初任給や求人票に書かれた「月収◯万円」という金額。でも実際に振り込まれた手取りを見て、「あれ、こんなに少ないの?」と驚いた新社会人も多いのではないでしょうか。
特に手取り20万円前後で一人暮らしを考えている就活生にとって、「生活できるの?」「何にどれくらいかかるの?」という疑問は切実です。
このコラムでは、手取り20万円の基本給ラインから、生活費の内訳、新生活の初期費用、さらに節約や貯金のコツまでわかりやすく解説します。お金の不安を解消し、自信を持って新生活をスタートさせましょう!
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手取り20万になる基本給とは?
実は、社会人として初任給をもらうと「想像より少ない」と感じる人も多いです。その理由は、基本給から各種保険料や税金が差し引かれる「控除」があるからです。
ここでは、手取り20万円にするための月収目安や、引かれる項目について具体的に解説します。
・厚生年金保険料
・健康保険料
・雇用保険料
・住民税
手取り20万円になるのは、月収24万~25万円程度の人
手取り20万円を実現するには、額面(支給総額)で24万〜25万円程度の月収が必要です。
理由は、ここから健康保険・厚生年金・雇用保険・住民税・所得税といった社会保険料・税金が引かれるからです。
手取りは約8割前後になるのが一般的で、地域差や会社の制度によってもやや異なりますが、目安としてはこの範囲を基準に考えると良いでしょう。
厚生年金保険料
厚生年金保険料は、会社員であれば必ず支払う義務がある保険料で、給料の約18%が設定されており、これを会社と折半します。
自己負担は約9%で、月収25万円なら約22,500円程度が控除されます。
将来の年金受給に備える制度ですが、20代のうちは「大きな出費」に感じる人が多いのが現実です。
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健康保険料
健康保険料は、病院や薬局での医療費を軽減するための社会保険です。保険料率は保険組合や地域によって異なりますが、全国平均で約10%前後です。
そのうち半分が給与から差し引かれます。月収25万円の場合、約12,000円前後が引かれ、残りは会社が負担します。会社員にとってはありがたい制度のひとつです。
雇用保険料
雇用保険は、失業した際に一定期間給付を受けられる保険です。
保険料は給与の0.6%程度と少額ですが、月収25万円なら約1,500円が控除されます。企業も同額を負担しています。
普段は意識しにくい保険ですが、もしものときの安心材料になるため、忘れてはならない控除項目です。
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住民税
住民税は前年の所得に応じて課される地方税で、6月から翌年5月までの1年間支払います。
新卒1年目は住民税が原則かかりませんが、2年目以降は月1〜2万円程度が給与から天引きされます。
給与が25万円程度なら、住民税は約15,000円前後と想定されます。突然の増額に驚かないよう、覚えておきましょう。
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家賃・食費・光熱費はどのくらい?手取り20万の生活費内訳を解説
手取り20万円で一人暮らしをする場合、家賃・食費・光熱費など生活費のやりくりがカギになります。
ここでは、毎月の支出を項目別に分けて、実際にどのくらいかかるのかシミュレーションしながら解説していきます。生活設計の参考にしてください。
・食費
・水道光熱費
・通信費
・交通費
・娯楽費
手取り20万での家賃相場は約6万円
手取り20万円の場合、家賃は月収の3割以下が理想とされ、6万円前後が目安です。
都市部ではこの価格帯でワンルームや1Kが主流。地方では1LDKも視野に入る場合があります。
家賃を抑えることで、食費や貯金に回せる余裕が生まれるため、物件選びは慎重に行いましょう。管理費・共益費込みの金額で考えることが重要です。
食費
一人暮らしの平均的な食費は、月2万〜3万円が目安です。外食が多くなると月4万円を超えるケースも。自炊を中心にすればコストは大きく抑えられます。
特売やまとめ買い、冷凍保存などを活用すると効率よく節約できます。栄養バランスにも気をつけながら、無理のない食費設定を意識しましょう。
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水道光熱費
電気・ガス・水道の合計で、月7,000円〜1万円程度が一般的です。
夏・冬はエアコンや暖房で電気代が上がるため、季節によって変動します。ガスは都市ガスとプロパンガスで料金差があるため、物件選びの際は事前確認が必須です。
節電・節水を心がけることで、1,000〜2,000円程度の節約を目指しましょう。
通信費
スマホ代とインターネット回線を合わせて、8,000円〜1万2,000円ほどが相場です。
格安SIMやWi-Fi付き物件を選べば、通信費の削減が期待できます。
特に動画視聴やリモート作業が多い人は、通信速度やデータ容量も重視しましょう。見直しや乗り換えを定期的に行うのがポイントです。
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交通費
通勤や日常の移動にかかる交通費は、月5,000円〜1万円ほどが一般的です。
定期券があれば会社から補助が出る場合もあるので、就職先の制度を確認しておきましょう。自転車通勤や徒歩での移動を取り入れると、健康維持と節約の両立ができます。
車を持つ場合は維持費も加味する必要があります。
娯楽費
交際費や趣味に使うお金として、1万円〜2万円を予算化するのが現実的です。
飲み会や映画、カフェ、ショッピングなどは気づけば支出がかさみやすい項目です。
無理にゼロにするのではなく、楽しみながらも「月◯回まで」といったルールを設けることで、節度ある支出管理が可能になります。
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【就活生必見】今から準備するべき!新生活にかかる費用は?
