内定者面談って何をするの?面談当日の流れや参加するメリット・事前準備でするべきことを紹介

「内定おめでとうございます!」
そんな言葉とともに届いたメールに、「後日、内定者面談を行います」と書かれていたら、ちょっと戸惑ってしまいませんか?

就活の山場を越えたはずなのに、「面談って何を話すの?」「また選考があるの?」「失敗したら内定が取り消されるのでは…」と、不安になる人も多いはず。
でも安心してください。内定者面談は“選考”ではありません。むしろ、あなたの不安を解消し、企業とのすれ違いを防ぐための重要なステップなんです。

このコラムでは、「内定者面談って何をするの?」「当日は何を聞かれる?」「服装や持ち物は?」「聞いておいた方がいい質問は?」など、内定者面談にまつわる疑問をまるごと解消します。

「なんとなく行って終わり」にせず、自分にとって納得のいくキャリア選択につなげるヒントが満載です。就活の“本当のゴール”に向けて、ラストスパートを一緒に駆け抜けましょう!

目次

内定者面談とは?

就職活動の終盤、念願の内定を獲得した大学生に対し、企業から「内定者面談を行います」と案内されるケースが増えています。

内定者面談とは、企業の採用担当者などが内定を出した学生と行う面談のことで、いわば入社前の最終確認やフォローの場です。
最終面接を通過し晴れて「内定者」となった後に設定されるため、選考の一環である面接とは目的や性質が異なります。面接のように合否が左右される場ではなく、基本的には入社の意思を確認したり条件のすり合わせを行ったりするための面談だと考えてください。企業によっては「オファー面談」「処遇面談」「条件面談」などと呼ぶこともあり、いずれも意味合いは同じです。

内定者面談は何をするの?

「内定者面談で何をするのか?」と不安に感じる人も多いでしょう。

簡潔に言えば、内定者面談では内定通知後に企業と内定者がコミュニケーションを図り、双方の認識合わせを行います具体的には後述するように、労働条件の詳細説明や入社承諾の意思確認、内定者からの質問対応などが主な内容です。企業によりますが、内定を出した直後から入社式までの期間に1回以上実施されることが多く、中には複数回の面談を設定する企業もあります。一方で内定者面談をそもそも実施しない企業も存在します。面談が案内されなかった場合は、後述の方法で自分から疑問点を問い合わせても構いません。

初めての内定者面談に臨む学生にとって、「また評価されるのでは?」「面談の結果次第で内定が取り消されるのでは?」と緊張するかもしれません。しかし心配はいりません。内定者面談は選考ではないため、基本的にこれまでのように合否に直結する場ではないのです。もちろん、社会人として失礼のない態度で臨む必要はありますが、極端な失敗をしない限り面談で不合格になるようなことはありません。企業側も「せっかく内定を出した学生にぜひ入社してほしい」というスタンスで臨んできます。

肩の力を抜きつつ、疑問や不安を解消するチャンスと捉えて積極的に参加しましょう。

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企業が内定者面談を行う目的は?

そもそも企業はなぜ内定者と改めて面談するのでしょうか? 主な目的は三つあります。それぞれ企業側の視点から確認しておきましょう。

面談を行う目的①:内定の入社意思を確認すること

1つ目は、内定者の入社意思を確認することです。
企業は採用計画に基づき内定を出していますが、内定を出した学生が必ず入社するとは限りません。仮にあなたが他社と迷っていたり、入社を保留している場合、企業としては採用活動を継続するか終了するか判断を迫られます。

そのため面談の場で「自社に入社する意思があるか」を確認し、場合によっては意思決定の期限を設けるなど今後の対応を検討します。企業にとって内定者面談は、内定辞退の可能性を見極める機会とも言えます。「内定を承諾するか迷っている」と正直に伝えても問題ありませんが、その場合は企業側も後日の回答期限を設けるなど対応してくれるでしょう。

面談を行う目的②:内定者の疑問を解消してミスマッチを防ぐこと

2つ目の目的は、内定者の疑問を解消してミスマッチを防ぐことです。
内定者にとって、入社前に不安や疑問を残したままだと「こんなはずじゃなかった」と入社後に感じてしまう可能性があります。それは企業にとっても望ましくありません。入社後の早期離職を防止するためにも、内定者面談でしっかりとお互いの認識をすり合わせることが大切なのです。

