「留学って、本当に就活の役に立つのかな?」
「1年遅れるって、やっぱり不利になる?」
「就職に関係ないなら、時間とお金の無駄じゃない?」
留学を決めたものの、「本当に意味があるのか?」と不安なことってたくさんありますよね。せっかく留学するなら意味のないものにはしたくないはずです。
特に、就職活動や卒業のタイミングに影響するとなると、周りからの意見も気になりますよね。
こうした不安を感じるのは、決してあなただけではありません。多くの人が、同じように「留学」と「就活」の間で揺れています。このコラムでは、その迷いに寄り添いながら、「就活に役立たない留学は本当に意味がないのか?」を一緒に考えていきたいと思います。
「就活に直結しない留学=意味がない」という考え方の背景
留学という言葉には、本来とても広い意味があるはずです。たとえば、新しい文化に触れたり、視野を広げたり、自分自身を見つめ直すような体験ができる大きな機会です。でも、なぜか日本では「留学」と聞くと、「それって就活にどう関係するの?」とすぐに結びつけてしまう傾向があります。
その背景には、日本独特の就活文化や社会の価値観が関係しています。
【留学=意味がない」と言われる背景】
・「留年・休学=マイナス評価」とされがちな空気
・「留学=英語力・グローバル志向」という狭いイメージ
・「見える成果」が重視される就活の現実
意味がないと言われる理由①「留年・休学=マイナス評価」とされがちな空気
日本の新卒一括採用では、多くの企業が「大学を4年で卒業し、ストレートで就職する」ことを前提にしています
このため、休学や留年をしていると、「なぜ予定通りに卒業できなかったのか?」と理由を聞かれることが多く、少しでも説明が曖昧だと「この人は計画性がないのかな」と思われてしまうこともあります。
たとえ、留学という前向きな理由で休学したとしても、「1年遅れる=ちょっと変わってる」と見られてしまうことが、今でも少なくありません。もちろん、最近は多様なキャリアを尊重する企業も増えていますが、まだまだ“空白の時間”や“変則ルート”をネガティブに見る空気が根強く残っているのが現状です。
意味がないと言われる理由②「留学=英語力・グローバル志向」という狭いイメージ
留学経験があると、「じゃあ、TOEICは何点?」とか「グローバル企業に行きたいの?」という質問をされることが多いと思います。それだけ、日本では「留学=語学力アップ」「将来は外資系か海外勤務」といったイメージが強くなりすぎているのです。
でも、実際には、留学の目的は人それぞれ。たとえば、社会課題に興味があって途上国に行く人もいれば、アートや演劇を学びたい人もいます。必ずしも「英語が上手くなって帰ってくること」だけが成果ではないのに、語学力や志望企業とリンクしないと、「それって何のために行ったの?」と思われてしまうことがあるのです。
これは、留学を「スキルアップの手段」としてしか見ていない、ある意味とても狭い見方とも言えます。
意味がないと言われる理由③「見える成果」が重視される就活の現実
日本の就活では、「何を学んだか」よりも「どんな結果を出したか」が評価されがちです。
・インターンでプロジェクトを担当した
・TOEICが〇〇点になった
・成績が〇位だった
こうした「分かりやすい数字」や「目に見える実績」が重視されやすいため、留学中にどんなに大きな経験や気づきがあったとしても、それをうまく言葉で表現できないと、「特に何もしてない時間」と見なされてしまうことがあります。
特に、海外では「自分がどう成長したか」を重視する文化がありますが、日本の就活では「その経験をどう活かせるか」をロジカルに説明する力が求められます。ここにギャップがあり、「留学=無意味だった」と思われてしまうこともあるのです。
就活に意味のない留学は無駄なのか?
ここまで見てきたように、「就活に直結しない留学は意味がない」と言われてしまうのは、日本特有の就活文化や、評価のされ方の傾向が強く影響しています。
でも、少し考えてみてください。
人生の価値は、本当に就活の“結果”だけで決まるのでしょうか?
4年間、まっすぐ大学を卒業して内定をもらうことだけが、成功なのでしょうか?
答えは、きっと違います。
留学には、目には見えなくても、自分の考え方や行動に深く影響を与えるような“学び”がたくさんあります。それは、時間をかけて少しずつ育まれるもので、短期間で評価されるようなものではありません。
だからこそ、「目に見える成果」だけで留学の価値を判断するのは、あまりにももったいないことなのです。
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【留学は意味がない?】留学で得られる“見えにくい価値”とは?
