「あなたは管理職になりたいですか?」
昇進して成長できる機会が得られるから、部下の育成に関われるから、責任の伴う大きな案件にもチャレンジできるから、など管理職になりたい人にはいろんな理由があると思います。
しかし、管理職になりたいと考えている若い人は減っています。
この記事では、管理職になりたくないと考えている理由などについて解説していきます。
管理職とは?
そもそも管理職とはどんなものなのか説明できますか?
「管理職」とは、そもそも企業の中の範囲内での業務においての権限を持っている人のことを言います。
一般的な呼称としては、「係長」、「部長」、「課長」と呼ばれる人たちが管理職に当たるとされています。
ほとんどの他の社員と比べて、上の立場にあたる役職なので、部下の人材育成を行うことや、経営層としての働きが期待されます。
役員との違いとしては、役員は企業全体を見ることが必要な役職ですが、管理職は、一定の業務や部門に対して責任を持つ立場です。その範囲内で結果を出すことが求められます。
また、一般社員との違いは、一般社員は個人で達成した仕事の成果を評価される立場ですが、管理職は、チームのメンバーが継続して成果を出せているかが求められます。個人よりも、チームのメンバーのパフォーマンスや売り上げが自分の評価につながります。
管理職になりたくない?!
「管理職になりたくない」という意見が、若い人を中心に増えていると聞きます。それは果たして本当なのでしょうか?
JMAMが2018年に行なった「JMAM管理職実態調査2018」で、一般社員に対して「管理職」という仕事に対する意識についてアンケート調査をしたところ、「管理職になりたくない」と回答した一般社員は、72.8%でした。
また、日本能率協会マネジメントセンターが2023年の4月にインターネットを用いて、同様のアンケート調査を行いました。一般社員に対して「管理職になりたい/なりたくない」でアンケートをとったところ、約77.3%の社員が「管理職になりたくない」と回答しました。
アンケートの調査結果から、7割以上の社員が「管理職になりたくない」と考えていることがわかりました。「管理職になりたくない」と考えている社員は今後も増えていく傾向にあるのかもしれません。
管理職になりたくない理由
では、管理職になりたくないと考えている人たちは、何が理由で管理職になりたくないのでしょうか。
管理職になりたくない理由を考えていきます。
仕事量や、残業時間が増える可能性
管理職としての能力が足りない
人間関係に対しての悩み
給与面でのメリットがない
そのためには、管理職になりたいと社員が思うような環境づくりを会社側は求められることもあります。
管理職になりたくない理由①:責任が重くなる
管理職になると、会社内での立場が上がります。その結果、会社内での業務に対しての責任が増えることにつながります。
管理職の責任というのは、プロジェクトを最後まで遂行できるように管理する責任だったり、問題が起こった際に対処する責任だったり、なにか大きな問題が起こった際に給与が減らされたり、会社でのポジションが下がったりするなどの責任があります。
しかし、管理職でない場合は、自分がミスを起こしたとしても、上司がカバーしてくれることがほとんどですが、管理職になると、部下が起こしたミスを、カバーする側に回らないといけなくなります。
このように、管理職になると仕事が増えたり、求められる責任が重くなってしまいます。
管理職になりたくない理由②:仕事量や、残業時間が増える可能性
現代の若い世代の傾向として、「プライベートの時間を重視する」というものがあります、
リクルートキャリアが行なった「若手の中途採用・転職意識の動向」の調査によると、仕事選びの際に、「プライベートの時間が確保できるか」を見ている人が増えている傾向が見られます。
つまり、出世をしてバリバリ働きたいという考え方から、管理職にならずに自分のプライベートの時間を確保しながら働いていきたい、趣味に使えるじ時間があったり、友達との時間を大切にしたいと考えている人も多くなっています。
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管理職になりたくない理由③:管理職としての能力が足りない
自分は、管理職としての能力が足りない、向いていないと考える人は、管理職になりたくないと思っていると思います。管理職は部下や上司とのコミュニケーションが欠かせません。
また、仕事として大きな決断を任せられたり、チームを引っ張るリーダーシップを発揮しないといけないことなど、管理職にはさまざまな能力が求められます。そういう能力を求められた時に、自分は管理職をできない、やりたくないと感じてしまう人もいるでしょう。
