成功するための企画書の書き方は?企画書を書く構成のコツや企画書を書く時に意識したい3つのこと

How to Write a Successful Proposal

どんなに素晴らしいアイデアがあっても、それをうまく伝えることができなければ、相手には届きません。
企画書は、あなたの考えや計画を「見える形」にして、上司や仲間、クライアントにわかりやすく伝えるための大切な道具です。

でも、「どう書けばいいの?」「書いてみたけど、うまく伝わらない…」という不安を持つ人も多いのではないでしょうか?
このコラムでは、企画書に慣れていない方や、もっと上手に書けるようになりたい方に向けて、わかりやすく・伝わる企画書の書き方を、実例やポイントとともに紹介していきます。

目次

企画書とは何か?

企画書は「やりたいこと」を伝えるための“設計図”

企画書とは、「こんなことをやってみたい」「この方法で課題を解決できる」というアイデアや提案を、関係者に向けて具体的に説明する文書です。
つまり、自分の頭の中にある考えを、相手に「わかりやすく」「納得してもらえる形」で伝えるためのツールなのです。

例えば、こんな場面を想像してみてください。

・学校で文化祭の新しい企画を提案するとき
・会社で新商品を開発したいと上司に伝えるとき
・地域のイベントを開催したくて、役所に協力をお願いするとき

いずれも、「やりたいこと」があるだけでは人は動いてくれません。
なぜやるのか、どうやってやるのか、それは本当に意味があるのかという点を、しっかりと説明する必要があります。そのために作るのが、企画書です。

企画書はただのメモではない

「アイデアがあるんだから、口で説明すればいい」と思うかもしれません。でも、実際はそれだけでは足りません。

口頭の説明は、人によって聞き方が違いますし、言い忘れや誤解も起きやすいです。
企画書は情報を整理し、誰が読んでも同じ内容が伝わるようにするという意味でも、とても重要です。

「Successful Proposal vs. Unsuccessful One」 Description: A side-by-side comparison of two proposals: one is neat, organized, and data-driven; the other is vague and messy.

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【企画書の書き方】企画書を書く時に意識する3つのこと

企画書には、次の3つのポイントがそろっていることが求められます。

企画書を書く時に意識すること①: 目的が明確であること

この企画が「なぜ必要なのか」をはっきりさせることが大切です。たとえば、「売上を上げるため」なのか、「お客様の不満を解消するため」なのか。目的があいまいだと、どんなに立派な計画も説得力を持ちません。

企画書を書く時に意識すること②:計画が具体的であること

「やる気がある」だけでは企画は通りません。どこで、いつ、誰が、どのように進めていくかという流れが、しっかりと書かれている必要があります。スケジュールや必要な人数、リソース、予算などもここに含まれます。

企画書を書く時に意識すること③: 説得力があること

「これは本当に実現できるのか?」「やる価値があるのか?」と思われるかどうかが、企画書の評価を左右します。そのためには、データや過去の実績、他社の事例など、根拠となる情報を盛り込むことが必要です。

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【企画書の書き方】企画書に欠かせない7つの要素

企画書には、最低限入れておきたい「基本の項目」があります。これをおさえることで、内容の抜け漏れを防ぎ、説得力のある構成になります。

それぞれの項目には役割があるので、意味を理解してから書くのが大切です。

企画書に欠かせない要素①: 目的(この企画で何を実現するのか)

企画の「出発点」とも言える部分です。読み手が最初に確認するのもここ。なぜこの企画を立ち上げるのか?何を達成したいのか?を明確に伝えましょう。

悪い例:「みんなが楽しめるイベントをしたい」

良い例:「地域住民の交流を促進するため、月1回の体験型イベントを開催し、参加者数を3ヶ月で300人以上にすることを目指す」

目的には、「解決したい課題」「達成したい目標」が、数字や具体的な言葉で含まれているとベストです。

企画書に欠かせない要素②: 背景(なぜこの企画が必要なのか)

今の状況や課題、企画を立てるに至った理由を説明します。「現状こういう問題がある」「社会や業界ではこういう動きがある」といった事実に基づいた情報を書くことで、企画の「必然性」が伝わります。

「コロナ禍以降、地域イベントの開催数が前年比40%減少。住民のつながりが希薄化している」
「自社の主力商品は10代向けだったが、30代以上の層からも関心が寄せられているという調査結果が出た」

