入社して間もないのに、「もう辞めたいかも」と感じてしまうことは、決して珍しいことではありません。
特に試用期間中は、環境や仕事に慣れないことも多く、悩んでしまう人も多いでしょう。
このコラムでは、「試用期間中に退職したい」と考えたときに知っておきたい基本的なルールや、退職の手順、メリット・デメリットまで、やさしく丁寧に解説していきます。
1. 試用期間中に退職したくなったら、どう動けばいい?
職場での人間関係や仕事内容に違和感を感じたり、体調を崩してしまったり…。入社して間もない「試用期間中」に、すでに「辞めたい」と思ってしまうことは、決して珍しいことではありません。でも、「もう辞めてもいいの?」「どうやって伝えたらいいの?」と不安を抱えている方も多いはずです。
ここでは、試用期間中に退職したいと思ったときに、まず知っておいてほしい基本的なことを一つひとつ解説していきます。
1.1 試用期間って、そもそも何のためにあるの?
「試用期間」と聞くと、「会社が私を一方的に試している期間なんじゃないか」と感じてしまう人もいるかもしれません。確かに、企業側が「この人は本当にうちで働き続けられる人材かな?」と見極める意味もありますが、働く側にとっても“見極めの時間”なんです。
たとえば、面接のときには感じなかった社風の違い、実際にやってみると合わない仕事内容、上司との関係がうまくいかないなど、働いてみないとわからないことはたくさんあります。だから試用期間は、「この会社で長く働いていけるかどうか、自分に合っているかを見極めるための両方向の確認期間」と考えるといいでしょう。
試用期間は、多くの企業で入社から3か月〜6か月程度が一般的ですが、会社によって期間の長さや取り扱い方は少しずつ違います。「正式採用の前段階」といっても、雇用契約は成立しているので、労働者としての権利(たとえば給料や有給休暇など)も基本的に守られています。
1.2 試用期間中でも退職したいときは、2週間前までに伝えよう
退職する場合、いちばん大切なのは「いつ、どうやって伝えるか」というタイミングです。
日本の法律(民法)では、退職したい日の2週間前に伝えれば、労働者は退職できると定められています。これは試用期間中でも同じです。よくあるのが、「会社のルールで“退職は1か月前までに言うこと”と書いてあるけど…それでも2週間で辞められるの?」という疑問です。
結論から言うと、法律が優先されるので、会社の就業規則よりも民法が上になります。そのため、会社に申し出てから2週間が過ぎれば、基本的には辞めることができるのです。ただし、現実的には、引き継ぎや業務の整理などで迷惑をかけないように、できるだけ早めに伝えるのが社会人としてのマナーです。
「なるべく円満に退職したい」と思う方は、2週間より前に余裕を持って相談を始めると良いでしょう。
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1.3 どうしてもつらい場合は、即日退職もできることがある
「2週間も待てない」「今すぐ辞めないと限界…」という人もいるかもしれません。たとえば、パワハラやセクハラを受けている、精神的に追い詰められている、身体を壊してしまったなど、深刻な状況では、試用期間中であっても即日退職(今日辞めます)が認められることもあります。
特に、医師の診断書が出ている場合や、働き続けることが危険だと判断された場合は、即日退職の正当な理由になります。
また、労働環境が法律違反(長時間労働、賃金未払いなど)にあたる場合にも、労働者の権利として「すぐ辞める」選択が許されるケースがあります。
ただし、いきなり退職するとトラブルになりやすいのも事実です。そういうときは、まず労働基準監督署や弁護士、あるいは退職代行サービスなどの専門家に相談するのが安心です。誰にも相談せずに勢いで辞めてしまうと、あとで後悔することもあります。
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1.4 働いた分の給料はもらえるの?