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管理職になりたくない理由④:人間関係に対しての悩み
管理職は、いわゆる経営者側の上司と、労働者側の部下の間に立つ存在です。はっきり言って、両方の意見を同時に聞いて現場で実践していくことはとても難しいことです。そのため、上司と部下のあいだで管理職が板挟みになってしまうこともしばしばあります。
例えば、経営者側は、もっと売り上げを上げるためにコストダウンできる施策を考えて、管理職から現場に押落とし込んでいきます。しかし、現場側は、今までと同じクオリティを保証できない、これ以上のコストダウンは現場から見ても現実的ではないと管理職に抗議します。この場合、一番大変なのは、板挟みになっている管理職です。結果的に、人間関係に悩んでしまったりして精神的に疲弊している管理職をみた、下の人間は管理職になりたくないと思うのは、当然かもしれません。
「仕事」と「プライベート」を完全に切り離して考える人が多くなっている中、職場に友達が必要かどうか悩んでいる人も増えてきています。もちろん職場で同僚と友達関係になることは、仕事に対する満足度や意欲を高めるために必要なことかもしれません[…]
管理職になりたくない理由⑤:給与面でのメリットがない
管理職になると、年収が減ってしまうということがあります。
基本的には管理職に昇格すると、立場が上になったり責任が重くなる分基本給が上がったり、役職によっては手当がついたりして、給与が上がることが一般的です。
しかし、管理職のデメリットとしては、会社からの残業代の支払いがなくなることがあります。業務量が増えて、残業が長引いてしまうと、結局もらえなくなった残業代の方が大きくなり、給与面でのメリットを感じられないことがあるので、管理職になりたくないと考える人がいるのも事実です。
\\キャリアのプロに相談してみる//
管理職になるにはどんな能力が必要なのか?
管理職になりたくないという人がいる一方で、管理職に向いている人はどんな人なのでしょうか?
日々、技術の進歩によって仕事のやり方が変わって行ったり、社員の価値観が変わっていく中で、しっかりと変化に対応し、チームをまとめていける人間は管理職に向いているのかもしれません。
もちろんそれ以外にも管理職に向いている人が持っているスキルや能力について説明していきます。
自分自身も成長し、結果で示す能力
メンバーの持っているリーダーシップを引き出せる能力
今の時代に対応し、組織をマネジメントできる能力
先ほども触れましたが、今と昔では技術の進化や、価値観の変化が多く、今までのマネジメント方法では通じないこともあります。そのため、時代に適応したマネジメントをしっかりと行える能力が必要不可欠です。
今の時代に適したマネジメント能力は、チームのメンバーの特性や能力を引き出し、チームとしての能力の最大化ができるということです。
自分自身も成長し、結果で示す能力
管理職になったとしても、仕事をしないことではありません。管理職として働きながらも、成長し続けて、仕事で結果を出し、部下に対して背中で示すことができる能力は必要です。
管理職はマネジメントだけを行う訳ではありません。マネジメントをしながら、仕事もこなしていきます。結果を出すことはもちろん、常に学び、成長していくことが求められます。
メンバーの持っているリーダーシップを引き出せる能力
管理職は、チームを引っ張っていくことも大切ですが、チームメンバーが持っているリーダーシップを引き出せることができる能力が求められます。
リーダー自身も確実な選択ができるとは限りません。リーダーが誤った判断をしてメンバーがそれについて行ってしまうと、結果的に失敗してしまうかもしれません。
そのため、メンバー自身が主体性をもって、仕事にとりくむことができれば組織として、より強いものになります。
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まとめ
今回は、管理職になりたくない人が、どういう理由で管理職になりたくないと考えているのかを説明しました。
管理職に昇格して欲しいというオファーが会社から来て、悩んでいる方もいるかと思いますが、管理職になることは簡単なことではありません。キャリアアップや、自分自身のスキルアップにつながることもあると思いますが、さまざまなデメリットも存在することを確認して、自分自身のキャリアに対して最適な選択を行いましょう。
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