こうした背景を書くことで、「なるほど、それならこの企画が必要だね」と納得してもらえる土台ができます。

企画書に欠かせない要素③: 対象(誰のための企画か)

企画が向いている相手=「ターゲット」を明確にします。年齢、性別、ライフスタイル、職業、地域など、具体的に書きましょう。
もしターゲットが曖昧だと、企画の方向性もぼやけてしまいます。

悪い例:「多くの人に楽しんでもらいたい」

良い例:「20代の社会人女性、SNSを活用している層。平日の仕事帰りに短時間で参加できるイベントを希望している」

対象を明確にすることで、「その人たちに刺さる企画」が作れるようになります。

企画書に欠かせない要素④: 戦略・コンセプト(どうやって進めるか、何が強みか)

ここでは、「どういう方向性でこの企画を進めるのか」、そして「自分の企画のどこが他と違うのか」を書きます。
コンセプトとは、企画の「核」となる考え方です。

「SNSとリアルイベントを組み合わせたハイブリッド型の展開で、幅広い層にリーチする」
「他社にはない、地元食材を使ったオリジナルメニューで差別化する」

「なぜこの方法なのか?」「それが効果的な理由は?」という問いに答えられると、説得力がグンと増します。

企画書に欠かせない要素⑤: 実施計画(いつ、どこで、何をどうするか)

実際に「この企画をどうやって動かすか」を説明する部分です。
スケジュール、場所、関係者、役割分担、必要な物資・人員など、できるだけ現実的で、具体的に書くのがポイントです。

例えば、

「準備期間は1ヶ月。〇月〇日からスタッフ募集を開始」
「イベント会場は駅前の○○ホールを使用。すでに仮予約済み」
「当日はスタッフ10人を配置。役割分担表あり」など。

机上の空論ではな、本当に実行できるのか?が伝わるようにしましょう。

企画書に欠かせない要素⑥: 予算(どのくらいお金がかかるか)

この企画にかかるお金はいくらなのか、そして、そのお金をどうやって準備するのかを示します。費用の内訳をできるだけ具体的に書きましょう。

会場費:50,000円
広告宣伝費:30,000円(チラシ印刷・SNS広告)
人件費:60,000円(スタッフ10名×日給6,000円)
合計:140,000円

さらに、「費用対効果」も意識しましょう。かかった費用に対して、どのくらいのリターン(効果や収益)が見込めるのかを一緒に伝えると、説得力が高まります。

企画書に欠かせない要素⑦: 効果測定(成功かどうか、どう判断するか)

この企画が成功したかどうかを判断するための「指標」を用意します。

「イベントの参加者数300人以上」
「アンケートで満足度80%以上」
「公式サイトのアクセス数が月間10,000件を超えたら成功」など。

こうした具体的な数字を設定することで、企画の成果が測りやすくなり、改善もしやすくなります。

「Final Presentation of a Proposal」 Description: A confident presenter showing a completed proposal on a screen in a business meeting setting, with charts and bullet points.

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【企画書の書き方】 実際の書き方と構成のコツ

どんなに内容が良くても、読みにくい企画書は相手に届きません。読みやすさ・わかりやすさも、企画書の実力のうちです。

【企画書の書き方】基本的な構成(おすすめの順番)

表紙

タイトル、日付、作成者名。シンプルでOKですが、タイトルは「読みたくなる工夫」をしましょう。

概要(サマリー)

