「ブラック企業」という言葉が世の中に浸透したのは2013年です。その年の流行語大賞のトップ10に選ばれたことから、ブラック企業という言葉の認知度は大きく向上しました。
もともとは、急成長しているITベンチャーのエンジニアなどが、睡眠や食事をとることを忘れてプロジェクトに没頭しているような状況を自虐的に表現したネットスラングでした。しかし、今では、労働環境悪い会社を批判する言葉として「ブラック企業」という言葉が使われています。
では、具体的にブラック企業というのはどのような会社のことなのでしょうか。
特徴や見分け方をみていきましょう。
ブラック企業とは?
ブラック企業の特徴や見分け方を確認していく前に、まずはブラック企業がどんなものなのか考えていきましょう。
先ほども紹介したように、ブラック企業という言葉は今と昔で使われ方が変わってきています。
今、一般的にブラック企業と言われている会社は、激しい長時間労働や、過剰なノルマが当たり前になり、セクハラやパワハラなどのハラスメント行為が適切に対処されず、法令に触れるような営業行為を強要している企業です。つまり、労働条件や、就業環境が劣悪で、労働者を人ではなく、働く駒だとして扱うような企業です。
ブラック企業の特徴とは?
では、そんなブラック企業の特徴について紹介します。
ブラック企業という定義はいまだに曖昧ではありますが、少しでもこれから上げる特徴に当てはまるものがあれば警戒してみるのもいいかもしれません。
ブラック企業の特徴
・長時間労働
・休日が少ない、休みが自由に取れない
・給料が少ない
・昇給しない
・会社行事が強制
・外部とのつながりを持てない
・社員の離職率が高い
・休日中にもミーティングや連絡が来る
・ノルマが厳しい
ブラック企業の特徴1:長時間労働・長時間残業
ブラック企業の代表的な特徴とも言えますが、労働時間がとにかく長い企業は気をつけましょう。
また、会社の規約として休憩ありと、明記されている場合にも、仕事が忙しいというのを理由に休憩をしっかりと取れていない場合も注意しましょう。
また、基本的に過労死ラインと言われる「残業時間80時間以上」が続いてしまうのはブラック企業の可能性が大きく高くなります。これは命にも関わってくる問題なので、気をつけましょう。
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ブラック企業の特徴2:休日が少ない、休みが自由に取れない
ブラック企業の特徴として休日が少ないことも特徴として挙げられます。休みの時間がなくなってくると、「休みの日は寝てばかり」となっていませんか?友達と遊ぶ時間がなくなったり、プライベートの充実がなくなってくると、精神的にもリラックスできず、心身的にもよくありません。
1年間には約120日の休日があります。その中で、休日が100日よりも少ないという場合は、休みが少ない会社とも言えます。それよりもっと少ないという場合は、ブラック企業の可能性が高いです。
また、労働基準法第39条では「使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。」と明記されています。有給が自由に取得できないのもおかしい環境ではあります。
また、半休制度が用意されているのも注意です。労働者にとって「1日の半分を休みにできる」制度で、とても都合の良い制度だと思われますが、会社によっては、午前休を取って午後から出社しても「午後だけしか働いてないんだから」と結局何時間も残業させられたみたいなこともあります。午前だけ休めたとしても結局働く時間が同じであれば、半休の意味はありません。
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ブラック企業の特徴3:給料が少ない
基本給を低く設定しているのもブラック企業の特徴です。基本給を低く設定しているのには理由があり、残業代を支払っているように見せるためです。残業代をゼロにしてしまうと、訴訟されるリスクがあります。そのため、基本給を低く設定して、みなし残業代という項目でいくらか手当を支払うのです。
基本的に覚えておくべきなのは、最低賃金法という法律で、会社が労働者に対して支払う賃金が最低賃金を下回っている場合は違法になります。最低賃金には、地域が定めている地域別最低賃金と、業種などによって定められている特定(産業別)最低賃金が存在します。
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ブラック企業の特徴4:昇給しない
昇格はするのに、昇給はしないという会社もブラック企業の特徴でもあります。
