思ってたのと違う…。入社後に感じるギャップを防ぐためのコツとギャップを感じた時の対処法

a gap between the pre-employment expectations and the actual work

新しい会社に入るとき、多くの人は少しの不安と、大きな期待を胸にしています。

けれども、いざ働きはじめてみると、少しずつ違和感を覚えることがあります。
たとえば、研修が始まって数日経ったころ、ふとこんな気持ちになることがあるかもしれません。

「思ってたよりも雰囲気が堅いな」
「聞いていた仕事内容とちょっと違うような気がする」
「この職場、本当に自分に合ってるのかな…?」

こうした気持ちは、決して珍しいものではありません。実際に働いてみると、説明会や面接ではわからなかったことがたくさん見えてきます。
会社の文化、上司との距離感、日々の業務の流れ、人間関係、評価の仕組み…。どれも、事前にイメージしていたものと少しずつずれていることがあるのです。

このコラムでは、そんな入社後のギャップがどうして起きるのか、そしてどうすれば前向きに乗り越えていけるのかを、一緒に考えていきたいと思います。

入社後ギャップとは?

入社後ギャップとは、就職や転職をして新しい職場で働きはじめたあとに、入社前に思い描いていたイメージと、実際の仕事や職場環境に違いを感じることを指します。

たとえばこんなケースです。

・明るく和やかな職場だと思っていたけれど、実際は静かで声をかけづらい雰囲気だった
・「やりがいのある仕事」と聞いていたのに、毎日同じ作業の繰り返しだった
・チームで協力して働くスタイルだと思っていたのに、個人主義の文化が強くて孤独を感じた

このように、「会社から聞いていた話」や「説明会・面接で感じた印象」と、「実際に働いてみた現実」にズレが生まれると、人は「こんなはずじゃなかった…」という気持ちになります。

このズレこそが、入社後ギャップです。

入社後ギャップは誰にでも起こる自然なもの

入社後にギャップを感じるのは、特別なことではありません。
新しい環境に飛び込むとき、すべてを正確に予測するのは難しく、どんなに丁寧に準備していても見えていなかった部分が必ず出てきます。

また、会社側も限られた時間の中で「自社の魅力」を伝えようとするため、伝えられる情報にはどうしても偏りが出やすいのです。

ですから、ギャップを感じること自体は悪いことではなく、「理想と現実を比べて、自分が本当に大切にしたいものに気づくチャンス」ととらえることもできます。

入社後ギャップと向き合うことがなぜ大切なの?

この「入社後ギャップ」にどう向き合うかで、その後のキャリアの方向性や、仕事に対する満足度が大きく変わってきます。

ギャップに気づかず我慢し続けてしまうと、ストレスが積み重なり、心や体に悪影響を及ぼすこともあります。
反対に、「どこでズレがあったのか」を理解し、「自分にとって本当に合う職場とは何か」を考えることで、より自分らしい働き方に近づくことができるのです。

Confused young asian girl.

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どんなときに「入社後ギャップ」を感じるのか?

入社してからしばらく経ったころ、ふと心に引っかかるような違和感を覚えることがあります。
それは、職場の空気だったり、仕事内容だったり、人間関係だったり。こうした「思っていたのと違う…」という感覚こそが、入社後のギャップなのです。

この章では、多くの人が実際に体験する「入社後ギャップの種類」について、よくある具体的なケースをいくつか紹介しながら、その背景を詳しく見ていきましょう。

入社後ギャップを感じる瞬間①:職場の雰囲気が違う

ギャップとして最もよく聞かれるのが、職場の雰囲気がイメージと違ったというケースです。

たとえば、会社説明会では笑顔の社員たちが和気あいあいと話していたり、ホームページでは「若手が活躍できる明るい職場」とアピールしていたのに、実際に働いてみると、職場は静かで会話がほとんどなく、淡々と仕事が進んでいる……そんなことも少なくありません。

