求人に応募しても書類審査で落とされてしまう。いわゆる、門前払いをされたりしないかと不安に思っていませんか?
また、第二新卒での転職を考えた時に、どんな苦労が想定されるでしょうか。
実際のところ企業側からの第二新卒の需要は高く、転職サイトの中にも「第二新卒歓迎」という求人も多数目にするので、「実は第二新卒は門前払いされず、むしろ採用されやすいのでは?」と思うかもしれません。ですが、実際はそんなに甘くありません。
この記事では、第二新卒の転職活動が厳しい理由や、転職準備において門前払いをされないために必要なことなどを、今までに200社以上の会社の採用に関わっており、人材領域に10年近く従事してきた人材業界のプロフェッショナルである舘石誠也さんのお話をもとに徹底解説します!
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- 舘石 誠也さん
人事/営業マン1987年生まれ 神奈川県川崎市出身。日本体育大学卒業後、介護系の会社に新卒で入社し、3年目にエリアマネージャーに就任。その後、株式会社マイナビに入社し、人材業界の営業を行い3年連続全社表彰を受ける。現在は株式会社shabellにて人材領域部門の責任者として企業の採用課題解決に務める。
そもそも第二新卒とは?
第二新卒とは何歳から何歳までのことを指すのでしょうか。
まずは、第二新卒の定義を確認しましょう。
■学校を卒業後1~3年で、転職または就職を志す若年(25歳前後)の人々
■一般的に学校を卒業後、一度就職をしたが数年のうちに離職し、就職活動をする若手求職者
参考:マイナビ 【2021年更新】第二新卒とは? いつまで?転職市場で求められているのは本当か?https://mynavi-job20s.jp/guide/guide02.html
近年頻繁に聞くようになった、「第二新卒」という言葉。
その定義はややフワッとしているように感じますが、一般的には年齢よりも、社会人経験3年以内の社会人経験が浅い人々を指すことが多いようです。会社によっては20代全般というところもあるようですので、求人の「第二新卒」とはどのような定義で用いられているのか、その都度確認をする必要がありそうです。
第二新卒は門前払いされるのか?
第二新卒と呼ばれる時期に転職を試みた人々が実際に転職を始めてどのような経験をしたのか、当事者たちの声を集めてみました。
・新卒で入社した会社を半年で退職し、23歳で転職活動を始めたAさんは10社以上の会社で選考漏れをしてしまった。(営業職・女性)
・高卒で入社した会社を勤続4年で退社し、22歳で転職活動を始めたBさんは40社近くの会社に応募するも書類選考で門前払いをされてしまった。(総務職・女性)
第二新卒の需要は高く、求人数も多いという現実がありながらも、このように選考機会が与えられず門前払いされてしまうケースが多いのはなぜでしょうか?
答えは簡単で、第二新卒と見なされる時期(入社3年以内)に転職へ踏み出す人が圧倒的に多く、求人が多いとはいえ、やはり人気がある職種や業界に募集が集中し、採用枠を取り合う形になってしまい結果的に第二新卒は門前払いをされやすくなるのです。
厚生労働省が発表している「新規学卒就職者の離職状況を公表します(令和3年10月)」を見ると、新卒で入社した人の3割以上が、会社を3年以内に辞めている、という事実が分かります。学歴別では、次のとおりです。
この数値が示しているとおり、第二新卒にあたる時期での離職者は多く、転職は決して珍しくありません。
また利用者28万人の大手転職サイトdodaが報告した調査結果によると、転職成功者の年代別割合は20代が半数近くを占めており、年齢が若い方が転職に成功しやすいという事実もあるようです。
つまり、
・第二新卒年代の3人に1人が退職している
・第二新卒年代の転職成功率は他の年代と比べても高い
という2点から、必ずしも「第二新卒だから門前払いされる」ということはなく、数多くのライバルたちに負けないように自分をアピールし、確実に選考機会を得られるよう工夫をすることが最も重要であるといえます。
たとえ、スキルや能力があっても、きちんとした対策を行っていなければ簡単に門前払いをされる羽目になってしまうので、しっかり準備をして挑みましょう!
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なぜ企業は第二新卒を採用するのか?
では、転職活動で門前払いをされないために、まず第二新卒を企業が積極的に採用するその背景や理由を理解しましょう。
どんな期待値をもって自分達と出会おうとするのか、企業が求めていることを理解することで効果的な対策やアピールをすることができ、門前払いの回避、つまり選考の通過率を上げることにつながります。
さて、企業はなぜ第二新卒の採用に前向きなのでしょうか。
新卒と比べて教育コストがかからない
ビジネスマナーなどの社会人としての基礎研修を受け、実務を通じて基本的な動作ができる人であるため、、新卒よりも、環境に入れた時にスタートが速く、即戦力として使うことができる上に、教育コストや手間がかからない。
成長率に期待できる
一回は企業選びに失敗しているからこそ、次こそはという「リベンジ精神」は人間誰しもが持っているものであるので、前回失敗した理由を踏まえた上でここではどうやっていこうかという明確な道標を上司と入社時にすり合わせができていれば、新卒よりも仕事への意識が高くなるだろうという期待がある。また、転職組は成果を中心に見られる傾向があり、やる気次第で伸びる子は伸びる可能性が非常に高い。
組織の新陳代謝を促進するため
近年の新卒採用の現場は就職希望者数より求人数のほうが多く、企業側が新卒を取りにくい時代なので、新卒の延長くらいの第二新卒を確保するには絶好のチャンスだから。また、企業風土に染まりきっていない事が多いので、自社の企業風土に染められる時間もたくさん作る事ができる。すぐに成果を求めるわけではなく、長い目で見れる事ができる若い人材は需要がある。
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第二新卒が門前払いされないためには?
