コロナの影響で渡航が制限されていたり、一時は自由に楽しむことがしづらくなってしまった「旅行」。最近では少しずつではありますが、行き来できる国も増え始め、少しずつ観光業も再開し始めたようです。
コロナ禍での私の気付きとして、体の健康はもちろん大事ですが、それと同じくらいに心の健康も大事なのだと見直された時代のような気がしています。
そんな心に火を灯してくれる熱いお話を、旅するクリエイターのKEIさんから伺いしました。
旅をする意味、旅をする価値ってなんだろう…。
『旅人』という生き方が確立されつつある現代で、最前線で走り続けるKeiさん
旅人という役割や責任や、Keiさん自身の人生感まで深く深くお聞きしました!!
前半では、旅するクリエイターKeiさんのルーツを話していただいた記事を載せています!
Keiさんが『旅人』という人生を歩み始めたきっかけを知りたい方はこちらの記事を御覧ください!
僕だけの旅ではなく、みんなの旅にしたかった
ー自身の体験を発信するようになったきっかけを教えてください。
旅するクリエイターKeiさん:僕は割とSNSや文字を通しての発信を始めたのは周りと比べると速いほうだと思っていて、アナログとデジタルの真ん中にいる『トラベラー2.0』のような、新しい旅人としてのスタイルを切り開いているような感覚がありました。
発信を始めた理由は、自分だけの旅として自己完結したくなかったからです。世の中にはきっと僕と同じように、悩んでいたり、未来が見えずもがいている若者やアスリートがたくさんいるんじゃないかなと思って。
旅を通して変わった僕の人生を発信することで、誰かのヒントになればいいなと思っていますし、これが「旅するクリエイター」として生きていく上でのミッションだと感じています。
ー『旅』が仕事になったと感じられたのはいつ頃でしょうか。
旅するクリエイターKeiさん:最近職業として認められてきているからこそ、定義は難しいですよね。僕自身も、そもそも「仕事」ってなんだろうって、模索していた時期があったんです。
お金を稼ぐことなのかなとかいろいろ考えたんですが、僕の中での見解は、“人に求められること”だと思っています。誰かが自分を求めてくれたら、それは仕事になる。
だからこそ、まずは求められることが、仕事に繋がる第一歩だなと思っています。
旅をはじめた当初はまだ学生だったので、仕事としての旅のイメージは全くついていませんでしたが、自分がネットを通して発信を続けていくうちに、「地元のこの景色が綺麗だから来てください」、「あの国に興味があるので行ってみてほしいです」などの声が届くようになって、その声に答えていきたいと思うようになりました。
そうすることで、やっぱり僕だけの旅じゃなくてみんなの旅へと変わっていく、この感覚が大好きなんです。
そして、小さな声を拾って、旅をして発信をするという事を繰り返していた大学4年生の頃、マレーシア政府観光局の方から「旅費などはすべて出すのでマレーシアのコタキナバル島に来てください」とメールを貰ったんです。これが僕にとってのはじめての仕事でした。
自分が感じたありのままを映像に収めて、発信する。
「こんなやりがいを感じられる素敵な仕事がこの世にあるんだ」と、感動したのを覚えています。
この経験が本当に楽しくて、それから、旅とクリエイティブ表現のプロになりたいなと強く思うようになり、旅するクリエイターとして活動をするようになりました。
誰かの「旅をする」きっかけになれたら
ー旅するクリエイターとして、旅の魅力を発信する上でどのようなことを意識されていますか?