具体的には、仕事内容や待遇について内定者が納得いくまで説明・質疑応答を行うことで、「入社してみたらイメージと違った」というミスマッチを事前に防ごうとしています。企業側からすれば、内定者に安心して入社の日を迎えてほしいというフォローの意味合いが強いのです。

面談を行う目的③:配属先の決定に役立つ情報を得ること

3つ目の目的は、配属先の決定に役立つ情報を得ることです。新卒採用では入社時点で具体的な配属部署が未定の場合も多くあります。総合職採用などでは、「入社までに適切な部署を決めるために内定者本人の希望や適性を聞いておきたい」という狙いがあります。

内定者面談で「希望の職種や勤務地はあるか」「どんな分野に興味があるか」といった質問をされることもあるでしょう。企業としては、内定者の志向を参考にしながら配属先のミスマッチを減らし、できるだけ本人の希望に沿った形で戦力になってもらいたいと考えています。面談で伝えた希望が必ず通るとは限りませんが、要望があれば遠慮なく伝えて問題ありません。

内定者面談の当日の流れ

では、実際に内定者面談では当日どのような進行で何をするのでしょうか。一般的な当日の流れを把握しておくと心の準備ができ、過度な緊張も和らぎます。企業や状況によって多少異なりますが、基本的には次のような順序で進むことが多いようです。

採用担当者からの挨拶・選考結果のフィードバック

面談開始時にはまず人事担当者などから改めて合格の通知やお祝いの言葉があり、場合によっては最終選考での評価ポイントなどフィードバックが共有されることもあります。「○○さんの○○な点を評価しました」など採用理由を聞ける場合もあり、自身の強みを再認識できる機会です。

労働条件の提示・説明

続いて、具体的な雇用条件の説明があります。
ここでは給与額や賞与、昇給制度、勤務時間や休日休暇、福利厚生など、求人票に書かれていた情報も含め詳細な条件面の説明が行われます。多くの場合、厚生労働省指定の労働条件通知書など公式な書面を用いて説明されるでしょう。疑問点があれば途中で質問して構いません。重要な契約内容ですから、不明点は一つひとつ確認しておきましょう。

入社意思の確認

条件の説明が一通り終わると、「御社に入社する意思は固まっています」といった入社承諾の意思確認が行われます。
現時点で他社選考が進んでいる場合や迷っている場合でも、正直にその状況を伝えて問題ありません。「第一志望なので入社します」と明言できれば双方安心ですが、「他社の結果を踏まえて検討したい」という場合は、企業側も了承した上で回答保留の期限など話し合うケースがあります。企業にとっても重要なポイントなので、ほとんどの内定者面談で必ず聞かれると考えておきましょう。

内定者からの質問対応(質疑応答)

次に、内定者側から自由に質問できる時間が設けられます。
これは内定者面談のハイライトとも言えるでしょう。選考中の面接では時間の制約もあり十分質問できなかったことや、内定後に新たに湧いてきた疑問などをここで解消します。「実際の配属部署はどこになりますか?」「入社後の研修内容は?」「住宅手当など福利厚生は具体的にどうなっていますか?」など、気になることは遠慮なく聞いてみましょう。詳細は後述しますが、あらかじめ質問事項をメモして臨むとスムーズです。

今後のスケジュール・手続きの説明

最後に、入社までの段取りについて案内があります。
例えば「○月○日に内定式があります」「年明けに内定者研修を実施します」「入社までに提出してほしい書類があります」といった連絡事項です。入社日自体は通常4月1日(新卒の場合)ですが、それまでにどんなイベントや準備があるのか確認しておきましょう。不明点があればこの段階で改めて質問しても構いません。

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内定者面談に参加するメリット

内定者面談は企業のためだけでなく、内定者本人にも多くのメリットがあります。ここでは学生の立場から「面談に参加するとどんないいことがあるか」を確認しましょう。

面談に参加するメリット①:面接では質問できなかったことを聞ける

まず第一に、面接では質問できなかったことを聞ける点が挙げられます。
最終面接まで進む中で「本当は聞いておきたいけど聞けなかったこと」や、「内定後に改めて湧いてきた疑問」はありませんか? 内定者面談はその名の通り“面談”なので双方向の対話が可能です。緊張した面接と異なりリラックスして質問できる雰囲気であることが多く、時間も比較的ゆったり設けられています。逆質問のチャンスが改めてもらえると考えて、聞き残したことを解決しましょう。知りたかった情報を事前に得られれば、入社への不安も軽減され自信を持って残りの学生生活を過ごせます。

