仕事やプライベートを円滑に楽しむために必要な能力として「コミュニケーション能力」が挙げられることがあります。
ビジネスシーンでは、コミュニケーション能力が高い人、低い人というので人物評価や印象が変わることもあります。特に、営業職や接客業など、直接クライアントと接する職種ではコミュニケーション能力が必須です。
もちろん、それら以外の職種でも仕事をする上で、完全に他者とコミュニケーション能力なしに仕事をすることは不可能に近いです。そのため、コミュニケーション能力は社会人として必ず身につけておくべき最低限の能力とも言えます。
今回、この記事ではそんなコミュニケーション能力の高い人について、詳しく紐解いていきます。
コミュニケーション能力とは？
コミュニケーションとは、「人間同士での情報や意思を共有する」ことを言います。コミュニケーション能力は、それらをスムーズにできる能力だと言えます。つまり、コミュニケーション能力が高い人は、円滑な対人関係を構築し、持続していく能力が高い人とも言えます。
よく勘違いされがちなんですが、人と会話ができるから、外交的だから、コミュニケーション能力が高い人と言うわけではありません。
コミュニケーションは双方向で行われるものなので、自らが一方的に言いたいことや伝えたいことを発信している人は決してコミュニケーション能力が高い人とは言えません。
むしろ、内向的であっても、相手の言いたいことや気持ちを察して理解する能力が高い人や、最低限の言葉のキャッチボールができる人はコミュニケーション能力が高い人と言えます。
コミュニケーション能力を構成するスキル
コミュニケーションは1人では成立しません。前章でも述べたとおり、人間同士の双方向の意思の疎通をコミュニケーションと呼ぶので、相手に対して「情報を伝える力」と「情報を受け取る力」が求められるのがコミュニケーション能力です。
また、コミュニケーション能力における「伝える力」は仕草や、表情などの「非言語」と言葉そのままで行われる「言語」に分けることができます。また、コミュニケーション能力における「受け取る力」は相手の言っていることを理解する「聴く力」と非言語の部分から相手の気持ちを読みとる「読み取る力」に分けることができます。
コミュニケーション能力を構成するスキル ①情報を伝える力
コミュニケーションはお互いが対等な立場でなけれは成立しません。一方的に相手が話していても、ずっと聞き手に回っているだけではコミュニケーション能力が高い人に近づくことはできません。
そのため、コミュニケーション能力には相手の話を聞く力だけではなく、自分の考えを相手に正しく伝える力も必要です。コミュニケーション能力の高い人になりたいならば、自分の考えを相手に伝える際にはできるだけわかりやすく言語化して、誤解を生まないように気をつけましょう。一方的なコミュニケーションで自己満足とならないように、相手の立場になって、コミュニケーションができるように心がけましょう。
コミュニケーション能力の高い人と「言語」
言語は、言葉そのもののコミュニケーションを指します。コミュニケーション能力が高い人は相手に伝わる適切な言葉や表現を選びます。ビジネスのシーンでも、ITなどの業界では横文字の業界用語が多い傾向があります。
IT業界から離れた人間に、「MTG（ミーティング）」というよりも、「会議」と言い換えたり、「FB（フィードバック）」を「評価」や「感想」と言い換えることも、コミュニケーション能力の一つです。誰もが理解しやすい言葉を選んで伝えてあげることは、コミュニケーションを行う際にとても大切なことです。
コミュニケーション能力の高い人と「非言語」
非言語とは、言葉以外で相手に自分の考えや気持ちを伝えられることを指します。例えば、仕草や、表情、声のトーンや話の速度などです。コミュニケーション能力の高い人は非言語部分をおろそかにしません。
言葉では、「全然問題ないです」と言っている部下の表情が曇っていたり、声のトーンがいつもより落ちていたりすると、「おそらく問題があるんだな」となんとなく多くの人がわかることだと思います。
非言語のコミュニケーションの方が、言語のコミュニケーションよりも伝わる部分が多いと考えられます。それは、非言語のコミュニケーションの方が、相手の心情や考えていることが割とダイレクトに出ているからです。言葉では嘘をつけていても、表情や、仕草は嘘をつけていないということが多いからでしょう。そのため、コミュニケーション能力の高い人は相手に対して情報を伝える上で非言語のコミュニケーションをとても重要視しているはずです。
コミュニケーション能力を構成するスキル ②情報を受け取る能力
コミュニケーション能力の基本は相手の話を正しく聴くことにあります。相手の話をきちんと聴くことができなければ、会話は成立しません。相手の求めていることや、意図を理解するのもコミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力の高い人と「聴く力」
聴く力は、相手の意見をしっかりと聴いて理解するスキルです。特に、コミュニケーション能力の高い人は相手の話していることを途中で遮らずに、最後まで聴けるでしょう。
また、聴く力が高い人は、安心して話しやすい空気感を作り出すことができるため、相手が言語化しにくいことや感情や状況などをうまく引き出すことができます。こんなに喋るはずじゃなかったのに！とか、思わずこんなことまで喋ってしまったなんて言う経験がある方もいると思います。それは、相手の聴く力が高かったのかもしれません。
コミュニケーション能力の高い人と「読み取る力」
聴く力のワンランク上の能力と言えるかもしれません。読み取る力は、相手の話の要素を分解して、自分の中で整理して理解することができる能力です。また、非言語のコミュニケーションである表情や仕草から相手の潜在的なニーズや感情を読み取る能力でもあります。