「こんな短期間で辞めたら、給料はもらえないのでは…?」と不安になる人もいます。
でも、ご安心ください。働いた分の給料は、必ず支払われます。
これは、試用期間中でも関係ありません。法律で、企業は労働者に対して「働いた分の賃金を支払う義務」があると決められているからです。たとえば、10日間だけ働いて退職した場合でも、その10日間分の給料はしっかり計算されて、支払われなければなりません。
また、月末まで働かなくても、働いた日数に応じて日割りで支払われます。
もしも「退職したから給料は出さない」と言われたら、それは違法行為です。
そのような場合も、労働基準監督署や専門家に相談すれば、しっかりと対応してもらえます。
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2. 試用期間中に退職することのメリット
退職という言葉には、どうしてもネガティブなイメージがつきまといがちです。
「途中で辞めるなんて無責任じゃないか」「すぐ辞めたらダメな人だと思われるのでは?」と、自分を責めてしまう人も少なくありません。
でも、試用期間中に「このまま働き続けるのは無理かもしれない」と感じたなら、それに気づけた自分をまずは認めてあげてほしいのです。
無理して続けるより、早めに決断することで得られるメリットもたくさんあります。
ここでは、そんな「早めに退職を決めることの良い面」を、詳しくお伝えしていきます。
2.1 無理に続けるより、ストレスを減らせる
仕事を始めてすぐの時期は、環境に慣れなかったり、覚えることが多かったりと、誰でも少なからずストレスを感じるものです。
でも、そのストレスが毎日続き、「職場に行くのがつらい」「朝起きるのが怖い」と感じるようになったら、無理をしないことがとても大切です。
とくに試用期間中は、まだ正式な契約社員や正社員になっていないケースも多いため、辞めることへの心理的なハードルも比較的低い時期です。
この段階で「ここは自分に合わない」と判断できたなら、早めに退職を決めることで、心と体を守ることができます。
たとえば、こんなサインがあるなら注意が必要です。
・週末も仕事のことばかり考えてしまって落ち着かない
・食欲がなくなったり、夜眠れなくなったりしている
・上司や同僚の言葉がずっと頭から離れない
こういった状態が続くと、心の病気につながることもあります。うつ病や適応障害と診断され、長期間の休職が必要になるケースも少なくありません。
「仕事を続けること」が必ずしも正解ではなく、自分の健康を第一に考えることが、いちばん大事な選択になることもあります。
早めに決断することで、心と体のダメージが少なく済む。それが試用期間中に退職する大きなメリットのひとつです。
2.2 「第二新卒」という強みを活かして、再スタートを切れる
もしあなたが20代で、社会人経験が浅いのであれば、「第二新卒」として転職活動を行えるチャンスがあります。
これは、多くの企業が「若手人材を育てたい」という思いで、入社から数年以内の人を対象に積極的に採用している制度や傾向のことです。
「第二新卒って、すぐ辞めた人を採用してくれるの?」と思う方もいるかもしれません。
でも実際には、多くの企業がこう考えています。
「社会人としての基本は知っているけど、まだ若くて柔軟性もある。うちの会社のカラーに染めやすい人材だ」
つまり、「ポテンシャル採用」として、“これからの伸びしろ”に期待してくれるのです。
たとえば、「前職ではこういう理由で早期退職しましたが、その経験を通じて自分に合う環境や働き方について気づくことができました」と、自分なりの学びを伝えることができれば、それは立派なアピール材料になります。実際、第二新卒の求人は多く、営業職、事務職、IT系、販売職など、幅広い業種で採用のチャンスがあります。特に未経験OKの求人も多いため、キャリアチェンジをしたい人にとっても有利なタイミングです。
早く辞めたことを「失敗」ととらえるのではなく、それを「気づき」として前向きに転職活動を進められれば、新しい職場でのチャンスはしっかり広がっていきます。
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3. 【知っておきたい】試用期間中に退職するリスク
「もう無理…」と感じて試用期間中に退職を考えることは、悪いことではありません。自分の心や体を守るために、早く行動するのは大切なことです。
