今回は、ワークログ株式会社の代表取締役である山本純平さんにインタビューさせていただきました。
慶應義塾大学大学院卒業後、司法書士試験で失敗。その後、様々な業界の会社を渡り歩いたのち、独立し現在ワークログ株式会社の代表取締役として活躍されている山本さんは自身のキャリアを”異色”と表現されています。
そんな山本さんのこれまでのキャリアや、これからの展望、そしてshabellについてたくさんお話していただきました。自身のキャリアについて悩んでいる方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
失敗から始まった異色のキャリア
ー山本さんの幼少期の頃の夢や、目標はなんでしたか?
山本純平さん:スポーツができるタイプでは無かったのと、理科が好きだったので学者とか、研究者とかそういう方向を目指していました。遺伝子の研究がしたいなどと言っていた気がします。
誕生日に顕微鏡が欲しいっておねだりして、マイ顕微鏡を持っていた珍しいタイプの小学生だったので、池や川の生物を顕微鏡で調べたりして行く中で、遺伝子の勉強をして、未病の病を解明できるようになりたいと言っていました。
ーそう思うきっかけは何だったのでしょうか。
山本純平さん:ドキュメンタリー番組で通常の約10倍早く老化してしまう病気について知りました。当時僕と同い年くらいなのに既にその人はおじいちゃんみたいな風貌をしていて。それが結構強烈に目に焼き付いたんですよ。
先天的遺伝子異常が原因だそうで、遺伝子を勉強したら未病の病も解明できるのかなと思いました。
ー夢は大人になるにつれて変わりましたか?
山本純平さん:正直、幼少期も夢と呼べるほど強い信念があったわけではありません。大人になればいつかやりたいことが見つかる、そう思って慶應大学に進学しましたが、良い大学に行ったからといって、やりたいことが見つかるわけではないんですよね。
その時に、慶應っていう学歴がなくなったら自分は何者になるんだっていう危機感がありました。慶應って中学から通っていると割と周りからちやほやされるんです。だから慶應とは関係なく、僕個人の力だとどう評価されるのかと考えるようになりました。
そして、自分の力を試してみたいと思って、大学院に進学後法律の勉強をして司法書士の資格を取ろうとしたんです。当時は人助けをしたいとか、弱者のために働くんだと正義感を持っていましたが、今振り返って思うと自分の力を試してみたかったという気持ちが強かったのだと思います。
それで、司法試験に落ちてからは、とにかく働ける環境に身を置こうとしたというのが最初のキャリアです。
何をするかじゃなくて誰と仕事をするか
ー山本さんは今まで複数の会社に務められていたと思うんですが、どんな経歴でどんなキャリアを歩まれてきたんでしょうか。
山本純平さん:最初25歳フリーターで就活を始めたんです。当時は第二新卒とかフリーターに対して世間が厳しくて、エントリーできる企業が少なかったんです。それこそ、リクナビもマイナビも使えなくて。それでまずどう就活したら良いのかってところから始まりました。第二新卒向けの人材紹介会社を使ってなんとか内定をもらえたのが、不動産の会社でした。
正直言うと、結果として入れるところがそこしかなかったというのが本音です。ただ、僕と同じように、会計士や税理士など、資格を目指してて挫折した人が結構多くて。でも、みんな若くして活躍していたので、まずはここで経験を積もうと思って入社しました。
25歳未経験という危機感もありましたから、とにかくがむしゃらに働きました。帰宅後も宅建の勉強をしましたし、社長の趣味に合わせてNHKのドキュメンタリーを見て勉強したり、思いつく限りのことを必死に取り組んでいました。その結果、1年ちょっとでマネージャーまで昇進することができ、冷静に次のステップを考えるようになったのです。
そして、この会社を紹介してくれた人材紹介会社に入りたいと思いました。当時僕の担当をしてくれたのが、会社の社長さんで、僕と同い年だったんです。25歳でフリーターの自分に対して、すでに会社を経営してる人がいると、とにかく衝撃を受けました。それで、この人と一緒に仕事がしたいと思って、直接会社の扉を叩いて自分を売り込みに行きました。そのまま入社して、2年働きました。
その次の企業との出会いも周りと比べたら割と変わっていると思います。
ある日、Facebook経由で、学生時代に僕が書いた修士論文を読みましたってメッセージが来たんです。それで会いに行ったら、まさに修論のテーマで事業を企画してるって言ってくれて。コンサルとして一緒にやらないかって言われて、修論の世界が現実になると思い転職を決意しました。そういえば面接は1社目以降してないですね。
ただ、いくつか会社を転々としましたが、共通して言えるのは「誰と仕事をするか」で決めてます。不動産、人材紹介、コンサル、開発と客観的には一貫性のないキャリアですが、常に誰と仕事をするかを大切にした結果このようなキャリアになりました。
ーどんな人と仕事をしたいと思いますか?
