近年、コワーキングスペースという形態のシェアオフィスが増えてきています。
コワーキングスペースとは、年齢や性別、職種などの全く異なる人たちが同じ場所で机や椅子、ネットワーク設備などをシェアしながら、仕事場として利用する場所のことです。
また、起業する際にオフィスを借りようと思っている場合、都内では起業したばかりの会社が負担するには大きい賃料を、コワーキングスペースを利用してシェアオフィスという形で会社を構えて固定費を削減しているというスタートアップ企業も増えて来ています。
では、そんなコワーキングスペースを利用するメリットや料金システム、使い方などについてこの記事で紹介していきます。
コワーキングスペースとは
コワーキングとは、「Co(ともに)+ Working(働く)」という2つの言葉が組み合わさってできており、コワーキングスペースは「ともに働く場所」という意味になります。
主にコワーキングスペースを利用する人は、個人事業者や、起業家、テレワークが許されている会社員や、ノマドワーカーなどの働く場所に対して縛りがない環境の人たちが多く利用しています。
一般社団法人大都市政策研究機構の調査研究レポート「日本のコワーキングスペースの拡大(2022年12月版)」によると、2022年12月時点では、全国に2,129施設存在します。
また、南関東地域には、864施設存在し、全国の40%が集まっています。
数も2019年に数えはじめてから毎年増加しているので、今後もコワーキングスペースの需要は高い推移で続くと考えられます。
コワーキングスペースの利用方法
コワーキングスペースには「会員制(月額制)」と、「ドロップイン(一時利用)」の2つのプランが用意されていることが多いです。
会員制のコワーキングスペースでは、会員登録を行い、決まった月額料金を払って利用するシステムです。
コワーキングスペースの多くでは、月額会員には決まったデスクやスペースなども用意してもらえることも多いので、混雑している時でも自分の作業スペースが無いということはありません。
また、月額会員のメリットとして、住所登録を行えるコワーキングスペースではシェアオフィスとしての利用もできます。オフィスを持たない企業も増えているので、コワーキングスペースをうまく活用することも今の時代にあったやり方かもしれません。
一時利用では、会員登録などを行わないこともあります。利用する時間に応じた料金を払って、利用することができます。1時間から1日利用の範囲で料金が設定されています。気分転換や、お試しなどで使いたい場合は、ドロップインで利用することをお勧めします。
コワーキングスペースの料金相場
基本的には、スペースの場所や規模によって料金は大きく変わります。もちろん都心に近いコワーキングスペースの方が高い傾向があります。今回は東京都内でコワーキングスペースを利用するケースで紹介していきます。
コワーキングスペースを、ドロップインなどで使う場合は、都内だと、1000円/1時間〜が相場になってくると思います。
また、1日利用したい場合などは、2500円/1日〜あたりの料金が必要になって来ます。
月額会員の料金はコワーキングスペースによって様々なプランが用意されているので、大きな差がありますが、月15,000円ほどの予算があれば大体のコワーキングスペースの月額会員にはなることができます。
もう少し予算を抑えたいと思っている方は、場所によっては月額1万円以下でプランを出しているところもあるので、調べてみましょう。
また、シェアオフィスとして利用する場合の住所利用/登記利用料は、月額5,000円〜程度で利用可能です。
コワーキングスペースを利用するメリット
コワーキングスペースには充実した設備が整っていることが多いです。
会議室や、デスクに椅子、ネット環境など働く上で必要な最低限の設備が整っており、場所によっては、コピー機やFAX、スキャナーなどが用意されていたり、カフェスペースがあって、コーヒーやドリンクなどを飲める場所があったりします。
また、様々な利用者がいるため情報交換の場になったり、協力して働くきっかけになったりと様々な機会も伺うことができます。
このようにコワーキングスペースには様々なメリットがあります。では、一つずつみていきましょう。
・仕事する場所を低予算で確保できる
・集中して作業できる環境がある
・様々な人と交流するチャンスがある
・打ち合わせや会議を行う場所を確保できる
・仕事場で必要なものがそろっている