面談に参加するメリット②:入社前に具体的な仕事内容や配属予定先を知ることができる

次に、入社前に具体的な仕事内容や配属予定先を知ることができる点もメリットです。
内定を貰えたとはいえ、「実際どの部署で何をするのだろう?」と想像がつかないことも多いですよね。企業によっては内定者面談の時点で配属先の候補や予定部署を教えてくれる場合があります。たとえ確定していなくても、「○○部に配属される可能性が高いです」などヒントを貰えることもあります。
具体的な配属部署や業務内容の話を聞ければ、働く自分の姿をよりイメージしやすくなりモチベーションが高まるでしょう。「配属が決まっていないため答えられない」と言われるケースもありますが、その場合でも「どんな部署の可能性がありますか?」と聞けば候補くらいは教えてもらえることがあります。

面談に参加するメリット③:入社後のミスマッチを防げる

さらに、入社後のミスマッチを防げるというのも大きなメリットです。
内定者面談で遠慮なく質問・確認をしておけば、「入社してみたらイメージと違った…」という行き違いを減らせます。
例えば労働条件の詳細(残業時間の実態、有給休暇の取得状況など)や職場の雰囲気、会社の将来ビジョンなど、気になる点を事前にクリアにしておきましょう。企業としても誠実に答えてくれるはずです。その結果、自分の中で「ここなら大丈夫だ」という確信を持って入社を決められれば、入社後も前向きな気持ちで仕事に臨めます。
反対に、もし面談で解消できない不安が残るなら、内定辞退という選択肢を検討する判断材料にもなり得ます。いずれにせよ、内定者面談に参加することで自分にとって納得のいくキャリア選択ができるのです。

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内定者面談に向けた事前準備

内定者面談で充実した対話をするためには、事前の準備が欠かせません。ここでは面談前にぜひ整えておきたい準備事項を、「企業から聞かれることへの準備」と「自分から質問することの準備」の二つに分けて解説します。

企業から聞かれる内容への準備

面談当日、企業側からは様々な質問や確認が行われます。それに対してスムーズかつ自分の本音を伝えられるように準備しておきましょう。特に以下のポイントは聞かれる可能性が高いので要チェックです。

企業から聞かれる質問①:入社意思の確認

ほぼ確実に尋ねられるのが「我が社に入社するお気持ちは固まっていますか?」という質問です。
既に内定承諾の返事をしている場合でも、念押しで聞かれることがあります。ここでははっきりと意志を伝えることが大切です。入社する意思が固いなら力強く「はい、御社で働きたいと考えています」と伝えましょう。

もし迷っている場合は、正直にその旨を伝えて構いません。ただし「まだ迷っています…」と濁すだけでなく、「○月×日まで他社と比較し熟考した上で結論を出したいと思います」のように保留したい理由と回答予定時期をセットで伝えるのがポイントです。企業側もあなたに入社してほしい気持ちがあるため、真剣に悩んでいることを誠実に伝えれば、たいていの場合配慮してくれるでしょう。決してその場の雰囲気に流されて即答する必要はありません。
強引に説得されたからといって本心では迷いがあるのに承諾してしまうと、後から撤回しづらくなってしまいます。納得できるまで返事は保留して問題ありません。

企業から聞かれる質問②:他社の選考状況の確認

入社意思に関連して、「他社ではどこか内定が出ていますか?」「今他に選考を受けている企業はありますか?」といった質問も高い確率で受けます。
ここで大切なのは正直に答えることです。仮に第一志望ではない場合でも、事実と異なる答えを伝えるメリットはありません。

ただし伝え方には気を配りましょう。例えば「他社A社からも内定を頂いており迷っています」と答える際でも、単に他社の待遇や知名度を比較して悩んでいる、という印象を与えないよう注意します。おすすめは、自分のキャリアプランや志望動機を軸に話すことです。「他社も魅力的だが、自分が成長できる環境はどこか熟考している」など前向きな理由を伝えると良いでしょう。

また、通常他社状況を正直に伝えた程度で内定を取り消されることはありません。企業側も競合他社と比較検討するのは当然と考えています。ただし「御社より他社の方が第一志望です」などと露骨に熱意が低い発言をすると印象が悪くなるので避けましょう。

企業から聞かれる質問③:配属希望・キャリア志向の確認

面談では「入社後にやってみたい仕事はありますか?」「希望する配属先や勤務地はありますか?」といった質問が出ることもあります。まだ具体的に決まっていなくても、もし希望があるなら遠慮なく伝えて構いません。