一人暮らしのスタートには、毎月の生活費とは別に「初期費用」がかかります。引っ越し代から家具・家電の購入、契約にかかるお金まで、トータルで数十万円単位の出費になることも。
ここでは、新生活にかかる費用についてわかりやすく解説します。
・引っ越し費用
・家具・家電の購入費用
・生活用品の初期費用
・賃貸契約時の初期費用(敷金・礼金など)
・転居後すぐに必要なライフライン契約費
新生活にかかる総額は約30万~60万円が目安
一人暮らしを始める際の初期費用は、トータルで30万〜60万円程度が一般的です。
内訳には、賃貸契約の初期費用(敷金・礼金など)、引っ越し費用、家具・家電の購入、生活用品、ライフラインの契約などが含まれます。
選ぶ物件や購入する家電のグレード、時期によって金額は前後しますが、余裕を持って60万円前後の予算を想定しておくと安心です。
引っ越し費用の目安
引っ越し費用は、距離や荷物の量、時期によって大きく変動します。
近距離なら5万円前後で済むこともありますが、繁忙期(2~4月)や遠距離になると15万円以上かかる場合も。
単身パックなど安価なプランを活用することで節約が可能です。見積もりは複数業者から取るのが基本です。
「就活やらないと」とは思っているものの、就活って何にどのくらい費用がかかるのか、わからない…。意外と費用がかかりそうで手が付けられない…。スーツ代、交通費など、就活には多少の費用がかかってしまいます。できるだけ費用をかけ[…]
家具・家電の購入費用
冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・ベッド・テーブルなど、新生活に必要な家具家電を一式そろえると、10万〜20万円が目安です。
中古やレンタル、譲渡品をうまく活用すれば費用を抑えられます。家電は省エネ性能も重要なポイント。
必要最低限からスタートし、徐々に揃える方法もおすすめです。
生活用品の初期費用
カーテン、食器、洗剤、トイレットペーパー、タオルなど、日常的に使う生活用品にも初期費用がかかります。
1万〜3万円程度が目安ですが、100円ショップやドラッグストアなどを活用すれば出費は抑えられます。
細かいアイテムが意外と多いため、事前にリスト化しておくと無駄な買い物を防げます。
「若いうちは挑戦すべき」「裁量が大きい環境で自分を成長させたい」そんな想いを胸に、ベンチャー企業への就職を選ぶ新卒も増えています。確かに、ベンチャーはスピード感があり、若いうちから大きな仕事を任せてもらえる魅力的な環境です。しか[…]
賃貸契約時の初期費用(敷金・礼金など)
賃貸契約では「敷金・礼金・仲介手数料」など、家賃の4〜6ヶ月分が初期費用として必要になることがあります。
家賃6万円の場合、20万〜30万円程度かかる計算です。フリーレント物件や礼金なしの物件を選ぶことで、負担を軽減できます。
契約前に総額の見積もりを確認することが大切です。
転居後すぐに必要なライフライン契約費
電気・ガス・水道・インターネットなど、生活に欠かせないライフラインの契約も忘れてはいけません。
開通工事や保証金がかかるケースもあり、数千円〜1万円程度の初期費用がかかることも。
引っ越しと同時に手続きできるよう、事前に段取りを確認しておきましょう。
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手取り20万一人暮らし節約のコツ
手取り20万円での一人暮らしは決して贅沢はできませんが、工夫次第で安定した暮らしや貯金も可能です。
この章では、固定費の見直しや節約術、家計の管理方法まで、一人暮らしを続けるうえで役立つ節約の具体策を紹介します。新卒のうちから「貯める習慣」をつけることも大切です。
・自炊を中心にして食費を削減
・サブスクや不要な支出を断捨離する
・生活費の家計簿をつけて可視化する
固定費(家賃・通信費)を見直す
毎月の支出の中でも大きな割合を占めるのが家賃や通信費。
これらは一度見直せば長期的な節約効果が得られます。家賃は収入の3割以下が理想で、通信費は格安SIMやWi-Fi付き物件を活用するのがおすすめです。
