打ち解けあって心に入り込める一瞬のタイミングを日々勉強しています。
―フリーアナウンサーとして収入を得るのは簡単なことではないと思います。恐れを凌いでお聞きしますが、収入はどう変化しましたか。
中倉隆道さん:収入はフリーになってからの方が高いです。局を退職する頃は、年収1200万ほどでした。アナウンサーだからといって給料形態の違いなどはなく、他の職種と同様に勤続年数と評価、残業代などで決定されていました。今は働き方改革で残業がそこまでできなくなりました。なので、そこまで高額ではないと聞きます(笑)
そういう点では、フリーになると自分で働き方を調整できます。収入も頑張った分いただけるので、たくさんお仕事をいただけたら、それだけ収入アップにつながります。
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今回はフリーアナウンサーの中倉隆道さんにインタビューをしました。
この記事では、NHKアナウンサー採用試験の話や現在の働き方など、赤裸々に語っていただきました。
続編である、「アナウンサーになるには?面接官が試験で本当に聞きたいこととは」では実際にアナウンサー採用試験の面接官をしていた経験から、合格を目指す上でのアドバイスを伺いました!
アナウンサーを目指している方は、必見です!!
前編に続き、現在フリーアナウンサーとしてご活躍中の中倉隆道さんへさらにインタビューをさせていただきました!前編では、中倉さん自身の経験や現在の働き方を伺いました。本編は、実際に面接官をされていた経験から言える「アナウンサー試験に[…]
- 中倉隆道さん
なかくら りゅうどう|アナウンサーTBSスパークル所属のフリーアナウンサー。中央大学大学院理工学研究科にて博士課程を修了後、2002年にNHK入局。アナウンサーとして、NHK各局やラジオなどで数々の番組や業務を経験し、2015年にNHKを退社してフリーアナウンサーに転身。柿ピー研究家・アニメ研究家・コミュニケーションコンサルタントとしても活動中。芸能界屈指の柿ピー好きとして知られ「マツコの知らない世界」「激レアさんを連れてきた。」などに柿ピー研究家として出演。