例えば「どこでも頑張るつもりですが、もし可能であれば○○に挑戦したい気持ちがあります」と前向きな理由を添えて伝えると良いでしょう。企業側は必ずしも希望通りにできるとは限りませんが、本人の意思表示は配属検討の重要な参考情報になります。逆に何も伝えないと希望が考慮される可能性は低くなってしまいます。将来のキャリアパスについて考えていることがあれば、この機会に伝えておくのも手です。

企業から聞かれる質問④:必要な配慮事項の有無

場合によっては「働く上で配慮してほしいことはありますか?」といった質問もあり得ます。例えば持病やアレルギーで特別な配慮が必要だったり、LGBTQなどジェンダーに関する希望(例:通称名の使用など)があれば、差し支えない範囲で伝えておくと安心です

企業としても入社前に知っておいた方が良い事項があれば共有してほしいと考えています。言い出しにくい内容かもしれませんが、信頼関係を築くためにもオープンに話してみましょう。もちろん話したくない事情まで無理に開示する必要はありませんが、「実は○○の持病があり定期通院が必要なので、その点ご配慮いただければ幸いです」等、伝えておけば企業側も対応しやすくなります。

内定者面談で聞くべき質問例(逆質問)

次に、内定者である皆さんから企業へ質問したいことを整理する準備です。内定者面談はこちらから疑問をぶつける絶好の機会でもあります。遠慮して何も聞かないのは非常にもったいないです。事前に質問リストを作っておき、当日はメモを見ながら質問すると安心です。

ここでは内定者面談でぜひ聞いておきたい質問項目の例をいくつか挙げてみます。自分自身の関心に合わせて参考にしてください。

内定者面談で聞くべき質問例①:仕事内容・配属について

「入社後の配属先はどの部署になる可能性が高いでしょうか?」「具体的にはどのような業務を担当する予定でしょうか?」といった質問です。

特に配属が未定の場合でも、候補となる部署や仕事のイメージを聞いておくと入社後の心構えができます。希望する業務があるなら「○○にも興味があるのですが、将来的に携われる可能性はありますか?」などと質問し、自分の意欲もアピールしてみましょう。

内定者面談で聞くべき質問例②:給与・待遇について

「初任給や昇給制度について詳しく教えていただけますか?」「残業や有給休暇の取得状況はどのようになっていますか?」など、労働条件に関する確認事項です。

面接中は聞きづらかった給与や福利厚生の話も、内定が出た今なら質問しやすいはずです。ただし既に書面や内定通知で明示されている内容をそのまま聞くのは避けましょう。不明点や具体的なイメージを掴みたい点に絞り、「生活設計の参考にしたいので」など質問の背景理由を添えて尋ねると丁寧です。
例えば「新生活の予算を立てたいので、残業代や賞与の算定方法をもう少し詳しく教えていただけますか?」といった聞き方をすれば、担当者も答えやすく親切に教えてくれるでしょう。

内定者面談で聞くべき質問例③:研修・スキルアップについて

入社後の成長機会に関する質問です。「新人研修はどのような内容で行われますか?」「配属までに身につけておくと良いスキルはありますか?」などを聞いてみましょう。

企業側から既に研修内容の説明があるかもしれませんが、より具体的な話を引き出すチャンスです。研修期間や内容を知れば心構えができますし、「○○の勉強をしておいた方が良いでしょうか?」と質問すれば、入社までの準備に役立つアドバイスがもらえることもあります。

内定者面談で聞くべき質問例④:職場環境・社風について

実際に働く環境に関する質問も有意義です。「配属先の職場はどんな雰囲気ですか?」「チームの人数や年代構成を教えていただけますか?」といったことを聞けば、自分がその環境で働く姿を具体的に想像しやすくなります。

また「1日の業務の流れを教えてください」などと質問すれば、営業職なら一日のスケジュール例を教えてくれるなど現場のリアルな話が聞けるかもしれません。

内定者面談で聞くべき質問例⑤:評価制度・キャリアパスについて

長期的な視点で、「どのように評価・昇進していく仕組みか」「将来的にどんなキャリアパスが描けるか」を質問するのも良いでしょう。

例えば「入社後のキャリアステップや、○年目以降の社員研修制度について教えてください」などです。企業側も自社で成長してほしいと思っているので、前向きな質問として歓迎されるはずです。評価のポイントやモデルケースとなる先輩社員の例を聞けば、自分の長期的な目標設定にも役立ちます。