旅するクリエイターKeiさん:もともとはブログなど、文字を通して伝えていたので、”どこまで表現できるか”を意識していました。きれいな景色とか視覚的に伝えたいようなコンテンツは、表現することがとても難しくて。
文字での表現に限界を感じてからは、言葉ではなく映像で伝えていくようになりました。今のスタイルになってから意識していることは”どこまで伝えるべきなのか”という線引きですね。文字とは対照的に、伝わりすぎてしまうからこそ、大変なことはたくさんあります。
例えば、オーストラリアにはアボリジニという先住民族が居ます。アボリジニの歴史だけでも何十分も語れるくらい伝えたいことが溢れてくるんですが、人類学まで踏み込んだストーリーを楽しんで見てくれる人は多くはないと思うんです。
実際に現地に赴くと、色々な角度から国を見ることができるのでその分色々な発見ができます。でも、すべてを伝えることが必ずしも正解ではないんですよね。『観光』の枠を超えてしまわないように、なるべく簡潔に魅力を伝えられるように、と映像をつくる際は意識をしています。
ー特にどんな人に向けて発信をされているのでしょうか。
旅するクリエイターKeiさん:モヤモヤとした悩みを抱えている子や、未来に漠然とした不安をいだいている子には、僕の体験を通して背中を押すことができたら良いなと思っています。
今の若い子って、”大人になるにつれて人生はつまらなくなってしまう”みたいなネガティブな考えを持ってることが多いように感じていて。
だからこそ、僕は旅の魅力を発信するよりも、旅を通して自分がどう変わっていったのか、どういう考えを持っているのかということを伝えたいんです。
例えばダイエットや筋トレなどって、試した結果どうなったかがすごく気になると思うんですよ。その結果良い変化が得られるってその人が感じればアクションに移してくれますよね。
それと同じで、世界一周に行くという結果だけをシェアするのではなくて、その過程での気持ちの変化や出来事を伝えていくことで、その子にとってのヒントにもなるし、旅に行く理由にもなるし、旅をしてみた後に答え合わせもできるツールになれるんじゃないかなと思っています。
大げさな話をすると、インスタでの投稿が1000いいね行くことよりも、1人の「行ってきました」という報告のほうが嬉しいんです(笑)
そうやって行動に移してくれる子を一人でも増やせるよう、発信を続けていますね。
人生は、「できないこと」をするための時間
ーKeiさんが熱を絶やさず行動し続けられている原動力を教えてください。
旅するクリエイターKeiさん:動かないともったいないと思ってしまうからですね。学生時代に経験した”満たされない苦しさ”や、”「いつか」と後回しにしてしまった後悔”が大きいのかなと感じます。
できないからやらない。やりたいけどまた今度にしよう。
大人になると、こうやって【やるか・やらないか】の判断をするときに、【できるか・できないか】で判断しちゃいがちじゃないですか?
赤ちゃんにとっての「できない」ことは可能性なのに、大人になるにつれて「できない」ことをネガティブに捉えてしまうのってすごくもったいないです。
僕は、今できるかどうかって正直関係無いと思うんです。それよりも、未来にその”やりたかったことができてるかどうか“の方がすごく大切だと思います。
一回やってみて、結果できなくても、”できなかった”という学びを得られます。だからこそ僕は、人生って「できないことをするための時間」だと思っています。
ー旅するクリエイターとして、今後挑戦していきたい目標があれば教えてください!
旅するクリエイターKeiさん:大きく3つあります。
1つ目は、旅のイメージを変えていきたいということ。まだまだ「旅人なんて遊んでるだけだ」というイメージが払拭しきれていないこの時代を、僕の手で変えていきたいです。旅人という生き方がもっとたくさんの人に認められて、たくさんの人の心を動かして、旅をすることでどれだけ豊かになるのかということを、旅を通して伝えていきたい。
2つ目は教養として旅をするという選択肢をもっと広げていくということ。特に日本の将来を担う若者に伝えていきたいです。これからは絶対に海外で戦わなければいけない時代になってきます。そのグローバルな視点を取りに行くためにも、旅は大切な知識なんだということを認識してもらえるよう、発信していきたいです。
そして3つ目は、2020年代を代表する旅人になるということ。これは上2つの目標を達成した先にあるものだと思っています。2000年代でいうところの髙橋歩さんのように、誰もが憧れて、旅に出るきっかけになるような存在になりたいです。
だからこそこれからも、まだ誰も経験したことのないようなたくさんの新しいことにチャレンジをし続けていきます。
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今回は、旅するクリエイターKeiさんに、旅をすることで得られる人生観や、Keiさん自身が旅をする理由を語っていただきました!
旅をする上で必要なことは、語学力でもコミュニケーション能力でもなく、シンプルに「変わりたい」という想いの強さなのかなと感じました。
くすぶっている心に火を点けてくれる人こそが、旅するクリエイターKeiさんです。
こんな時代だからこそ、Keiさんが実際に旅した体験に触れて、自分の中の新しい可能性に出会ってみてください。
人生は「できないことをするための時間」です。今しかない一瞬一瞬を大切に、あなたが何かを始めようと思う、そんなきっかけになれると嬉しいです。
- 旅するクリエイターKeiさん
たびするくりえいたー けい|旅人1993年生まれ。神奈川県横浜市出身。中央大学卒業。アルペンスキーを16年間続けた後、大学4年生の時に「世界一周の旅」を経験。旅人としての生き方を切り開き、独自の世界観で「旅」を切り取り発信をするクリエイターとして活躍している。
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