山本純平さん:今でこそ社長になってますけど、僕はどちらかというと、誰かの持っているビジョンを具体化して前に進めていくことに強みがあると思っているので、社長タイプではないと思うんです。
僕は、いい大学を出たのにやりたいことがあるわけでもなかったので、若くして志とか夢とかビジョンを持っている人にはとても惹かれます。だからその人のために頑張りたいと思います。
ー今までに一番苦しかったことや挫折はありましたか?
山本純平さん:根底にあるのは司法書士の勉強だと思います。1日12時間くらいは勉強してたんですよね、それで3年目に受けた時は、これ以上勉強することないって思うくらい勉強して、かつ模試では割といい点数取っていたので自信もありました。
でも本番で“そこそこに惜しくない点数”で落ちて。
それで、なんか、燃え尽きたというか吹っ切れたというか、やっぱり僕って慶應っていう学歴を取ったらそんなに優秀じゃないんだなって思ったんです。それでがむしゃらに仕事するようになりました。
ー1番嬉しかったことはなんでしょうか。
山本純平さん:自分が優秀じゃないことに気づいたのが挫折だとしたら、反対に自分が活躍できるんだなって自信に思えた瞬間で言えば、割と最近のことですね。
僕の中でも割とチャレンジングな経験なんですけど、今神奈川県のコロナ対策本部で仕事をしているんです。もともと僕は医療のことも、県庁に誰がいるかも、何やるかも知らない状態で、パソコンだけ持って乗り込んでいったんですよ。
まずは最初2日間からはじまって、資料作成を手伝ったら、その次は2週間来てくれと言われて、その次は2ヶ月間。契約延長が続き、2022年春で2年になります。
誰も僕のことを知らない環境で県庁という大組織の中で仕事をしてきたっていう事実は僕の中で大きく自信になりました。
今まで小さい会社の中ではそれなりに成果は出してきたつもりでしたけど、いざ会社の外に出た時にどこまで評価されるかはわからなかったので。
自分の中でも大きなターニングポイントになったと思います。
ー今後の会社としてのビジョンや、展望を教えてください。
山本純平さん:2021年12月に「ヒトクチ」というサービスを立ち上げました。飲食店のシェフが、“ひとくちちょうだい”と気軽に規格外品などのB品を生産者から取り寄せられるサービスです。
また飲食店に来たお客さんが、そのお店で食べた食材を農家さんから購入できるという、仕組みも実装しています。販促だけでなく、地方に行けば行くほど人手は不足しているって言う話を聞くので、将来的にはその課題を解決するために消費者が農園に集まってくるようなサービスにしていきたいですね。
あと、農家さんは農業のことは知っているけど、他のことは知らないってことが多くて。例えば、ITが得意な人が農園に集まれば、農家さんのためにWebやシステムを作ることができます。そういう人が増えると、農家さん自身が変わらなくても農業の影響力はもっと大きくなると思うんです。農家さん1人に対して、ファンコミュニティがあるような世界を作っていきたいです。
後悔するまで行動しろ
ーshabellのサービスを初めて聞いたときの印象を教えて下さい。
山本純平さん:僕は元々第二新卒の人材紹介業をやっていたので、若手のキャリア形成って部分には興味がありました。
ただ人材紹介って結局求人の紹介なので、一生懸命お話を伺っても、僕が紹介できる良い求人がなかったりするんです。
そうなると他社に行ってくださいってなるし、それか半ば強引に今紹介できる求人にエントリーさせるっていう方向になってしまうので、結局アドバイスできる領域が限られてくるんです。
だったら個人と繋がってフラットにコミュニケーションできた方が、営利目的じゃないからこっちも肩の力を抜いて喋れるし、言いたいことも言える(笑)そういう意味で、相談者の手助けになるのであれば参加したいと思いました。
ー山本さん宛に相談依頼が来たとき、相談者の方とどんなお話をしましたか?