内定者面談で聞くべき質問例⑥:年間スケジュール・働き方について

「年間の繁忙期・閑散期はいつごろですか?」「有給休暇は取得しやすい雰囲気でしょうか?」など、働く上で気になるワークライフバランスに関する質問です。

特に繁忙期の忙しさや休日出勤の有無などは、入社後の生活をイメージする手がかりになります。直接「休みはちゃんと取れますか?」と聞きにくい場合は、「年間スケジュール」を切り口にすると質問しやすいでしょう。「○月頃が業界的に忙しいと聞きましたが、御社でもその時期は残業が増える傾向でしょうか?」といった形で尋ねれば、担当者も具体的に答えてくれるはずです。

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内定者面談当日の服装・持ち物

内定者面談に臨むにあたり、当日の服装や持ち物の準備も忘れずにチェックしておきましょう。面接ほど厳格でなくてもいいとはいえ、企業の担当者に社会人としてのマナーを示す場です。ここでは身だしなみと持参物についてポイントを解説します。

服装:指定がなければスーツが基本

企業から服装について特別な指定がない場合、面談当日はスーツ着用が基本と考えましょう。リクルートスーツなど就活時のビジネススーツで問題ありません。内定先によっては「私服でお越しください」と案内される場合もあります。その際は指示に従いますが、カジュアルすぎる格好は避け、ビジネスカジュアル程度のきちんとした服装を心がけてください。私服指定であってもジーンズにスニーカーのようなラフすぎる服装は好ましくありません。男性であれば襟付きシャツにジャケット、女性であればオフィスカジュアルなブラウスにスラックスなど、清潔感と節度のある服装を選びましょう。

「面談は面接とは違うし、内定も貰っているから多少ラフでもいいのでは?」と思うかもしれませんが、注意が必要です。身だしなみがだらしないと「社会人になる自覚が足りない」と思われて評価を落とす可能性があります。実際、内定そのものが取り消されることはなくても、一度下がった評価を挽回するのは簡単ではありません。特に面談では今後一緒に働くかもしれない社員と初めて直接話す機会でもあります。第一印象は非常に大事ですから、髪型やスーツのシワ・汚れ、靴下や靴など細部まで面接時と同様に整えて臨みましょう。

なお、オンラインで面談が行われる場合も基本的な服装マナーは同じです。画面越しでもきちんとスーツを着用し、油断のないようにしましょう。自宅だからといってジャージや部屋着で参加するのは絶対にNGです。上半身しか映らなくても、万が一カメラが下がったり立ち上がったりする場面に備え、上下ともスーツを着るのが無難です。また、オンラインでは背景に生活感が出すぎないよう注意し、開始5分前には入室してカメラ映りや音声を確認するなど、対面とは違った準備も必要です。

持ち物:筆記用具や必要書類を忘れずに

当日持参すべきものも事前に準備しておきましょう。まず、企業から事前に「○○を持ってきてください」と指定されたものがあれば絶対に忘れないようにしてください。例えば「内々定承諾書に署名して持参」などの指示がある場合があります。チェックリストを作るなどして漏れのないようにしましょう。

特に指定がなくとも以下の持ち物は用意しておくと安心です。

筆記用具(ペン) … 大事な説明事項や今後の予定などを書き留めるために必須です。ボールペンを数本用意し、万一インクが出なくなった場合に備えましょう。オンライン面談の場合も手元にペンとメモを用意しておきます。

メモ帳またはノート … 労働条件や手続きの説明は一度に色々な情報が出ます。忘れないようメモを取れるノート類を持参しましょう。コンパクトなメモ帳でも構いませんが、なるべく聞いた内容を整理して書けるよう少し大きめのノートがおすすめです。質問事項をあらかじめ書き出したメモもここに挟んでおくと便利です。

スケジュール帳 … 面談の場で次回の予定(例:内定者研修の日程や入社式の日程)をその場で決めたり確認したりする可能性があります。手帳やスマートフォンのカレンダーでも良いので、自分の予定をすぐ確認できるようにしておきましょう。オンラインの場合も同様に、手元でスケジュールを確認できる状態にしておくとスムーズです。

印鑑(認印) … 交通費が支給される場合、その場で受領のサインや押印を求められることがあります。特に遠方から来社するケースでは往復交通費を現金で渡されることもありますので、念のため認印を持って行きましょう。その他、内定承諾書にその場で署名・押印するよう依頼される場合も想定して準備します。