企画の目的、対象、内容を一目でわかるようにまとめます。ここだけ読んでも全体がつかめるように。

詳細

背景、戦略、実施計画、予算、効果測定などを順に説明。

まとめ・今後の展望

期待される効果や、次のステップへの提案など。最後に前向きな一言を添えるのも効果的です。

【企画書の書き方】書くときの3つのコツ

・文章は短く、区切る。
1文が長くなりすぎないようにし、見出しや段落で区切りましょう。

・数字と具体例を使う。
「たくさん」より「約300人」、「すぐ」より「2週間以内」など、数字があると伝わりやすくなります。

・視覚的な工夫も忘れずに。
図、グラフ、表、アイコンなどを取り入れると、パッと見て内容がつかめます。

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【企画書の書き方】伝えるだけでなく「共感」も大切

良い企画書は、ただの「説明書」ではありません。読む人の心に「響く」ことが大切です。そのために必要なのが、「共感を生む視点」です。

たとえば、

「近年、地域の人とのつながりが薄れ、『誰にも頼れない』という不安を抱える人が増えています。私たちの企画は、そんな人たちに“集まれる場所”を提供するものです。」

このように、課題を読み手の立場で描くことで、企画の意義が伝わりやすくなります。

第三者からのフィードバックも活用しよう

企画書は、書いて終わりではありません。他の人の視点を取り入れることで、質がぐんと高まります。

・同僚や先輩に読んでもらう
-「どこが分かりにくかったか?」を聞いてみる

・読み手が「どんな疑問を持つか?」を意識して修正する

そうすることで、「伝えたつもり」ではなく、「本当に伝わる」企画書が完成します。

「What is a Project Proposal?」 Description: A simple visual showing a person presenting an idea using a document labeled “Project Proposal,” with arrows pointing to keywords like “Purpose,” “Plan,” and “Target.”

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【企画書の書き方】評価される企画書とは?

企画書は、自分のアイデアを相手に「どうでしょうか?」と提案するものです。そして、読み手は、企画書を通じてこう考えています。

「この企画、ほんとうに実現できそう?」
「うちにメリットあるの?」
「リスクは大丈夫かな?」

つまり、評価される企画書とは、「実現性」と「信頼感」がある企画書です。そのためには、次の3つのポイントを意識しましょう。

【企画書の書き方】(1)説得力があるか?

アイデアだけでなく、それを裏づける「根拠」がしっかりしているかがポイントです。

顧客アンケートのデータ
市場調査や業界の動向
過去の実績や成功例
競合との比較

こういった情報を使って「この企画には価値がある」と示すことが、企画書の信頼性を高めます。

例:「SNS広告の活用で、同業他社では1ヶ月でフォロワーが5,000人増加した実績がある」など。

【企画書の書き方】(2)具体的か?

ふわっとした表現ではなく、「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「どうやってやるのか」をはっきり書くことが大事です。

たとえば、「来月中に実施予定」ではなく、「5月15日から6月14日の期間で、○○市内の3会場で実施する」など、読み手がイメージできるように細部まで書くことで安心感を与えられます。

【企画書の書き方】(3)実現可能か?

企画がどれだけ魅力的でも、予算や人手が足りなかったり、スケジュールが無理だったりすれば、評価は下がってしまいます。

読み手は、こう考えます。

「この企画は、ちゃんと回るのか?」
「リスクやトラブルへの備えはあるか?」

予算や人材、時間といった“リソース”に対して、現実的な計画になっているかを確認しながら書きましょう。

【企画書の書き方】 セルフチェックで完成度アップ!

企画書が一通り書けたら、以下のチェックリストで確認してみましょう。

・目的が明確で、読み手にとってのメリットがあるか?
・実施内容やスケジュールが具体的か?
・読み手の疑問や不安に答えられているか?
・数字やデータに基づいた根拠があるか?
・楽観的すぎる部分や、曖昧な表現がないか?

このチェックを通すだけで、読み手が「これはしっかり考えられてるな」と思える企画書になります。

A young woman or student sitting at a clean desk, writing with a pen in good posture. The desk is well-lit with a small lamp, and the writing hand is relaxed, showing good pen grip and a peaceful mood.

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伝わる企画書は「具体性 × 共感力」

ここまで読んでいただきありがとうございました。最後に、企画書作成のポイントを改めてまとめておきましょう。

企画書は「設計図」

企画書は、ただのアイデア紹介ではありません。相手に「これは実現できる」「価値がある」と思ってもらうための設計図です。

成功のカギは「具体性」と「共感力」

・数字や根拠を使って、内容を具体的にすること
・読み手の立場に立って、「これは自分の役に立つ」と思ってもらえるように書くこと

この2つがそろってはじめて、「伝わる」企画書になります。

最初から完璧を目指さなくてOK

企画書づくりに慣れていないうちは、うまく書けないのが普通です。でも大丈夫。大切なのは、書いて、見せて、直していくこと。

まずは身近なアイデアで企画書を1枚作ってみましょう。友人や同僚に読んでもらってフィードバックをもらえば、自然と力がついていきます。

次のステップ

・気になっているテーマで、簡単な企画書を1つ作ってみよう
・成功した企画書をマネしてみることからスタート
・フォーマットやテンプレートを使って、まずは形にしてみる

企画書は、書けば書くほど上達します。あなたのアイデアを、形にする力を育てていきましょう!

   
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