これは決して会社が嘘をついているわけではなく、「見せたい顔」と「日常の顔」が違うという現象なのです。説明会などでは、会社として魅力的に見せようと努力するのは当然のことですし、参加する社員も広報担当だったり、比較的社交的な人が選ばれている場合が多いからです。

そのため、「自分が配属された部署の雰囲気」と、「会社として見せているイメージ」に違いがあっても、それは特別なことではないのです。

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入社後ギャップを感じる瞬間②:事前に聞いていた話と違う

次に多いのが、仕事の中身が事前に聞いていた内容と違うというギャップです。

たとえば、「お客様と直接関わる接客の仕事です」と聞いていたのに、実際に配属されたのは資料作成やデータ入力といった事務作業が中心の部署だったり、逆に「裏方のサポート役」と思っていたら、いきなりクレーム対応を任されたりすることもあります。

このようなギャップが起きる背景には、会社側が採用段階で伝えられる情報に限りがあることや、配属や業務の内容が変化しやすい業界であることが関係しています。

また、新入社員の場合、最初は「研修的な意味合い」も含めて、実務とは少し離れた業務を担当することもあるため、「思っていたキャリアステップと違う」と感じることも少なくないのです。

入社後ギャップを感じる瞬間③:人間関係がつらい

入社後のギャップの中でも、特にメンタル面に影響しやすいのが、人間関係のギャップです。

「みんな優しい」「面倒見のいい先輩が多い」と聞いていたのに、実際には先輩との距離が遠く、なかなか相談ができない。
あるいは、自分が大事にしている価値観や働き方が、周りと違っていると感じて孤独になってしまうケースもあります。

職場は一日の大半を過ごす場所ですから、人との関係がうまく築けないことは、大きなストレスになります。特に、新入社員は「まだ何もわからない自分」を支えてくれる人が必要な時期でもあるため、ここでギャップを感じると、「この会社でやっていけるのかな…」という不安が一気にふくらむこともあります。

このような人間関係のギャップは、「良い・悪い」ではなく、単に“相性の問題”や“期待との違い”であることも多いのです。

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入社後ギャップを感じる瞬間④:成長できる環境だと思えない

また、地味ですがじわじわ効いてくるのが、教育やサポートの体制が期待と違ったというギャップです。

たとえば、「研修がしっかりあると聞いていたのに、実際はすぐに現場に放り出された」「OJTと言われたけれど、教えてくれる人がとても忙しくて、ほぼ独学状態だった」などです。これは会社側の説明不足というよりも、「どこまでが“十分なサポート”と感じるか」は人によって違うため、受け手の感覚の差がギャップを生むことが多いのです。

自分にとっては「サポートが少ない」と感じても、周囲にとっては「自立のチャンス」と思っている場合もあります。こうしたズレが、入社後にじわじわと「ここ、合ってないかも…」という入社後ギャップや不安につながってしまうのです。

Frustrated business man with solid fist

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入社後に感じるギャップを防ぐには?

「入社してからギャップを感じたくない」
そう思う人は多いはずです。特に、就職活動や転職活動はエネルギーを使うものですから、「できるだけミスマッチを防ぎたい」と考えるのは自然なことです。

けれども、入社する前には見えにくいものがたくさんあります。
だからこそ、「入ってからのギャップ」をゼロにすることは難しくても、できるだけ少なくする工夫は可能です。

この章では、入社前にできる準備や心がけについて、具体的な方法とともに詳しく解説していきます。

入社する会社に対して具体的な質問をする

会社説明会や面接で話を聞いていると、つい「なんとなく良さそう」と感じてしまうことがあります。
でも、その“なんとなく”の印象だけで決めてしまうと、後から「思っていたのと違った」というギャップにつながる可能性が高くなってしまいます。

そこで大切になるのが、自分から積極的に情報を取りにいく姿勢です。

たとえば、面接の場では「聞きにくいかも…」と遠慮してしまうかもしれませんが、本当に知りたいことは勇気を出して質問することが大切です。
「この仕事で一番大変だと感じる瞬間はどんなときですか?」
「1年目の社員は、どんなスケジュールでどんな業務を担当していますか?」
このような具体的な質問をすることで、会社の実情が見えてくることがあります。