でも、退職する前に少しだけ立ち止まって、「辞めた後にどんな影響があるのか」も知っておくことが大切です。
あとになって「もう少し考えてから決めればよかった…」と後悔しないためにも、退職する前にリスクをしっかり理解しておきましょう。
3.1 次の転職で「すぐ辞めた人」と見られるかも
試用期間中に退職すると、在職期間が数週間や1〜2か月と、とても短くなってしまいます。すると、次に就職活動をするとき、履歴書や職務経歴書にその短期間の経歴を書くかどうかを悩む人も多くなります。
仮に書いたとして、面接でほぼ確実に聞かれるのがこの質問です。
「どうしてそんなに早く退職したんですか?」
採用担当者は、「すぐに退職する人なのでは?」「うちに入ってもまたすぐ辞めてしまうのでは?」と心配することがあります。
とくに、入社して数か月で退職した事実だけを見ると、「忍耐力がない」「適応力が低い」といったマイナスの印象を持たれてしまう可能性があります。
もちろん、本当に合わなかったり、健康上の理由があったりした場合は仕方のないことです。しかし、その理由をきちんと整理して、前向きに説明できるかどうかがとても重要になります。
たとえば、「仕事内容が想像と大きく異なり、自分の強みを活かせる環境ではないと感じたため」「働く中で、自分の適性や価値観に気づくことができ、方向性を見直したいと思った」など、しっかり言葉にできれば、採用担当者の印象も変わります。
「早く辞めた」という事実だけでなく、「その後どう考えて、どう動いたか」が評価されるポイントになります。
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3.2 経験やスキルが身につかないこともある
もうひとつのリスクは、実務経験がほとんど積めないまま退職してしまうということです。
会社に入ってすぐの時期は、研修やOJT(先輩からの実地指導)が中心で、まだ本格的な仕事を任される前の段階です。そのため、短期間で辞めてしまうと、専門的なスキルや知識が身につく前に退職することになります。
これは転職市場では「まだ何も学んでいない人」と見られてしまうことがあり、特に実務経験が重視される職種では不利になる場合があります。たとえば、IT系のエンジニア、営業職、専門職(設計・経理・広報など)では、「即戦力」が求められる場面も多いため、実績の少なさがネックになることもあるのです。
また、キャリアの面から見ても、短期間で職歴が切れてしまうと「空白期間」と見なされることがあります。特に1社目の退職が早すぎると、職歴に一貫性がなくなり、「何がしたい人なのか」「どこに向かっているのか」が伝わりづらくなる場合もあるのです。
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4. 試用期間中に退職するときの流れとマナー
「退職しよう」と決めても、いざ行動に移すとなると、どう始めたらいいのか迷ってしまう人も多いと思います。特に試用期間中は、まだ職場に慣れていないため、「上司に何て言えばいい?」「退職届ってどう書くの?」「引き継ぎって必要なの?」と、不安がいっぱいかもしれません。
ここでは、試用期間中に退職を決めたときの「基本の流れ」と「気をつけたいマナー」について、わかりやすくお伝えしていきます。
4.1 まずは上司に口頭で話をしよう
退職の意思が固まったら、まず最初にやるべきことは、直属の上司に口頭で伝えることです。メールやチャットで一方的に伝えるのではなく、対面か電話、またはビデオ通話など、できるだけ直接話せる方法を選びましょう。
話すときは、突然切り出すのではなく、
「少しご相談したいことがあるのですが、お時間をいただけますか?」
と、まずは落ち着いて話せる場を作ってもらうのがベストです。そして、静かな場所で面談のようなかたちで時間をもらい、
「色々と考えた結果、退職を希望しております。大変申し訳ありませんが、◯月◯日をもって退職させていただきたいと考えています」
と、丁寧に伝えましょう。
ポイントは、「辞めます!」と一方的に言い切るのではなく、あくまで相談する姿勢で伝えること。
たとえ短い勤務期間でも、お世話になった職場なので、礼儀を大切にすることで印象も良くなります。
4.2 退職届は必要?いつ出すの?