メリット① 仕事する場所を低予算で確保できる
仕事場を借りる際に、ネックになってくるのが賃料です。
都内でオフィスを構えるとなると、マンションの一室を借りたとしても月に十数万円の固定費を覚悟しなければなりません。
しかし、コワーキングスペースは比較的安価に利用することができます。
コワーキングスペースの利用料金は月に1万〜3万円近くで収められることが多いです。
さらに、机や椅子などの作業に必要な備品は最初から全て揃っていることが多いので、設備に掛かる初期費用もかかりません。
メリット② 集中して作業できる環境がある
カフェやレストランなどでパソコンを開いて作業している人も、最近ではよく目にするようになりました。
しかし、長期間の利用をあまり良く思わないお店は多いです。他のお客さんや、お店のスタッフさんの目が気になるかもしれません。
場所によっては、利用時間が制限されていたり、作業自体が禁止されていることもあります。
しかし、コワーキングスペースだと、基本的に作業をしにきている人ばかりである上に、仕事をする場でもあります。自分が思う存分好きなだけ滞在して仕事をすることもできます。
また、周りの人も集中して作業しているので、自分も仕事に集中しやすい環境になっています。
メリット③ 様々な人と交流するチャンスがある
コワーキングスペースは様々な人が利用しています。
経営者や、投資家、起業家、場合によっては学生など、いろんな人が同じ場所に集っています。
それをうまく利用して、新しい情報交換の場にしたり、新しい仕事の機会を生み出す場にしてみてもいいかもしれません。
また、コワーキングスペース主催の交流イベントなども定期的に行われています。
なので、他の利用者とも交流を持ちやすい機会もあるので、繋がりは作りやすいかもしれません。
メリット④ 打ち合わせや会議を行う場所を確保できる
個人で仕事をしている人などで、家の外での打ち合わせや会議を行う時の場所の確保に困っている人は多いかもしれません。
カフェやレストランなどを利用する方もいるかもしれませんが、場所によってはオンライン会議などを禁止している店舗もあります。
また、他の利用客やお店のスタッフさんからの目が気になったり、オフラインの会議だとしても人数分の座席を確保できなかったり、騒音が気になったりするかもしれません。また、情報漏洩の危険も含めて、他の人がいる場合はできない話も多いかもしれません。
コワーキングスペースでは、軽い打合せなどに適したフリースペースや、静かに話すことができる会議室などが用意されています。用途に合わせた場所を確保する上では、とても利用しやすいかもしれません。
メリット⑤ 仕事場で必要なものがそろっている
さきほども少し触れましたが、多くのコワーキングスペースには安全なWi-Fi環境や、充電などを行える電源などが用意されています。また、コピーやFAX、スキャンなどを行えるマルチプリンターなども設置されており、自由に使えることができるので、仕事上で必要なものに困ることはありません。
また、コワーキングスペースでは、以下のものを利用することができます。
・フリースペース
・会議室
・専用のロッカー
・自動販売機などのドリンクコーナ
充実しているコワーキングスペースだと、以下のような施設があったりします。
・完全セルフで購入できるコンビニ
・鍵付きの個室
・充電器などの貸し出し
・大画面モニター
・シャワールーム
・仮眠スペース
・雑誌などが置いてあるライブラリ(読み放題)
・眺めの良いテラス席
場所によってはホテルが併設されていたりします!一日中仕事に集中して作業したい人にとっては大きなメリットかもしれません。
また、住所登録が可能なコワーキングスペースもあるので、レンタルオフィスとしての利用もできるのもメリットの一つです。
まとめ
コワーキングスペースは、今の社会の変化や、新しい働き方に合わせた新しいビジネスの形の象徴とも言えます。
見知らぬ人たちが共同で生活して暮らしていくシェアハウスのように、同じスペースの中に様々な仕事をしている人たちが集まって、日々切磋琢磨しながら仕事をするという環境もとても魅力的ですね。
新しい出会いや、ビジネスの機会が生まれる可能性も大いにありますし、コワーキングスペースを利用する様々なメリットもこの記事で触れて来ました。
ぜひ、気分を変えて仕事をしてみたい方や、コワーキングスペースに興味をもたれた方は一度お近くのコワーキングスペースに足を運ばれてみてはいかがでしょうか。