クリアファイル … 労働条件通知書など重要書類を持ち帰る際に折り曲がらないよう、A4サイズのクリアファイルが一枚あると便利です。企業から資料や入社案内を渡されることもありますので、さっとカバンにしまえるよう用意しましょう。

以上の持ち物リストを参考に、前日までに鞄に入れてチェックしてください。当日は時間に余裕をもって会場に到着することも大切です。慣れない場所に行く場合は、事前に地図アプリなどで所在地を確認し、最寄駅からの行き方や所要時間も調べておきましょう。遅刻は厳禁ですが、万一電車遅延など避けられない事情が発生したら、すぐに企業に電話連絡するようにしてください。

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内定者面談後の対応は?

内定者面談が無事に終わったら、可能であればお礼のメールを送りましょう。必ずしも送らなければいけない決まりはありませんが、送ることで感謝の気持ちが伝わりますし、担当者にも好印象を残せます。ここではお礼メールのポイントを解説します。

送信のタイミングは早いほど良いです。理想は面談当日の夜か遅くとも翌日中には送るようにしましょう。担当者は面談後、内定者がどのように感じているか気にしています。早めにメールでお礼と前向きな感想を伝えれば、「面談は有意義だった」と知ってもらうことができ、企業側も面談の意義を再確認できるでしょう。

メールの宛先は、面談を担当してくれた人事担当者宛てに送ります。件名は「本日の面談のお礼(○○大学・氏名)」のように、一目で趣旨と自分の名前が分かるようにします。本文はビジネスメールの形式に則って簡潔にまとめましょう。以下にお礼メールの例文を紹介します。

件名:○○のご連絡(○○大学 △△)
○○株式会社 人事部 ○○様

お世話になっております。○○大学◯◯学部の△△と申します。
本日はお忙しい中、内定者面談の機会を設けていただき誠にありがとうございました。
面談を通じて御社の業務内容や求められるスキルについて理解が深まり、入社の意欲が一層高まりました。
私自身、入社までに○○のスキルを習得すべく努力し、御社に貢献できるよう精進して参ります。
引き続きご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

◯◯大学 ◯◯学部 ◯◯学科 4年 △△ △△(氏名ふりがな)
電話:080-XXXX-XXXX
メール:△△△@△△.ac.jp

上記は一例ですので、自分の言葉で構いませんが、感謝の気持ちと入社へ向けての前向きな姿勢は必ず伝えるようにしましょう。「面談のおかげで御社への理解が深まりました」「改めて入社したい気持ちが強まりました」などの一文を添えると、企業側も安心します。また「今後もよろしくお願いします」と締めくくれば、入社までのフォローに前向きな姿勢を示せます。

お礼メールを送ることで、企業側から返信が来ることもありますが、返信がなくても気にする必要はありません。大事なのは感謝の意思表示をすること自体です。他の内定者も送っている場合、自分だけ送らないと「マナーが欠けている」と思われる可能性もあります。逆に送っておけば「きちんとした学生だな」と良い印象に繋がるでしょう。社会人のマナーの一環だと捉えて、ぜひ実践してください。

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内定者面談を有効活用して不安を解消しよう

内定者面談は、就職活動の締めくくりとも言える重要なイベントです。多くの学生にとって、内定をもらえた時点で就活のゴールが見えてホッとするかもしれません。しかし、本当に納得して就活を終えるためには「どの企業に入社するか」を決め切るまで気を抜けません。内定者面談はまさにそのための場であり、企業と自分の相互理解を深める機会なのです。

面談の場では、選考中に聞けなかった疑問を解消したり、不安な気持ちを相談したりすることができます。疑問や不安をすべてクリアにして、晴れ晴れとした気持ちで入社を迎えましょう。企業側も「入社前に学生の不安をなくし、気持ちよく社会人生活をスタートしてほしい」と考えてくれています。そのために面談という場を用意してくれているのですから、ぜひ有効活用してください。

面談が終われば、いよいよ入社まであとわずかです。内定者面談で培った信頼関係を土台に、入社までの準備期間を有意義に過ごしましょう。疑問を残さず就活を締めくくれば、心置きなく卒業研究や卒業旅行など学生生活の最後の時間も楽しめるはずです。そして入社式の日には、自信と期待を胸に社会人として新たなスタートを切りましょう。内定者面談はその第一歩。ぜひ前向きな気持ちで、あなたの将来への大切な一日を実りあるものにしてください。リラックスして、健闘を祈っています!

   
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