口頭での申し出が終わったら、次は書面で退職の意思を正式に伝える「退職届」を提出します。
会社によっては「退職願」や「退職届」などのフォーマットが決まっていることもあるので、上司や人事担当者に確認しましょう。
手書きが必要な場合と、パソコンで作成してPDFなどで提出するケースもあります。
一般的には、退職届には以下のような内容を記載します。
・退職の意思(例:「一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします」)
・自分の名前と押印
・宛名(代表取締役など)
提出のタイミングは、口頭での申し出を行って上司の了承を得たあとがベストです。いきなり退職届を渡すと、「話し合いの余地がないのか」と印象が悪くなることもあるため、順序は守りましょう。
「もうこんな会社辞めてやる!」退職を決意したとき、次に大切なのは「退職届」の準備です。退職届は会社に対して正式に退職の意思を伝える重要な書類です。初めて退職届を書く際には、どう書くべきか、どのタイミングで提出するべきか、不安に感[…]
4.3 引き継ぎと最終日までの対応をしっかりと
退職日までの期間は、会社にとってもあなたにとっても大切な時間です。特に、短期間であっても自分が行っていた仕事は、誰かが引き継ぐ必要があります。
「自分がやっていたことをまとめておく」「後任者が迷わないようにメモを作る」など、できる限りスムーズに引き継げるように準備しておきましょう。
もし仕事の量が少ない場合でも、メールの整理やファイルの分類など、自分にできる範囲で“最後まで責任を持つ姿勢”が大切です。
また、最終日が近づいたら、関わった人たちへの挨拶も忘れずに。直接会えない人にはメールでも構いません。
「短い間でしたが、大変お世話になりました」
「ご迷惑をおかけした部分もあったかと思いますが、感謝しております」
といった言葉を添えるだけで、退職後の印象がずっと良くなります。
最後まで誠実に対応すれば、「短い期間だったけど、きちんとした人だったな」という評価につながり、思わぬところで再会したときにも役立つかもしれません。
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5. 試用期間中のよくある退職理由とうまい切り出し方
試用期間中に退職を申し出るとき、多くの人が一番悩むのが「どう切り出せばいいか」「理由をどう伝えるか」ではないでしょうか?
正直に言うと相手を傷つけそうだし、かといってごまかすと不誠実な印象になるかも…と、葛藤があるのは当然です。
ここでは、よくある退職理由とその“伝え方のコツ”を紹介します。
5.1 職場の雰囲気が自分に合わなかったとき
実際に働いてみると、「この会社、なんだか居心地が悪いな」と感じることがあります。たとえば、上司と部下の距離感が極端に近い(または遠い)、体育会系すぎる雰囲気、逆にドライすぎる職場…など、「この空気感、自分にはちょっと合わない」と思うことは珍しくありません。
でも、「雰囲気が嫌でした」「合わなかったです」と直接的に言うと、相手はいい気持ちがしませんよね。そんなときは、言い方を少し工夫してみましょう。
おすすめの伝え方
「働く中で、会社の方針や価値観が自分とは少し異なると感じる場面があり、今後の成長を考えたときに、より自分に合った環境を探したいと考えるようになりました。」
このように「相手を否定せず、自分の視点で丁寧に説明する」ことが大切です。
5.2 実際の仕事内容が想像と違ったとき
「求人票では〇〇の仕事と書いてあったのに、実際は全く別の業務ばかり」「面接ではこう言われていたけど、現場は全然違った」こういうギャップを感じる人は、意外と多いものです。
でも、「話が違います!」と感情的に伝えてしまうと、トラブルになる可能性もあります。ここでも、冷静な言葉で“認識の違い”を伝えることがポイントです。
おすすめの伝え方
「業務内容に関して、入社前に想定していたものと実際の内容に違いがあり、自分のスキルや経験を十分に活かすことが難しいと感じました。」
相手を責めず、自分の立場から「合わなかった」と伝える姿勢が好印象につながります。
5.3 体調を崩してしまったとき
体の不調や精神的な疲れが原因で、「これ以上働くのが難しい」と感じることもあります。特に試用期間中は、緊張や新しい環境への適応で体に負担がかかりやすい時期です。
この場合、無理に働き続けることは避けるべきですし、退職理由としても理解されやすい内容です。ただし、あまり重い話に聞こえないように、やわらかく、でも真剣に伝えるのがコツです。
おすすめの伝え方
「健康上の理由から、今の状態では業務に十分に向き合うことが難しく、体調を整える時間が必要だと判断いたしました。」
もし診断書がある場合は、それを提示するとスムーズですし、必要以上に説明しなくても理解してもらえます。
5.4 家庭の事情でやむを得ないとき
育児や介護、家族の病気など、自分の力ではどうにもならない家庭の事情で退職を選ばなければならないこともあります。このようなケースも、きちんと事情を説明すれば、ほとんどの会社は理解を示してくれます。
ただし、細かいプライベートの事情までは説明しなくてもOKです。必要なことだけを、簡潔に伝えましょう。
おすすめの伝え方
「家庭の事情により、今の勤務体制を続けることが難しくなりました。ご迷惑をおかけいたしますが、家庭との両立を見直す必要があると判断いたしました。」
理由は「家庭の事情」としておけば十分ですし、相手もあまり深く追及してくることはありません。
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6. 試用期間中の退職に関するよくある質問
試用期間中に退職を考えるとき、「本当に辞めて大丈夫なのかな?」「あとで問題にならない?」といった不安がつきものです。
特に、法的なルールや、履歴書の扱い、転職活動への影響など、わからないことが多いと動き出しづらくなってしまいますよね。
ここでは、よくある3つの疑問に答えながら、安心して前に進めるようにサポートしていきます。
6.1 試用期間中に退職したら罰則はあるの?