留学というと、「英語が話せるようになる」とか「国際的な環境で学べる」といった、分かりやすいメリットばかりが注目されがちです。
でも実は、留学の本当の価値は、もっと深いところにあります。数字では測れないし、資格のように“見せる”ことも難しいけれど、自分の中にしっかりと根を下ろしていく、そんな経験が詰まっているのです。
ここでは、留学で得られる「見えにくいけど、確実に役立つ力」について、ひとつひとつ丁寧に見ていきましょう。
【留学で得られる“見えにくい価値”とは?】
・異文化の中で育つ“柔軟性”と“粘り強さ”
・自分の価値観の再発見
・言葉の壁を越えて人と関わる経験
・自分と向き合うことによる自己理解
異文化の中で育つ“柔軟性”と“粘り強さ”
日本で当たり前だと思っていたルールや常識が、海外では全く通じない。そうした場面は、留学生活の中で何度も出てきます。
たとえば、「授業で先生の話をさえぎって意見を言うのが普通」という文化に戸惑ったり、「電車が時間通りに来ない」「役所での対応がいい加減」など、日本との違いにストレスを感じることもあります。
でも、そうした“違い”に出会い、悩みながらも自分なりに対応していく中で、「じゃあどうすればうまくやれるだろう?」と考えるクセが身につきます。
このように、自分の考えや方法を一度疑い、相手に合わせてやり方を変えてみる。
そうした柔軟な思考や、「うまくいかなくてもまたやり直そう」と思える粘り強さは、社会に出てからとても大切な力になります。
自分の価値観の再発見
海外で暮らすと、日本とはまったく違う価値観にたくさん出会います。
例えば、「働くことよりも家族との時間を大事にする」人たちや、「将来の安定よりも、今を楽しむことを選ぶ」人たちがいることに気づいたとき、「自分は何を大事にしたいんだろう?」と、自然と考えるようになります。
そうやって、他の文化を知ることで、逆に自分が大切にしたい価値観や生き方が浮き彫りになってくるのです。
この「自分の軸」を見つける経験は、就活で志望動機を考えるときにも、社会に出て選択を迫られるときにも、大きな支えになります。
言葉の壁を越えて人と関わる経験
留学中は、言葉がスムーズに通じない場面がたくさんあります。最初は簡単なことすら説明できずに落ち込むこともあるでしょう。
でも、言葉だけに頼らず、ジェスチャーや表情、ゆっくり話す工夫、聞き返す勇気など、さまざまな工夫を重ねていくうちに、「どうすれば相手に伝わるか」「どうすれば相手の気持ちを理解できるか」を本気で考えるようになります。
これは、英語ができるかどうかとは別の問題です。
つまり、「自分の言葉で伝える努力」や「相手の立場で考える姿勢」が自然と身についていくのです。
こうしたコミュニケーション力は、どんな業種・職種でも求められる力であり、面接やチームでの仕事の中でとても大切になります。
自分と向き合って自己理解を深められる
知っている人が誰もいない場所に、たった一人で飛び込む。それは、とても勇気がいることです。でも、そのぶんだけ、自分で考え、自分で選び、自分で行動する力がどんどん育っていきます。
最初は「こんなこと、自分にできるかな」と不安に思っていたことも、やってみたら意外とできた、という経験を重ねる中で、「私はやればできるんだ」という自信が生まれてきます。
また、失敗や孤独を感じる瞬間にも出会うでしょう。そんなときに、「自分ってこういうときに弱いんだな」とか、「こういう場面では自分らしさが出るな」といった、自己理解も深まります。
これは、面接で「自分の強みや弱みを教えてください」と聞かれたときに、本当に自分の言葉で語るための大切な土台になります。
留学では見えないけど、社会で生きる力が身に付く!
これまで見てきたように、留学は「見えない力」を育てる時間です。
TOEICの点数や資格のように履歴書には書けないかもしれない。でも、それは確実に、あなたの内側で育っていきます。
そして社会に出たあと、本当に頼れるのは、こうした「目には見えないけど、自分の中にある力」なのです。
・相手の立場に立って動ける共感力
・自分の言葉で想いを伝えられる力
・新しい環境に飛び込む勇気と行動力
それらはすべて、留学を通じて育まれる“本物の力”です。
「就活に直結しないから意味がない」と思われがちな留学ですが、その中には、自分自身を大きく成長させる価値が確かにあります。
むしろ、その“見えにくい価値”こそが、これからの人生を支えてくれる一番の宝物になるのです。
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【留学は意味がない?】留学と就活の“時間差”をどう考える?
