就活スタート時期に大学3年生の就活生から良く寄せられる質問として、「就活って何から始めたらいいですか?」というものがあります。
みなさんが思い浮かべるものとして、業界を絞る、自己分析をする、エントリーシートを書く、SPI対策するなどが挙げられますが、「それ以前の問題だよ」と就活生が青ざめるような話をぶっ込みますw
就活と聞くと、上記のような手段の準備に目が行きがちですが、そもそも就活とは、
ファーストキャリアを新卒採用を行っている企業に属する選択が自分の人生にとって必要なのか?
という問いを立てることから始めなくてはなりません。
今回は、大学生の時期に必要な人生設計というテーマで、どう社会に出るまでの準備期間を過ごすべきかについてお話しして行こうと思います。
文末に、筆者自身の体験談も記載しておりますので、元気を出したい方はそちらからお読みください♪
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この記事の筆者はこんな人!
キャリア・人事コンサルタント
理工系大学修士号取得後、ベンチャー企業に新卒で入社し、人事の立ち上げから採用・育成の責任者を務める。人材ビジネスにおいても営業統括として従事し、就活・人事のプロフェッショナルとして、2016年に独立。キャリアセミナーや人材育成が得意領域。2022年より株式会社shabell 取締役COO就任。
「就活から始める」ではもう遅い
最近、大学1、2年生向けのキャリアセミナーへの登壇依頼が増加してきました。要因の1つとしては、就活が早期化していることもありますが、最大の要因は働き方や生き方の変化です。
先述したように、就活だけが社会への出方ではありません。企業に所属するという働き方以外にも、様々な生き方があることを今の10代、20代はSNSなどを通じて情報として得ています。
多様化する社会は自由度が高いようにも見えますが、実際自分ごととなると選択肢が多すぎて選べないという悩みに繋がることが多いようです。
就活は、社会に出る手段として、方法が比較的体系化されており、ツールも豊富なので選び易いというメリットがあります。一方で、「なぜ当社を志望するのか」「当社でどんな将来ビジョンを描いているのか」など、結局、選ぶ理由が明確であるかを求められるという厳しさもあります。
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人生設計とは
人生設計ってある?と講義やセミナーで問いかけると、「そんな具体的なことは考えていなくて」「まだ先のことは分からない」と、多くの大学生がそう答えます。
確かにそうです。いつ昇進して、いつパートナーと出会って、いつ家族を設けて、いつ転職して、、、、人生どうなるか分からない中で、計画を立てたところで全てが思い通りに運ぶことの方が少ないかもしれません。
言葉のイメージを変えるために思い浮かべてもらいたいのが、家を建てる時どんな順番で考えるかということです。土地があって、なんとなく欲しい機能があって、そこから間取りやデザイン、そして土台となる基礎があります。もちろん、予算も重要ですね。
人生設計も同じです。どんな人生にしたいか、まずはイメージを作ることから始めます。
ここからは大学生活の中で人生設計を行うために必要な事柄を少し整理しながらお伝えしていきます。
人生設計のススメその1「大学生であることの権利を使い倒す」
私自身もそうでしたが、大学生という立ち位置を良く分からず、就活し卒業していく人が多いように感じます。ざっくりの定義ですが、大学生とは、大学にお金を払って教育というサービスを教授を受ける権利があるということです。果たして、その権利を充分に行使している大学生はどれほどいるのでしょうか??
大学のHPや掲示板を良く見ると、実は社会に出ていくための支援や講義がたくさんあることに気づきます。ゼミやサークル選び一つとっても、大学にいながら社会を知り、繋がれる場に溢れているはずです。まずは、そこから挑戦してみましょう。
人生設計のススメその2「土台を固める」
就活でつまづく人の多くが社会人から何かを始めようとする傾向にあります。社会人の自分をこれまでの自分を無視して新たに作り直そうとしてしまうのです。
理想を描くことは自由ですが、あくまでも今までの自分が原材料です。だからと言ってこれまでの自分を否定するのではなく、大切なことは今の自分を素材として、どんなふうに育てていくかという考え方では無いでしょうか?
自分がこれまで大切にしてきた価値観を幹として、良い部分は伸ばしていき、課題と思う部分は克服するか補っていく。その延長線上に、自分の目指すべき姿があり、その道筋の途中に積むべき経験があるはずです。
人生設計のススメその3「やりたいこと探しに時間を費やさない」
「あの、そもそも私、やりたいことが見つかりません(絶望)」
人生設計の話をすると、やりたいことを見つけなければならないと感じる大学生の声を耳にします。
ところで、やりたいことは絶対に無いといけないのでしょうか?
かくいう私も、やりたいことを見つけて挑戦してみるという大学生でした。ただ、やりたいことを仕事にするということは、私がやりたいことを「お金を払うレベルで求めている人たち」がいる必要があります。
そう定義すると、私のやりたいことは自分が経験したいこと、自分がやってみたいことであると気づき、やりたいことは仕事ではなく趣味で自分でお金や時間を費やして経験するものに変わりました。
一方で、やりたいことを探す代わりに「できることを増やす」ことに全力で振り切りました。そのお陰で自己PRや強みの話はどんな企業でも話せるようになりました。
人生設計のススメその4「繋がる力を磨く」
皆さんは普段どんな人たちとコミュニケーションをとっているでしょうか?