結論から言えば、基本的に罰則はありません。
日本の労働法では、働く側の意思でいつでも退職できる「退職する自由」がしっかりと認められています。
具体的には、民法627条で「労働者はいつでも退職の申し入れをすることができる」と定められており、原則として退職の申し出から2週間経過すれば、会社の了承がなくても退職できるのです。
つまり、会社が「退職するのは困るからダメ」と言っても、法律的には退職する権利があるということです。
ただし、以下のような点には注意が必要です。
・雇用契約書に「一定期間の契約期間内は辞められない」と書かれている場合は、ケースによっては違約金などが問題になることも(ただし、違法な契約であれば無効になります)
・突然退職することで、職場に迷惑がかかるとトラブルに発展する可能性もあるため、丁寧な対応は必要
とはいえ、「辞めたら罰金が発生する」「損害賠償を請求される」といったケースは、ごくごくまれです。もし強く引き止められたり、不当な要求をされたりした場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することで、きちんと対応できます。
6.2 すぐ退職した会社も履歴書に書かないといけない?
これは多くの人が悩むポイントです。結論を言うと、基本的には書くのが望ましいとされています。
ただし、状況によっては「書かなくても問題にならない」場合もあります。
たとえば
・業務にほとんど関わっていないまま退職した
・実質的に試用期間中で、履歴として残るほどの勤務実績がない
このような場合は、履歴書に書かずに次の就職活動を進めても、法律違反にはなりません。とはいえ、企業側が「前職との空白期間があるな」と思って質問してくることは十分に考えられます。
そのときは、正直に、でも簡潔に理由を伝える準備をしておくことが大切です。
たとえば、
「短期間ではありましたが、業務内容と自分の適性に大きなギャップを感じたため、早期に退職を決断しました」
といったように、トラブルではなく、自己判断としての退職だったことを説明できれば問題ありません。
また、職務経歴書では省略し、面接で口頭説明するという対応も可能です。あくまで嘘はつかず、誠実に説明できるようにしておくことが信頼につながります。
6.3 面接で「なぜすぐ退職したの?」と聞かれたら?
これは、試用期間中に辞めた人がほぼ必ず直面する質問です。
この質問には「正直に答えてはいけない」というわけではありません。むしろ、きちんと説明できれば、評価を下げずに済むことも多いのです。
ここで大切なのは、以下の3つのポイントです。
② 自分の学びや気づきを交えて話す
③ 次はこうしたい、という前向きな姿勢を伝える
たとえば、こんなふうに答えると印象が良くなります。
「前職では、実際の業務内容と自分が想定していた内容にギャップがありました。早い段階で気づくことができたので、自分に合った仕事をもう一度しっかり見つめ直したいと考え、再スタートを決意しました。」
このように、「辞めたこと=失敗」ではなく、「辞めたこと=気づき」として話すことで、前向きな印象に変えることができます。
もちろん、理由が体調不良や家庭の事情だった場合も同じです。無理せず、でも責任感を持って対応したという姿勢を伝えることが大切です。
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7. 次は後悔しない転職をするためにできること
試用期間中に退職を経験すると、「もう二度と同じような失敗をしたくない…」という気持ちになるのは自然なことです。
でも、落ち込む必要はありません。大切なのは、“次”にどうつなげるかです。
ここでは、次の転職で後悔しないために、事前にできることや、転職活動の進め方について具体的に紹介していきます。
7.1 応募前にしっかり企業を調べよう
転職活動のスタートでとても大切なのが、「企業研究」です。名前が有名だから、給与が良いから、福利厚生が手厚いから…という理由だけで選んでしまうと、また「思っていたのと違った」と感じる可能性があります。
そこで、次のようなポイントをしっかり調べておくことをおすすめします。
● 社風や職場の雰囲気は、自分に合いそうか?