質問の仕方ひとつで、自分の本気度も伝わりますし、相手もより本音で答えてくれるかもしれません。
面接は「評価される場」ではなく、「お互いを知る場」だと考えると、聞きたいことを素直に聞きやすくなります。

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見学やインターンで“職場の空気”を肌で感じる

言葉だけではわからないのが「職場の雰囲気」です。
たとえば、同じ「風通しの良い会社」という言葉でも、人によって感じ方は大きく違います。

そこで有効なのが、実際に職場を訪れることです。可能であれば、会社見学や職場体験、短期のインターンシップなどに参加してみましょう。
そこでは、パンフレットには載っていない「リアルな会社の姿」が見ることができます。
社員同士の会話のテンポや表情、オフィスの空気感、話しかけやすさ…そういった“ちょっとした違和感”や“なんとなくのフィット感”は、実際に現場に足を運んでこそ感じられるものです。

短い時間でも構いません。「実際に働く場所を見る」という経験は、入社後ギャップを防ぐためにとても効果的です。

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SNSや口コミなどの第三者の意見も参考にする

最近では、就職・転職活動の際に口コミサイトやSNSで企業の評判をチェックする人も増えています。
「実際に働いた人の声が聞けるのはありがたい」という一方で、そこには注意すべき点もあります。

まず、インターネットに書かれている情報には、どうしても個人の感情が強く反映されていることがあるという点です。
良い評価だけでなく、悪い評価もその人の感じ方によって偏っている場合があります。
たとえば、ある人には「厳しい上司」でも、別の人にとっては「頼れる上司」だったりすることもありますよね。

ですから、口コミやSNSを見るときは「一つの声に影響されすぎないこと」が大切です。
複数の情報を照らし合わせて、共通しているポイントに注目することで、より客観的に会社の特徴をつかむことができます。

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事前に自分の軸をはっきりさせておく

そして、もっとも大事なのが、自分自身を知ることです。
就職活動ではつい、「評判が良い会社」「有名な企業」などを基準に選んでしまいがちですが、本当に大切なのは、「自分にとって合うかどうか」です。

たとえば、

・自分はどんな働き方が好きなのか(チームプレー?個人で黙々?)
・仕事に何を求めるのか(安定?やりがい?成長?)
・どんなときにやる気が出て、どんな環境ではつらくなるのか

こうした自分の価値観や働き方の好みを言語化しておくことで、会社選びがぐっと明確になります。

「自分の軸」がしっかりしていれば、企業説明会で受け取る情報にも振り回されにくくなりますし、結果的に入社後のギャップも少なくなるのです。

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それでも入社後にギャップを感じたときの対処法

どれだけ事前に準備をしていても、やはり「実際に働いてみないとわからないこと」はたくさんあります。
職場の雰囲気、人との相性、仕事内容の細かな違い…。そうしたリアルな部分に初めて触れたとき、「あれ?なんか違うかも」と感じるのは、むしろ自然なことです。

では、入社後にギャップを感じてしまったとき、どう向き合えばいいのでしょうか?
ここでは、「心の整理のしかた」や「前向きに乗り越えるヒント」を、いくつかの視点から丁寧にお伝えしていきます。

「違和感を感じた自分」を否定しない

ギャップに気づいたとき、多くの人が真っ先に考えてしまうのが、「自分の努力が足りないのかもしれない」「こんなことで悩むなんて、まだまだ甘いのかな…」というような、自分を責める気持ちです。

でも、それは違います。
違和感を覚えるというのは、それだけ自分が仕事や職場に真剣に向き合っている証拠です。
そして、その気持ちに気づけるのは、「自分の理想」や「大切にしたい価値観」をちゃんと持っているからこそなのです。