「留学に行くと、卒業が1年遅れるから不利になるんじゃないか」
「同級生たちは就活を終えて社会に出ているのに、自分だけ1年遅れるのが不安」
そう感じるのは、とても自然なことです。特に日本では、「ストレートで大学を卒業し、4月に一斉に社会に出る」ことが長い間当たり前のように思われてきたため、それと違う道を選ぶことに対して、不安や焦りを感じてしまいやすいのです。
でも、ここで一度、「留学は本当に就活で意味がないものなのか?」と立ち止まって考えてみましょう。
「早く就職する=成功」とは限らない
日本では昔から、「新卒一括採用」「定年まで同じ会社で働く」といったスタイルが主流でした。
そのため、「就職は一度きりで、早ければ早いほどいい」「卒業してすぐ就職しないと手遅れになる」というような考え方が根づいてきました。
でも、今の時代、その“常識”は少しずつ変わってきています。
・学び直し(リスキリング)やキャリアチェンジをする大人が増えている
・グローバルな経験や個性を評価する企業が増えてきている
つまり、キャリアのスタートラインは一つじゃないし、「早さ=正解」でもありません。
1年遅れることをネガティブに捉えるよりも、その1年を自分の意思で選び、どう過ごしたかが問われるようになってきているのです。
留学で得た“時間の価値”は、意味がないものにはならない
たとえば、1年間を使って異文化の中で自分を試し、壁にぶつかりながらも乗り越えてきた人と、流れに乗ってなんとなく就活を終えた人。どちらが魅力的でしょうか?
もちろん、どちらが正しいということではありません。
でも少なくとも、「自分で決断し、自分で行動した時間」というのは、どんな状況よりも強く、人の心に響きます。
就活が1年遅れたとしても、留学の1年間で得た経験や学びが、あなたの将来をしっかりと支える土台になるのなら、それは“時間をかけただけの価値がある”ということです。時間をどう使ったか。それが、社会人になってからの“厚み”をつくるのです。
多様なキャリアのかたちが広がる時代
今の時代、キャリアの形は本当に多様になってきています。
・大学を途中で辞めて、実践的なスキルを磨いて企業する人
・海外インターンやボランティア活動を経て、社会貢献系の仕事に就く人
・一度就職した後、30代で大学に入り直す人
このように、年齢やタイミングにとらわれず、自分のペースで人生を選ぶ人たちが増えています。そして、そうした生き方を評価する企業や社会の目も、確実に広がっているのです。
だからこそ、「同級生より遅れている」といった比較ではなく、「自分がどういう人生を歩みたいか」という視点でキャリアを考えることが大切です。
「社会のレールから外れる不安」は自由への第一歩
“普通”という言葉にとらわれて、「みんなと同じであること」を目指すのは、たしかに安心感があります。
でも、その安心は、ときに「自分らしく生きること」を妨げてしまうこともあります。
たとえ就職が1年遅れても、それは“レールを外れた失敗”ではありません。
むしろ、それはあなたが“自分の意思で選んだ経験”であり、一歩、自分の人生を歩き出した証拠です。
社会に出れば、もっと大きな決断や選択がたくさん待っています。
そのとき、誰かのレールに乗るのではなく、自分でレールを敷く力こそが、本当に必要なスキルです。
留学という選択は、まさにその第一歩なのです。
「周りと比べない」勇気が留学を意味のあるものに!
留学を選ぶと、どうしても「周りより1年遅れている自分」を気にしてしまうかもしれません。でも、周りと比べる必要なんて、本当はどこにもないのです。
社会に出たあとに求められるのは、「他人より早いか遅いか」ではなく、「自分の頭で考え、自分の足で進めるかどうか」です。
1年遅れるからこそ見える景色、出会える人、感じられることがあります。それは、「時間差」ではなく、“自分の時間を生きた証”とも言えるのです。
留学で就活が1年遅れること。それは不利でも、失敗でもありません。それは、あなたが自分の意思で選んだ、かけがえのない経験です。
世間の“正解”に合わせるのではなく、あなたにとっての「意味ある1年」にすること。それができたとき、就職のタイミングなんて、きっとどうでもよくなっているはずです。
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【まとめ】留学=意味がないことはない!
留学を前にして不安になるのは、それだけ真剣に未来を考えているからです。そして、その不安と向き合いながら、それでも挑戦しようとする姿勢こそが、何よりの成長につながります。
「就活に役立たないなら意味がない」と言う人はいるかもしれません。でも、あなたが本気でその1年を過ごせば、きっとその経験はあなた自身の言葉で「意味あるもの」にできるはずです。
大切なのは、「今この瞬間、自分が選んだ道にどう向き合うか」です。焦らず、でもしっかりと。留学という大きなチャンスを、あなたらしく活かしていってください。
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