2020年、世界中で流行した新型コロナウイルスの影響から、日本国内でも一気にリモートワークが普及しました。
もとより東京オリンピックの混雑緩和や「働き方改革」の一環としてリモートワークを推進しようとする声が上がっていましたが、実際に在宅勤務が続くと「最近どうも作業効率が下がっている気がする……」「集中できない……」といった悩みも聞こえてくるように。
アフターコロナにおいても働き方のスタンダードな選択肢になると考えられるリモートワークですが、オフィスへの出社と変わらないパフォーマンスで働くためにはどのような工夫が必要なのでしょうか。
この記事では、リモートワークで集中できない原因にフォーカスします。リモートワークで高いパフォーマンスを発揮し、活躍しているシャベラーから、集中するために試したい対処法を教えていただきました!リモートワークでストレスを抱えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
リモートワークで集中できない原因5つ
自宅での仕事で集中できない最大の原因は、オフィスとは違って上司や同僚といった人の目がないことだといわれています。オンとオフの切り替えが困難なことから仕事のスイッチが入りにくく、プライベートの延長で仕事がスタートしてしまう人も多いのではないでしょうか。
ここからはリモートワークで集中できない原因について詳しく解説します。
原因①家族や同居人の存在
一人暮らしとは違って、家に家族や同居人がいるとついついおしゃべりしてしまったり、生活音が気になったりと集中できない人が多いようです。
同居人もリモートワーカーであればお互いもくもくと集中し合えるかもしれませんが、相手が休日でテレビを観ていたり、なかなか外で遊べない子どもが家の中ではしゃいでいたりすることもあるので、家でオフィスと同じ環境を作ることは困難極まりないですよね。
原因②家の机や椅子が仕事向きではない
「オフィスの机や椅子って仕事しやすいんだ……。」リモートワークをして初めてそう気付かされた人も多いのではないでしょうか。
食事やくつろぎタイムで使い馴染みのある家具であっても、仕事の作業環境に向いているかというとそうとは限りません。オフィス机・椅子は長時間座って作業していても疲れにくい構造になっているものが多く、そうしたオフィス家具と比べると家のダイニングテーブルや椅子は長時間の作業に不向きかもしれません。合っていないもので作業すると肩や腰の疲労につながり、作業効率が落ちる原因になります。
原因③オンとオフが切り替えづらい
オフィスに出社していたときは着替えや出かける準備、出社時間を使って仕事モードに切り替えていましたよね。
プライベート空間と仕事をする場所が一緒になると、仕事スイッチを入れることが困難になります。毎日決まった時間に起きて身だしなみを整えることも少なくなると、ますますオン・オフの切り替えが難しくなりますね。さらに、家で家族がくつろいでいれば、そんな状況もオンとオフの切り替えがたくなる原因の一端です。
原因④ついついスマホをいじってしまう
ついついスマホで動画やSNSを見てしまっていませんか?オフィスに行けば仕事をするしかないので、私用のスマホを触っているわけにもいきませんが、家では上司や先輩、同僚の目がないため、気が緩んでスマホをいじってしまいがち。またちょっと気になって調べた内容を皮切りに、延々とネットサーフィンが止められなくなってしまう人もいるかもしれません。
原因⑤二度寝に間食……生活習慣の乱れ
リモートワークが始めるまでは毎朝同じ時間に起きて準備して、遅刻しないように出社していたと思いますが、チャット機能などで始業時間を知らせれば良い在宅勤務ではついつい二度寝をしていまいがち。また、いつもより遅くまで寝ていられると思うと寝る時間も遅くなっていき、生活リズムが崩れる悪循環に。
さらに、間食の増加も生活習慣の乱れにつながります。睡魔やストレスを紛らわすために、ついつい間食に走ってしまいますが、間食のし過ぎは継続的な集中力を削ぎます。
リモートワークでも集中して働くための対処法8つ
自宅には仕事の集中力を削ぐさまざまな原因があることが見えてきました。そこで、リモートワーク下でも活躍しているシャベラーにインタビュー。集中して働くためのコツなど、実際に工夫されていることを聞いてきました。
①会社に出社するときと同じ服装に着替える
オンライン会議がない日には、ずっとパジャマや部屋着で過ごしているような人もいるのではないでしょうか。人の目がない分、どうしても身だしなみは疎かになりますよね。ですが、起きたままの格好で仕事をしても仕事スイッチはなかなか入りません。そこで、「着替える」ことでメリハリをつけることも効果的です。