だからこそ、まずは「そう感じた自分」を否定しないことが、とても大切な第一歩になります。
「今、ちょっとつらいな」「少しイメージと違ったな」
そう思ったら、無理に笑顔を作らなくてもいいのです。静かに心を見つめる時間を、自分に許してあげましょう。

上司や友達など頼れる人に相談してみる

心の中でモヤモヤが広がっているとき、一人で抱え込んでしまうと、どんどん不安が大きくなってしまいます。
そんなときは、誰かに話すことが、とても大きな助けになります。

身近な信頼できる先輩や、気軽に話せる同期、時には家族や友人でもかまいません。
話すことで、「あ、自分が思い込みすぎていたのかも」「他の人も同じように感じてたんだ」と、客観的に自分の状況を見つめ直すことができるようになります。

また、社内に相談しづらいと感じたときは、外部のキャリア相談やカウンセリングを活用するのも一つの手です。
「自分の気持ちを言葉にする」ことだけでも、心の整理が進むものです。

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自分のモヤモヤを紙に書き出して「見える化」する

自分の中の違和感を明確にするために、ノートやメモに「今の気持ち」を書き出すのも効果的です。
「何が不満なのか」「どうしてそう感じているのか」「本当はどうなってほしいのか」――文字にして整理することで、気持ちが落ち着き、次の一歩が見えやすくなります。

たとえば、以下のような視点で書いてみると、自分の本音が見えてくることがあります。

・入社前に期待していたこと
・実際に働いて感じていること
・ギャップを感じる具体的な場面
・自分にとって「これだけは譲れないこと」

こうした作業は、感情を冷静に見つめるうえでも有効ですし、自分にできる小さな改善策が見えてくることもあります。

小さな工夫で、職場との距離が変わることも

入社後ギャップを感じたからといって、「すぐに辞める」必要はありません。
大きく状況を変える前に、小さな行動を試してみることで、見える景色が変わることもあります。

たとえば、

・あいさつを少しだけ明るくしてみる
・周囲の人の仕事の進め方をよく観察してみる
・わからないことを質問する勇気を持ってみる
・一つの仕事を丁寧にやりきってみる

そんな些細な工夫が、職場の人との距離を縮めたり、自分の中に小さな達成感を生んだりします。
「仕事が向いていない」と思っていたのに、やっていくうちに「案外好きかも」と感じることも、決して珍しくはありません。

転職することも選択肢に入れる

それでもどうしてもつらい、苦しい、気持ちが晴れない…そんなときは、転職や異動を選ぶことも間違いではありません。

社会に出ると、「一度入った会社は簡単に辞めるべきではない」という考え方を聞くこともあります。
もちろん、すぐに決断するのではなく、慎重に考えることは大切です。

でも、今いる場所だけが「正解」ではないということも、覚えておいてほしいのです。

職場との相性、仕事との相性、人との相性。どれも、“縁”のようなものがあり、自分の力ではどうにもならないこともあります。
「この会社が合わなかったからダメ」なのではなく、「今の自分には合わなかった」というだけの話なのです。

転職は、「逃げ」ではなく「見つけなおす選択肢」。そう考えれば、自分を責める必要はありません。

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入社後ギャップは“成長のきっかけ”かもしれない

入社後にギャップを感じるのは、決して悪いことではありません。
それは、「理想と現実を比べて、自分の気持ちにちゃんと向き合っている証拠」だからです。

もしかすると、ギャップを感じたその瞬間が、自分が何を大事にしたいのかを見つけるきっかけになるかもしれません。
そして、そこから自分にとっての「働きやすさ」や「自分らしい仕事」を探す旅が始まるのです。

「思ってたのと違った」
そう感じたあなたは、決して間違っていません。むしろ、それに気づけたことが、これからの人生にとって大きな一歩になるはずです。

今、悩んでいる人がいたら、どうか自分を責めず、少しだけ立ち止まって深呼吸してみてください。
そして、一歩ずつ、自分のペースで前に進んでいきましょう。

あなたの未来は、今ここから、いくらでも変えていけるのですから。

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