例えば、課長のような管理職に昇格する際は、管理職手当がつくので給料も上がっていくのが一般的ですが、ブラック企業では、課長に昇格しても昇給がないということもあります。
しかし、昇格したから管理職手当をつけなければいけないという法律はありません。そこで、ブラック企業は昇格させることで、やる気を認め、ポストを与えて仕事を辞めにくくしたり、責任感を持たせて従業員を働き続けるように誘導したりします。
また、管理職は、
・労働時間や残業時間の制限がなくなる
という条件が発生します。そのため、昇格したのに残業代がもらえなくなり、逆に給料が減るということもありえます。
ブラック企業の特徴5:会社行事が強制
ブラック企業の多くは、比較的「体育会」の風土があります。
例えば、飲み会や社員旅行の参加は強制。その名目で、社員を集めて、社長の「ありがたい話」をしてもらう機会を設けます。そして、「会社がいかに素晴らしいか」を刷り込んで、忠誠心の高い優秀な社員に育てるために洗脳していきます。
そのため、より隔てられた環境で、会社に触れる機会を積極的に作ります。
また、体育会の風土が強い会社は「やる気」「気合い」などの精神論などの考え方を多用しています。仕事ができないという理由も、「気合いややる気が足りない」という理由で片付けられてしまいます。
精神論で片付けられてしまうと、労働者の成長につながりづらいことも考えられます。
ブラック企業の特徴6:外部とのつながりを持てない
先ほどの話とつながりますが、ブラック企業は基本的に自分たちが「ブラック企業なのでは?」と思われることは避けます。
労働者が自分の職場がブラック企業だと気が付くきっかけは「他の企業と比べる」ことです。なので、ブラック企業としては外部の環境と触れ合うことをできるだけ避けるように動きます。
例えば、
→他の企業の働き方を知っているから、自社の働き方と比べられる。
このような特徴がある場合、ブラック企業かもしれません。
ブラック企業の特徴7:社員の離職率が高い
ブラック企業は、先ほども紹介したように労働時間が長い上に、休日が少ないなどの特徴があります。そのため、長期間同じ会社で勤務し続けることは簡単ではありません。
そのため、ブラック企業は離職率が高い傾向にあります。そのため、勤続平均年数が低い会社は何らかの原因で離職率が高いと考えても良いかもしれません。
そのため、ブラック企業は常に人材不足の状態にあることが特徴です。常に大量採用を行なっている場合は、人材不足の可能性があります。
「この企業、いつも採用活動しているな…。」と思っている場合、離職率の高いブラック企業かもしれません。
ブラック企業の特徴8:休日中にもミーティングや連絡が来る
ブラック企業は、労働者のプライベートの時間にも関係なく連絡してくることがあります。
自分の休みの日でも、仕事の打ち合わせが組まれて出社しないといけなくなったり、仕事に関わる連絡が当たり前のように入ったりします。その結果、休みの日でも体を休めることができません。
しかし、休日に仕事が入って、出社しないといけなくなったとしても休日手当などが支給されるわけでもないのがブラック企業の特徴です。
ブラック企業の特徴9:ノルマが厳しい
ブラック企業は、体育会の風土が多いと紹介しましたが、その風土から高い目標や、厳しいノルマを社員に与えることが多いのも特徴です。
例えば、Aという商品を売る会社だとして、ノルマを月に1000個販売しろというノルマを課せられた場合、顧客が見つかれば良いですが、顧客が見つからなかった場合は、身内や友達などにも声をかけたりしないといけないこともあるかもしれません。その結果、友情にヒビが入ってしまうことも考えられます。
また、悪徳な会社の場合は、売れ残った分は自腹を切って購入させるということもあります。
ブラック企業の中には、社員に身銭を切らせることを前提にノルマを与えていることもあります。
まとめ
今回の記事では、ブラック企業の特徴を紹介しました。ブラック企業の特徴がわかれば、自分の気になっている企業がブラックなのかホワイトなのかどうかの見分け方も身につくと思います。
もし、自分が今、ブラック企業で働いているのだとしたら、しっかりと対策を考えなければなりません。人生において仕事は、大きな時間を占めています。せっかくなら、自分が気持ちよく働くことのできる環境で、仕事に対してやりがいを持って働けるようになることができると良いですよね。
これから、就職活動などを考えている人は、自分の気になっている会社がブラック企業ではないかもしっかりとリサーチしましょう。
ブラック企業だと気づいたら?
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