営業マンとして働くAさんも「少し面倒だが、仕事の日には必ずジャケットを着るようにしている。着替えると仕事のスイッチが入り、集中できる」と回答しました。
②時間配分とタイムスケジュールをしっかり管理
出社すると会議や打ち合わせ、外出など誰かに合わせないといけないスケジュールなどがありますが、リモートワークで自宅にいるとどうしても時間の流れが単調になってしまいます。結果ダラダラと作業を続けてしまい、生産性は低下、気づけば就業時間が過ぎていることも……。そんなときは、慣れた作業であっても細かく時間を区切って取り組むのがおすすめ。タスクを区切って1日のスケジュールに落とし込むことで、時間内で集中することができ生産性もアップします。
営業推進部で働くIさんは、「時間配分には注意を払っていますね。タスクにかかる時間を決めたら、実際にかかった時間と比較をして原因を洗い出し、改善につなげます。そういった改善の積み重ねによって、パフォーマンスを落とさずに仕事ができています。ちなみに、休憩はしっかりとるようにするのもポイントです。」と回答しました。
③適度に休憩をとったり昼寝をしたりする
シャベラーの中でも多かったのが「適度に休憩をとる」「昼寝をする」という回答でした。特に昼休みに昼寝ができるのはリモートワークの特権ですよね。短時間の昼寝を挟むなどしてしっかり休憩をすると、集中力や作業効率のアップにつながります。
「昼休みに仮眠をとるようにしています。短時間だけでも目をつむると、起きたときにスッキリするのでおすすめです。」(マーケティング採用担当・Hさん)
「特別な方法ではないですが、適度に気を抜くようにしています。あまり頑張ってしまうと、変にストレスがかかってしまうと思うので。」(エンジニア・Kさん)
「休憩時間を目処に窓を開けて気分転換したり、お昼に仮眠したりしています。空気を入れ替えると頭がすっきりします。」(営業担当・Iさん)
④軽くストレッチをする
軽い運動を取り入れるのもおすすめです。通勤することもなく、狭い部屋で1日中おこもりしていると、どうしても運動不足に。作業の合間にちょっと手足を伸ばしたり、軽く体を動かすことを意識するだけで、集中力にも好影響となります。
経理部で働くTさんは、「2〜3時間おきにストレッチするようにしています。ストレッチで凝り固まった筋肉を伸ばしながらちょっと休憩を挟み、オンオフを切り替えるようにしています。」と回答しました。
⑤立って仕事をする
狭い場所であまりにも動かず、長時間座っていることは、精神的にも身体的にも悪影響。そんなときはスタンディングでの作業を試してみてください。
実際、アメリカ・シリコンバレーのIT企業をはじめとする世界中の多くの企業でスタンディングデスクの採用が進んでいます。早稲田大学の「健康スポーツ科学拠点」でも以前からスタンディングが導入されており、研究室では立ったまま勉学に勤しむ学生の姿が。
シャベラーでもあるプロダクトマネージャーのKさんも「立った姿勢で仕事します。座りの姿勢と違って背筋がのび、良い姿勢で作業できる気がします。」と回答しました。
⑥集中できる音楽を聴く
無音だと集中できない!という人は、集中できるBGMを流して作業するのもおすすめです。シャベラーでコンサルタントのHさんは「YouTubeでダラダラ動画を流すのではなく、集中できる音楽を聴くようにしています。」と回答していて、ライターのIさんは「作業内容によってBGMを変えて気分転換しています」と答えました。
⑦仕事しやすい環境を整える
オフィスと同様、自宅が仕事仕様になっている人は少ないでしょう。リモートワークが始まって自宅勤務を余儀なくされた人は、少しでも仕事のしやすい環境作りを行うことがポイントです。営業のHさんは、「パソコンを目線の高さに合わせたり、仕事用にディスプレイを購入するなど、自宅に仕事しやすい環境を整えました。」と答えていました。
⑧カフェやコワーキングで仕事する
フリーランスのYさんの回答で「カフェやコワーキングスペースに行くと、気分転換になって集中力がアップする。」とあった通り、思い切って家以外の場所で仕事するのもひとつの手です。デザイナーのIさんも、「静かすぎる環境で仕事しないようにしています。カフェなど適度な雑音がある場所で作業するとはかどります。」と回答しています。
しかし、フリーランスの方であればともかく、会社員ですとこれをOKとする会社は限られるかもしれません。また、コロナ禍においては外出先で長居することも難しいでしょう。とはいえ、長くリモートワークが続く人は、一度会社にノマドワークが可能かどうか確認してみるのも良いかもしれませんね。
上手にメリハリをつけてリモートワークの生産性を高めよう
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