山本純平さん:大きく2つ話してまして。今人事の部署にいらっしゃる方で、転職を視野に入れてて、人材紹介って実際どうなんですかっていうお話と、もう1つは女性の上司とのうまい付き合い方何かありますかっていうお話でした。まず1つ目の相談に関しては、彼がもっと求職者と向き合いたいという話をしてたので人材紹介いくと求人紹介してなんぼの業界だから合わないんじゃないかと言いました。
それよりもキャリア形成っていうより、カウンセリングみたいなことをやっているところがあって、そこなら長く対面で話して、求人紹介はせずにその相手のやりたいことをうまく引き出してあげられるから、そういう会社に行く方が多分あってると思うという話をしました。
あとは、2つ目の相談に関しては、僕も正解がよくわからないんですけど、僕は女性の上司の経験があったのでバレンタインとかにケーキめっちゃあげたりしたと言いました(笑)女性に好かれるためにめっちゃ頑張ったといいました。参考になるかわかんないけど(笑)
でも、そういう話は人材紹介会社とかには聞けないから面白かったんじゃないですかね。shabellなら個人対個人のプラットフォームなのでいい話が聞けると思いました。
ー最後に今夢を追いかけている人へ、メッセージをください!
山本純平さん:後悔するまで行動しろって思います。僕は「後悔先に立たず」って言葉が好きで、どれだけセーフティネットを張っても後にしか後悔しないんだったら、アクション起こそうって思うし、やり続けたら意外と先って広がっていくんです。
やってみたら嫌いだった仕事もこの人だったら楽しいなって思えたり、苦手な仕事も成果出すとそれが自信になったりして、それがまた次の仕事に繋がったりするんです。
そんな壮大なビジョンってなくてもちゃんと活躍できる人材になると思っていて。逆にビジョンなんて無い人の方が圧倒的に多いですし。
まずはアクションを起こして、目の前の仕事を一生懸命やったら良いと思います。
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今回は、経営者としてワークログ株式会社で活躍されている山本純平さんにインタビューさせていただきました。
失敗から始まったキャリアの中で、自分から学歴を取ったら優秀じゃないと気づき、そこで落ち込んでしまうのではなく、それならがむしゃらに仕事に取り組もうと1歩1歩前に歩き続けた山本さん。
「まずはアクションを起こして、目の前の仕事を一生懸命やったら良いと思います。」誰と仕事をするかを大切にし、目の前の仕事に真剣に向き合ってきた山本さんの言葉にはとても説得力がありました。
shabellbaseでは今後も多種多様なキャリアを築く方々を紹介しています。
あなたの夢探しやライフプランに役立つヒントを見つけてみてください。
- 山本純平さん
やまもと じゅんぺい|経営者1987年生まれ。神奈川県出身。経営者。慶應大学院卒業後、司法試験で挫折を味わう。その後、様々な業界の会社を転々とし、独立。現在、ワークログ株式会社の代表取締役として、農業に関わる新しいサービスを開発しながら、神奈川県庁のコロナ対策本部でも働くといった”異色”のキャリアを歩んでいる。
ワークログ株式会社:https://www.worklog-inc.com/
ヒトクチ:https://www.hito-kuchi.jp/
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