大学生活はそれまでの学校生活とは異なり、日本だけでなく世界中から色んな人が集う中で学びます。そのため、感覚的に色んな人と触れ合っていると錯覚しがちですが、実際は関わる人の選択肢が増えるので、自分と気が合う人にも出会いやすくなり居心地の良い相手といる時間が長くなります。居心地が良い相手は、コミュニケーションも取りやすく何かと楽です。細かいことまで言わなくても伝わる、分かる、お互い感じ取れる。とても素敵な関係性ですが、残念なことにコミュニケーション能力は磨かれないのです。
コミュニケーション能力とは、他者と意思疎通を行う能力のことですから、異なる部分が多ければ多いほど、能力が試されるということです。
大学院生のあるとき、「自分の周囲5人(あるいは10人)の平均が自分の価値や能力である」、そんな話を耳にしました。
人生設計を豊かにするためには、自分の周囲の人が多様であるのが有効だとすれば、年齢も趣味も能力も異なる相手とたくさん繋がりを持つことに挑戦しておくのが良いのでは無いでしょうか。
人生設計のススメその5「決める勇気を持ち、失敗したら学ぶ」
この数年、大学生の皆さんに必ずお伝えしているのが、「正解は見つからないよ」ということです。なんとなく、自分の人生にとって正解の生き方があるような気がして、それを見つけたいと思っている人が多いようなのですが、実際にはそんなものはありません。ほとんど全ての人は、振り返ってみてこの選択で正解だったと思うか、自分が選択した道を正しかったとするために人並み以上の努力を積み重ねているだけです。
まずは、自分がどう生きるか、を決める。
もちろん、途中で思い通りにならないことに出くわしたり、理想とはかけ離れた自分になっていることもあるかも知れません。それでも、その中で踠き、努力した経験は自分の力になっているはずですから、立ち止まって振り返り、自分がそこまでの過程でどんな選択をしたのか内省することの方が重要だと思います。
結果が約束されていないことでも、選べる力を手にすることができれば、どんな人生でも怖くないハズ!
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<役に立ちそうでそうでもない!?筆者から愛のメッセージ>
参考にならない大昔の筆者の就活生時代
さて、ここまで偉そうに色々と書き連ねて来ましたが、私が大学生の頃は、全くの真逆の生活を送っていました。就活で人生の全てが決まると思っていましたし、大学では学ぶどころか学費を支払って大学から得たものは、学位以外ほとんどありませんでした。(親にも先生たちにも申し訳ない。。。猛省。)
私は、学部生の時と大学院生の時、2度就活を経験しましたが、1度目の就活は本当に散々たる結果でした。100社近くインターンやら、エントリーやら手当たり次第試しましたが、1社も内定をもらえず、「企業の見る目が無いんだ」「就職氷河期だからな」などと外的要因によるものだと現実逃避していました。
2度目の就活では、大学生ってなんなのか、働くというのはどういうことなのか、少しずつ自分の頭で考え始め、自分に足りないことは自分の興味関心の外に触れる経験の少なさであると気づきました。
やりたいことには挑戦してみた自信もあり、自分が得意なことは積極的に役割をとって来ました。その一方で、苦手なことや興味の無いことへの挑戦経験が少ないことに気がつきました。
失敗から学んだ、働くことの本質
働くということは、
・誰かが困っていることを代わりに解決することで報酬を得ること
・お金を支払ってでも欲しいと思う何かを生み出すこと
のいずれかです。
自分の好きなことを誰かからお金を頂けるレベルまで追求する根性も努力も不足していた自分に気づき、自分が社会に提供できる価値がほとんどゼロに近いことに就活の途中で気がつきました。
そこから圧倒的に優先順位を高めたことは、経験を積むこと。
やりたいことよりもやりたくないことを積極的に、苦手なことは得意なことを道具として活用しながら、それまで楽や好きを優先してきた分、経験の幅と量を意識して時間を費やしました。
その結果、結局今、当時自分が興味があった仕事や憧れた世界で仕事ができています。(しかも、自分で望んだのではなく、チャンスが舞い込んで来る形で!)
できるかどうかわからなくてもまずはやってみよう!と挑戦することを自分に課し、困っている人に出会ったら、損得関わらず自分にできることで精一杯力を貸してみる。
人生設計と聞いて人がイメージするように、いつまでに何をするか?という計画は全くをもって持ち合わせていませんが、自分が今やるべきことを増やし、できることも増やさなければならない状況を常に作って、上手くいかなくてもその要因を突き止めて改善できる経験を新たに積み重ねる。
地味で一見すると遠回りですがこのスタンスを貫くことを人生設計の柱としていれば、チャンスもステージも勝手に広がっていき、迷わずに働くことも生きることも楽しむことができる、少なくとも私は40年間生きてきてそう思っています。
まずはキャリアのプロに相談!
今回は、大学生の時期に必要な人生設計というテーマで、どう社会に出るまでの準備期間を過ごすべきかについてお話ししてきました。
自分が納得できるキャリアや自分に合った働き方について、まずはプロに相談してみませんか?
「人生設計やキャリアプランについて専門家の具体的なアドバイスが欲しい」という方におすすめなのが、キャリア相談サービスしゃべりお。
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