たとえば、上下関係が厳しい会社が苦手な人が、体育会系の社風の会社に入ってしまうと、ミスマッチになりやすいです。逆に自由すぎる環境が苦手な人は、放任主義の会社では不安を感じるかもしれません。
社員インタビューや企業のSNS、YouTube動画などからも、社風はある程度読み取れます。
● 実際の仕事内容はどうか?
「営業職」とひとくちに言っても、新規開拓がメインなのか、既存顧客フォローが中心なのかで、求められるスキルも働き方も違います。職種名だけで判断せず、業務内容の詳細を確認しましょう。
● 口コミサイトや現職者・元社員の声も参考に
企業口コミサイトでは、現職・元社員のリアルな声が見られます。もちろん、偏った意見もあるため鵜呑みにはできませんが、「実際の働き方」「残業の実態」「評価制度」などの雰囲気を知る手がかりになります。
● 応募する前に「ここで働く自分」を想像してみよう
最後に、「この会社で朝を迎えて、1日働いて、帰る…」そんな日常が想像できるかどうかも大切な判断材料です。少しでも「不安」「違和感」を感じたなら、もう少し調べてみるのもアリです。
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7.2 転職のプロに相談してみよう
転職活動をひとりで進めるのは、情報も多くて大変ですよね。そんなときこそ頼りになるのが、転職エージェントやキャリアカウンセラーの存在です。
● 客観的な視点から「あなたに合う企業」を提案してくれる
転職エージェントは、希望条件だけでなく、過去の経歴や性格、働き方のスタイルなどをふまえて、「この人に合いそうな会社」を探してくれます。自分では見つけられなかった企業と出会えるチャンスにもなります。
● 面接対策や履歴書添削もしてくれる
「すぐ辞めたことをどう話せばいい?」「履歴書の書き方がわからない」などの悩みにも、丁寧にアドバイスしてくれます。とくに、早期退職をどう説明するかは、プロのサポートを受けると安心です。
● 無料で使えるサービスがほとんど
大手の転職エージェントは、登録も利用も無料です。無理に勧めてくる担当者が合わなければ、変更することも可能です。
「自分にどんな職場が合っているのかわからない」という人ほど、客観的な視点を取り入れることで気づきが得られるはずです。
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8. 試用期間中でも自分の人生は自分で選んでいい
試用期間中に退職することは、確かに勇気のいる決断です。世間では「すぐ退職するのはよくない」という声もありますし、自分自身も「我慢が足りなかったのかな…」と悩んでしまうこともあるかもしれません。
でも、あなたの人生をどう生きるかを決めるのは、あなた自身です。
合わない環境で無理を続けて、心や体を壊してしまうくらいなら、早めに方向転換することは立派な“自己防衛”です。そして、その気づきを活かして、次の職場でより良いスタートを切ることができたなら、それは失敗ではなく**「前向きな選択」**です。
働くということは、単にお金を稼ぐ手段ではなく、自分の人生を豊かにするための大切な時間をどう過ごすかということでもあります。
「退職すること=逃げ」ではありません。
「退職すること=立ち止まって、自分にとって本当に大事なものを見つけるための一歩」です。
どうか、今回の経験を次につなげてください。そして、あなたが次の場所で、自分らしく働ける日が来ることを、心から願っています。