第二新卒は新卒で入社した社員と比べて就業経験が浅い分、新卒としての就職活動と同じような気持ちで、転職活動に挑む人が多く見受けられるようですが、実際は第二新卒は中途採用の一種です。
第二新卒で転職活動するきっかけの多くは、新卒で入社した企業でうまく成果を出せなかったり、入社前後のギャップを埋めることが難しいと感じたりと、企業選びを失敗したと感じたことに起因しているようです。
かといって、新卒の就職活動のように転職を行うことはできません。まずは、企業選びを失敗してしまった理由が何なのか自分と向き合い、内省することが大切です。
面接で良い結果を得られない人の多くは、この失敗の原因を会社や仕事内容など環境にあったとしてしまいます。一方で、企業が求めているのは、内省して改善できる人です。
ここで少し具体例を挙げて、企業に好まれる伝え方について考えてみます。
悪い例
「自分は〇〇をやらせてもらえると思って入社したのに、会社は違うことしかやらせてくれなかった。ここにいてもすぐには成長はできないと思ったので転職を決意しまいした。」
会社は能力のある人には期待を込めて多少難しい仕事でも任せたり、仕事を与えたりします。しかし、自分のやりたい仕事と自分の力量が見合わないために仕事を任せてもらえなかったことを会社のせいにするのは良い印象をもたれません。これは面接官に対して、「自分は能力がありませんでした。」と言っているのと一緒です。では、どのような言い方をするのがいいのでしょうか。
良い例
「私はもっと早くからいろんな経験を積みたかったけど、会社はそこに3年かけて育てるつもりでした。そこから先はもっといろんな経験を積めたと思うんですけど、就活の時にもっと育成のスピード感とかやり方を調べたり聞いたりしておくべきだったのが私の失敗でした。この反省を活かしてよりスピードの速い環境で経験を積みたいと考え、転職を決意しました。」
このように、自分の失敗で〜と言うのか、あの会社のせいで〜と言うのかでは印象が大きく変わります。
責任の所在をどこに置くかを面接官は非常にチェックしています。
そもそも新卒で会社に入って、3年も経たないうちに辞めて転職活動をしている人は長続きできない、我慢できないという印象を持たれることが多いです。そのため、求職者側が会社を辞めた理由を会社のせいにしてしまうと、会社側は入社後に何か環境の変化があったり、その方の期待に答えられなかったりした場合辞められてしまうとイメージし、採用に対して消極的になってしまいます。
さらに、就業経験が浅いためスキルや能力はまだまだ未熟であると評価されます。そのため、第二新卒としての転職活動でアピールすべき点は、経験値よりもスタンスです。
困難な課題やうまく行かない状況との向き合い方を自責の念を持って伝えられるように、もう一度見直してみましょう。面接の場で自分の欠点や弱みを伝えるのは、簡単なことではないと思います。だからこそ、自身の至らない点を真摯に受け止め、これからどのように前向きに成長していこうとしていくのかを伝えられると大きな差別化になります。
加えて、自分はこうなりたい、これを頑張りたい、これをやりたいんですと明確に伝えられた方が、何かあった時でも頑張ってくれそうだなと思えるので良い印象を持たれやすいです。
そのためにも、転職活動を行う前に自分が何歳までにどんな経験、キャリアを積んでいたいのか、どんなことができるようになっていたいのかを明確にしましょう。
自己分析で必要なことは「将来の自分の理想の姿に対して今やるべきことは何なのか」と言うことを明確にすることです。
なぜ転職を決意したのか、なんのために転職をするのかという目的をはっきりと話すことのできる第二新卒転職者は非常に少ないと舘石さんは言います。
周りと差別化するためにも、自分を今一度見つめ直して、今の会社と何が自分に合わなかったのか、次の会社にはどんなことを求めるのかをはっきりさせてから転職活動に挑むようにしましょう。
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いかがだったでしょうか。
第二新卒の転職事情について、転職が厳しいといわれる理由や門前払いの現状、会社が求めていること、転職活動に際して準備するべきことなど、現役人事の意見を参考にしながら紹介させていただきました。
今回のポイント
・就活での門前払いは存在する
・第二新卒の立ち位置での転職者は多い
・第二新卒を欲しがる企業は多い
・辞めた理由を自分に向ける
・転職活動を行う前に自己分析を行う
まずは、第二新卒という立場での転職現場の現状をしっかりと理解しましょう。
第二新卒であっても、人によっては厳しい現実が待ち構えています。
あなたが第二新卒として転職するなら、徹底した準備を行いましょう。転職準備は一朝一夕でできるものではありません。しかし、準備を徹底すると、あなたの人生をより理想に近づけることができるでしょう。
とはいえ、「自己分析の方法が分からない」「第二新卒の自分だけで転職活動を行うのは不安」という方も多いのではないでしょうか。そんなときは、周囲の人に相談するのも一つですが、キャリアのプロに相談するのも有効な手段です。
一歩踏み出すことから始めてみましょう!
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