しゃべる就活とは、実践的なビジネスワークショップを通じて、面接では伝わりにくい“働く力”や“人柄”を伝える就活イベントです。人事からの丁寧なフィードバックや、直接スカウトを受けられるチャンスもあります!
今回は、「しゃべる就活ってどんなことをするの?」「参加するとどんな発見があるの?」という疑問に答えるべく、shabell取締役・ヘレンさんにお話を伺いました。
\\しゃべる就活を詳しく見てみる//
「すごい人」じゃなくても、自分の強みはある
——まず、しゃべる就活はどうして生まれたんでしょうか。
採用活動をしていく中で、面接という場では学生のごく一部分しか見えないことに違和感を覚えたんです。自分をうまくアピールできる人ばかりではありませんし、多くの学生が「特別な経験がないと評価されない」と思い込んでしまいがちですがそれが企業にとって重要なわけでもない。
ガクチカとして、目立つ功績や経験がないと価値がないように感じてしまうかもしれませんが、社会って特別な経験や力がある人だけで成り立っているわけではないんです。
一人では達成できない課題を役割分担したり、ちょっとずつ得意なことを発揮し合う――こんな風に“普通の人たち”が支え合って働いているのが現実の社会です。だから、実際の仕事では自分ひとりが注目される場面よりも、誰かを支えたり、チームで協力したりする場面の方がずっと多い。
すごい経歴や肩書きがなくてもいい。むしろ、そうした他者と活動する中でしか発揮されない「自分らしさ」の中にこそ、その人ならではの価値があると思うんです。
だからこそ、しゃべる就活ではチームで課題に挑むワークショップ形式を取り入れました。 その中で自分でも気づけない強みや人間性が自然と表れるような場にしています。
——しゃべる就活に参加することでどんな学びや成長が得られると考えていますか?
二つあると考えています。
一つは自分では気づきにくい特徴や言語化しづらい強みを、企業に”見つけてもらえる”ことです。
就活というと、どうしてもリーダー経験や受賞経験のような“わかりやすい実績”が評価されると思いがちですよね。面接も、自分を上手にアピールできる人が有利な形式です。
でも、企業は必ずしも”すごい人”を採用したいわけではないんです。実際働いていく上では、特別な何かを持っていることよりも、もっと多様な役割が必要とされます。実際の仕事には、誰かを支えたり、周囲と協力したり、注目されない場面でも努力を続けられたり、様々な役割が存在します。そうした力は自分では気づきにくく、自ら言葉にすることで薄っぺらくなりがちです。
「自分のいいところがわからない」という学生も、様々な企業からフィードバックを受ける中で自分では見えていなかった魅力に出会える。それこそがしゃべる就活の大きな価値だと思います。
もう一つは、社会に出る前のマインドセットができること。
「働くってどういうことなのか」って学生のうちに教えてもらえる機会ってなかなかありませんよね。自分がどう社会と関わり、どんな形で貢献していけるのか。自分の人生を社会とどうつなげていくのか。そうした“生き方と働き方を結びつけて考える時間”になるのがしゃべる就活だと思っています。
就活をしていく上で大切なのは”いい会社”に入ることではありません。例えば、自分の人生が豊かになることだったりとか、自分の居場所があることだったり、自分を求めてくれる人がいたりとか、そういうことが実現できる会社と出会うことの方が中⻑期的に見て大事なことなんです。
実際に参加した学生の中には、「働く上で本当に大事なことに気づけた」「社会に出る前に、自分の考え方を見直すきっかけになった」と話してくれる人も多くいます。
もちろん、働くことの“正解”は人それぞれ違います。そういった意味でも就活の先にある、”働くとはどういうことか?”という問いと、じっくりと向き合う機会が得られるという価値は大きいと感じます。
ビジネスワークショップで試される、社会人としての力
——なぜビジネスワークショップ形式に?