契約の見直しやキャンペーン利用も効果的で、年間数万円単位の節約につながります。
自炊を中心にして食費を削減
外食やコンビニ利用が続くと、あっという間に出費がかさみます。
食費を抑えるには、自炊を基本にするのが最も効果的です。まとめ買いや作り置きを活用すれば時短と節約の両立が可能。自炊は健康面でもメリットがあり、節約以上の価値があります。
レシピアプリやYouTubeなども参考にしてみましょう。
20代は、将来の土台を築くために「やるべきこと」を一つずつ見つけていく大切な時期です。20代の間にどんな経験を積み、どんなスキルを身につけるかによって、30代以降の生き方が大きく変わります。とはいえ、「20代のうちに何をやるべき[…]
サブスクや不要な支出を断捨離する
気づかないうちに増えているサブスクや月額課金サービスも、見直しの対象です。動画・音楽配信サービス、アプリの有料プランなどを必要最低限に絞ることで、無駄な支出をカットできます。
また、コンビニのついで買いや週末の衝動買いなども定期的に振り返ると節約意識が高まります。
生活費の家計簿をつけて可視化する
節約の第一歩は、自分のお金の流れを「見える化」すること。スマホアプリやエクセルなどで毎月の収支を記録することで、無駄遣いの傾向が明らかになります。
家計簿をつけることで、「この費目は削れそう」「来月はこの予算で」と具体的な改善策が見えてきます。習慣化がカギです。
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手取り20万円でも貯金できる?新卒のうちに始めたいお金の習慣
社会人になったばかりでも、貯金は早いうちから始めるのが賢明です。特に1年目は住民税がかからないため、貯めやすいタイミング。
ここでは、初任給の活用法や貯金の始め方について紹介します。
・ボーナスをすぐに使わず貯金に回す
・毎月1万円でも自動積立貯金を始める
・急な出費に備える生活防衛資金を確保する
社会人1年目は住民税がかからない
新卒の1年目は、前年の所得がないため住民税の課税がありません。
これは毎月1〜2万円の手取りが増えることを意味し、貯金をスタートさせる絶好のチャンス。
2年目以降は住民税が加わるため、支出が増えることを見越して今のうちに生活費を見直し、貯金の習慣をつけておきましょう。
ボーナスをすぐに使わず貯金に回す
社会人になると、年に1〜2回のボーナスを手にすることになります。
嬉しい収入ですが、気が緩んで全額使ってしまうのはNG。
最低でも半分は貯金や将来の自己投資に回すと安心です。急な出費や転職、転居にも対応できるよう、まとまった資金を確保しておくことが社会人の安定につながります。
就活を目前に控えている、または現在進行中の皆さんの中には、「自分だけがこんなに不安を感じているのでは?」と悩んでいる方もいるかもしれません。ですが、実際には、多くの人が同じような不安を抱えているのは自然なこと。今回は、就活で[…]
毎月1万円でも自動積立貯金を始める
「貯金が苦手」という人には、自動積立の活用がおすすめです。給料日に自動的に貯金用口座へ移される仕組みにすれば、無理なく継続できます。
毎月1万円でも1年間で12万円、3年で36万円と積み上がっていくので、早めのスタートが肝心です。少額から始めて、徐々に金額を上げるのも良い方法です。
急な出費に備える生活防衛資金を確保する
貯金の中でも特に重要なのが、病気・事故・失業といった緊急事態に備える「生活防衛資金」です。
最低でも生活費3ヶ月分、できれば6ヶ月分の現金を確保しておくと、いざというときに安心です。突然の出費に焦らず対応できるよう、貯金の使い道も明確にしておきましょう。
まとめ
手取り20万円と聞くと「やっていけるのかな?」と不安になるかもしれません。でも、家賃や食費の目安、節約の工夫を知っておけば、十分やりくりできます。
特に新卒1年目は住民税がかからず、実は貯金を始めるチャンス。自炊や固定費の見直し、自動積立など、小さな工夫の積み重ねが、安心した生活につながります。
社会人生活のスタートを前向きに切るためにも、今のうちに「お金の使い方」を身につけておきましょう!