コミュニケーション能力の高い人は相手の気持ちを読み取ることによって、相手を配慮し、円滑なコミュニケーションを行います。
コミュニケーション能力が高い人の4つの特徴
コミュニケーション能力が高い人にはどんな特徴があるのでしょうか。
早速解説していきます。
②話を聴く能力が高い
③話の要点が明確
④相手の興味に合わせた話ができる
コミュニケーション能力が高い人の特徴 ①相手に対して興味を持って話を聞いている
コミュニケーション能力が高い人は、相手に対してすごく興味を持って話を聞いています。
コミュニケーションを通して相手を知り、相手に対して歩み寄ろうとする意識が高いです。相手を知ろうとする意識が高ければ、自然と質問は生まれます。その結果、深いコミュニケーションに繋がります。
コミュニケーション能力が高い人の特徴 ②話を聴く能力が高い
コミュニケーション能力が高い人は、コミュニケーション能力を構成する「聴く力」が高いです。相手の話したいことを引き出すためには、話を真剣に聴くことが大切です。
また、コミュニケーション能力が高い人は、相手の話の途中で言いたいことを喋るために会話を遮ったりしません。最後まで相手の話をしっかりと聞いて、適切なタイミングで相手に質問などを投げかけるので、会話のテンポがいいのもコミュニケーション能力の高い人の特徴の一つです。
コミュニケーション能力が高い人の特徴 ③話の要点が明確
コミュニケーション能力が高い人は、自分の言いたいことをただ喋ると言うようなことをしません。
相手とコミュニケーションをしながら、相手が納得いっていない部分を詳しく話したり、相手が話している内容を理解できるように気を使っています。そのため、コミュニケーション能力が高い人は、伝えるべきポイントをしっかりと押さえており、相手が理解しやすい言葉で説明することができます。
コミュニケーション能力が高い人の特徴 ④相手の興味に合わせた話ができる
コミュニケーション能力が高い人は、相手が興味を持つことや、興味を持っている話をすることも意識しています。
コミュニケーション能力の高い人は話す相手によって、自分の話を事前に準備しています。好奇心旺盛な人には、新しい体験や、珍しい体験の話だったりをすることで自分に対して興味を持ってもらって、より自分の話を聞いてもらいやすくします。
コミュニケーション能力を鍛える4つの方法
先ほどの章では、コミュニケーション能力が高い人の特徴について、紹介しました。では、コミュニケーション能力が高い人になるにはどうすればいいのでしょうか？今日から始められる4つの方法を見ていきましょう。
②コミュニケーションに対しての目標を決めておく
③話のネタを集める
④第一印象をよくする
コミュニケーション能力を鍛える方法 ①会話のスピードや表情に気をつける
前述しましたが、コミュニケーション能力の高い人は言語だけでなく、非言語にも気を付けています。
なので、話すスピードや表情にも意識をしましょう。
話すスピードが早すぎると、緊張感が伝わったり、焦っている印象をもたれたり、場合によっては相手に威圧感を与えてしまうこともあります。相手の立場に立って、話を聞きやすい速度で話すことを心がけましょう。
コミュニケーション能力を鍛える方法 ②コミュニケーションに対しての目標を決めておく
コミュニケーション能力の高い人を目指していても、何から意識していいかわからない場合は、自分の中に目標を決めましょう。
例えば、
話をするスピードをいつもよりゆっくりする
などです。いきなりコミュニケーション能力の高い人になろうと大きな目標を持ってしまうと、失敗した時に自信を無くしてしまうので、まずは一つずつ地道にこなしていきましょう。人と話すことが苦手な人は、まずは「社内の人にあったら挨拶をしてみる」など、頑張れば達成できる内容にしてましょう。
コミュニケーション能力を鍛える方法 ③話のネタを集める
相手からの話題だけでは、コミュニケーションは成立しません。コミュニケーション能力が高い人になりたいのならば、相手の興味や共感してくれそうなポイントを雑談などの中から見つけてみましょう。そして、相手が興味を持っている話をピンポイントで行えれば、相手との距離を一気に縮めることができたりします。
コミュニケーション能力が高い人は日常生活の中で、どんな話が使えるのかを考えてネタをストックしています。
コミュニケーション能力を鍛える方法 ④第一印象を良くする
対面のコミュニケーションにおいて、第一印象はとても大切です。人間の第一印象は、出会ってから数秒から数分の間に決まってしまいます。この第一印象をより良いものにできれば、相手とのコミュニケーションを円滑に行いやすくなるでしょう。
まず、コミュニケーション能力の高い人が意識するのは「顔の表情」です。例えば、あなたと商談を行う営業マンに、無愛想な感じの人と、笑顔が爽やかでニコニコしている人だとどちらと話をしたいですか？もちろん、状況にもよりますが、相手と会話を始める時や、話を聞いている時は笑顔で明るい表情を心がけましょう。意識して口角を上げるだけでも、相手からの印象は変わります。
あなたの部下が自ら仕事を進め、高いパフォーマンスを発揮する。そんな理想的な状態をつくるのは上司の【質問力】です。部下育成…
まとめ
コミュニケーション能力が高い人の特徴や、コミュニケーション能力を高める方法について紹介してきました。コミュニケーション能力に自信がなくても、毎日の意識で変わることができます。
仕事だけでなく、プライベートでもコミュニケーション能力は役に立ちます。まずは、自分のコミュニケーションのやり方や、特徴を見直して、自分に足りていないことを知ることから始めてみましょう。
また、身近にいるコミュニケーション能力が高い人のやり方を観察することも、勉強になるかもしれません。