これまでやってきた学校の勉強には“正解”が決まっていることが多かったと思います。でも仕事には明確な正解がないことが多いんです。上司から仕事を任されることはあっても、上司が必ずしも正解が分かっているわけではありません。成果は数字という形で表れるかもしれないけれど、その過程に「これが正しい」という答えはない。
仕事は顧客や社会の誰かのため、社会のために行うものだから、正解は常に変化するし、一緒に働く人や状況によっても変わっていきます。
だからこそしゃべる就活では、正解のない課題にチームで挑んでもらいます。曖昧な状況の中でも自分の考えを言葉にし、一歩を踏み出せるか。仲間と意見を交わしながら最善の答えを模索できるか。
そうした中で自然と表れるのが、「主体性」「傾聴力」「協調性」といった“働く上で必要となる力”なんです。これらは、どれも面接だけでは見えにくい力ですが、実際に社会で仕事をするうえで最も大切なものだと思っています。
——「主体性・傾聴力・協調性」ってどういうことなんでしょうか。
主体性というのは、自分で考えて行動する力のことです。仕事って、学校のように誰かが1から10まで正解を出すための道筋を教えてくれるわけではありません。上司や先輩も自分の業務を抱えながら、チーム全体を動かしています。いわゆる“自分を見守ることだけを仕事としている人”なんていないんです。
そうした中では、自分をチームや組織の一員として捉えた上で、「今この状況で自分はどう動くべきか」「会社やチームに今求められていることは何か」を考え、自分なりの意見を発信し、一歩を踏み出すことが求められます。
加えてそのときに大切なのは、ただ自己主張をすればよいということではない、ということです。
相手の意見を受け止め、違う考え方も理解しながら自分の意見を形にしていく――それが協調性です。
協調性と聞くと単に”人に合わせること”と捉える人が多い気がするのですが、実際はそうじゃなくて。他の人がどう動いているのかを見ながら、自分は何をすべきかを考え、チーム全体が目的に向かって進むように自分の役割を果たすために発揮するもの。そして自分の意見をきちんと伝えることまで責任をもって実行できる。これが本当の協調性の意味なのだと思います。
そしてこの二つの間に発揮されるのが傾聴力です。相手の言葉を“音として聞く”だけでなく、その裏にある思いや意図、言葉にならない本音を受け取る力。
特に日本語のコミュニケーションでは、言葉にされないニュアンスや空気を読み取ることがとても大切だと感じています。
「しゃべる就活」では、チームで課題に取り組む中でこの3つの力が自然に表れます。誰かの意見にうなずくだけでもなく、かといって一人で突っ走るわけでもない。周りを見ながら自分の役割を見つけ、動き出す――それこそが、実際の仕事で求められる“働く力”だと思っています。
自分の「ありたい姿」に挑戦できる場所
——参加する学生には、どんな姿勢で臨んでほしいですか
しゃべる就活では、普段の自分を知らない人たちばかりとチームを組みます。それって「ありたい自分」を思い切り演じるチャンスじゃないですか。
普段の自分は挑戦できていないと感じている人は、この場で一歩を踏み出してみてほしい。
企業は、あなたがその場で見せたその姿を“社会人としてのあなた”として評価してくれます。
そして、その姿勢を社会に出てからも続けていけば、少しずつ理想の自分に近づいていける。しゃべる就活は、過去の経験ではなく“これからの自分”を見せられる場でもあるんです。
——就活の枠を超えて、社会人としての第一歩を踏み出せるイベントなんですね。
そうですね。No.1 じゃなくても、人それぞれ大小様々な強みや個性があります。 しゃべる就活では、そういう自分らしさを示したり、測ったりできる場をこれからもつくっていきます。まさにshabellのコーポレートミッションにもある「新しい価値基準を創造し」全てのらしさを体現する社会を築くということだと考えています。
また、新卒で社会に出たときに多くの人が直面する大きなギャップは、「できないことを、自力でできるように変えていかなければならない」という点です。
学生時代までは「みんなと一緒に」「できなければ誰かが助けてくれる」という環境がありましたが、社会人になるとそれを自分で乗り越えていく力が求められます。そのギャップに苦しむ人は少なくないと思います。
だからこそ、「働くとはどういうことか」「社会が求めていることはどういう力か」を、しゃべる就活を通じてほんの0.01歩でも感じてもらいたい。そうすることで、働くことに前向きになれたり、楽しさを見いだせたりする学生が増えたら嬉しいですね。