最近、気持ちよく眠れていないと感じることはありませんか?
しっかり寝てるはずなのに、仕事のミスが増えてきたり、なんとなく疲れを感じているときは睡眠の「質」に原因があるかもしれません。
睡眠の質を上げることで、いつもより深い睡眠を取れるようになり、日々のストレスや肉体疲労を軽減してくれることに繋がります。
今回の記事では、睡眠の質を上げるために必要なことや、睡眠の質を下げてしまう行動などを解説します。
これを読んで、睡眠の質を上げる生活を送りましょう!
睡眠にいちばん大切な「質」とは
毎日の睡眠には「量」よりも「質」が重要視されます。睡眠の質を上げることが日々の睡眠の鍵となります。
1日に8時間寝たとしても睡眠の質が低ければ、身体の疲れが十分に取れないなんてことも。
では、「睡眠の質」とは一体なんなのでしょうか?
睡眠の質とは、「眠りの深さ」を表します。睡眠の質を上げてより深い睡眠をとることで、身体の疲労を回復させ、日中のパフォーマンス向上へと繋げることができます。
眠りの深さを表す指標として「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。
レム睡眠は眠りが浅い状態のことを表し、身体は休んでいても脳が活動している状態のことを指します。
それに対し、ノンレム睡眠は、眠りが深く脳も身体も十分に休んでおり、深い眠りについている状態を指します。
睡眠の質を上げるには、このノンレム睡眠の時間を増やすことが大切になります。
睡眠の質を上げることで期待できる効果とは?
睡眠と身体の健康は密接に結びついています。
そのため睡眠の質を上げることで、生活のリズムが整い、体内のホルモンバランスが正常に保たれやすくなり、肥満や高血圧などの生活習慣病の予防へと繋がります。
また、十分な睡眠を取ることで日中の健康状態も良くなるので、活動的に一日を過ごすことができ、夜には良い睡眠を取れるという好循環にも繋がります。
では、具体的に睡眠の質を上げることによって得られる効果についてみていきましょう。
1.疲労回復
睡眠の質を上げることによって、深い睡眠になり、成長ホルモンの分泌量が増加し、体内の修復や回復に繋がります。成長ホルモンは肌にも良い影響を与えたり、脳への負荷を軽減させることで自律神経の働きを整えたりします。
人間は無意識のうちに身体や脳が働いているので、動いていない間にも疲労が溜まってしまいます。そのため質の良い睡眠を取ることが大切になってきます。
2.ストレス解消やうつ症状の緩和
睡眠不足になってしまうと、脳内のホルモンバランスが乱れ、不安感や被害妄想などを感じやすくなります。そのため、うつ病患者などには不眠症を同時に発症しているケースも多々見られます。まずは、その根本的な原因である「不眠」を改善することで、脳内のホルモンバランスを正常にし、ストレスの解消やうつ症状の緩和につながることが期待できます。
3.記憶の定着
睡眠は、不要な情報や感情を整理して、記憶力を高める作用があります。
寝ている間に脳が昼間に感じた情報を整理し、処理しているからです。必要のない情報や感情は寝ている間に整理されてしまうため、睡眠を取ることは記憶の定着に繋がり、効率的な学習にも役立ちます。そのため、試験前などに徹夜して情報を記憶するより、適度に睡眠を取りながら勉強したほうが効率がいいと言えます。
睡眠の質を上げるのに逆効果な行動とは?
まずは、睡眠の質を上げるのに逆効果な行動を紹介します。
生活の中でこれから紹介することをやってしまっている人は要注意です。
これらが睡眠の質にどんな悪影響を及ぼしているのか、詳しく解説していきます。
1.生活習慣が乱れている
睡眠の質は生活習慣に大きく左右される傾向があります。
生活習慣を乱してしまう具体的行動は、就寝時間と起床時間が不規則、夜型の生活が増えることによって朝の光を浴びない生活を送る、寝る直前にお風呂に入っていたり、夜ふかしや夜食をしてしまったりすることです。
生活習慣が乱れ体内時計が狂ってしまうと、毎日の睡眠リズムも乱れてしまい、結果的に不眠症を引き起こしたりします。
2.ストレスが溜まっている
職場環境でのストレスや、長時間労働による過度なストレスは睡眠の質にも大きな影響を与えます。
人間の身体は日中の時間は交感神経系が優位になり、睡眠中は副交感神経が優位になります。
しかし、人間がストレスを感じている場合、自律神経に乱れが生じてしまうため、いざ睡眠を取ろうとしても交感神経が活発になって眠れず、睡眠の質が低下することに繋がります。
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3.睡眠環境が悪い
快適な睡眠環境は「光」「空間」「音」「温度・湿度」からなります。
入眠の前に、強い光を浴び続けたり、外部環境の騒音や、音楽などを聞いていると興奮状態になり、なかなか眠ることができません。
また、部屋の温度は20℃前後が良いとされています。その温度と離れている場合は、エアコンや寝間着などをつかって調整しましょう。
4.遅くまでスマホを見ている
寝る前に強い光を浴びてしまうと睡眠の質は落ちてしまいます。
テレビやスマートフォンなどの光にはブルーライトが入っているため、睡眠に大切なホルモンであるメラトニンの分泌を妨げてしまいます。
その結果、画面を見ている間に眠気がさめてしまうということに繋がります。
デジタルデジタルデジタル…。最近は飲食店などでも子どもがスマホやタブレットで動画を見ていたり、ゲームをしているのを見かけます。そんな光景を見るたびに、時代は変わっていくなあ、私も着々と歳を重ねているなあと感じてしまいます(笑)[…]
睡眠の質を上げるために必要なこととは?
睡眠時間を増やそうと思っても、仕事や家事などに追われてしまっていると難しいです。しかし、週末の休みにたくさん寝たからと行っても、睡眠不足の解消にはつながりませんし、むしろ生活リズムを崩してしまうことにもなりかねません。
そこで前述の通り、深い眠りである「ノンレム睡眠」の時間をうまく増やすことができれば睡眠の質を上げる事ができます。質の良い睡眠を取るには入眠時の状態や環境を改善すればいいとされています。
では、どのようにして入眠時の状態を改善すればいいのでしょうか。入眠時に意識したいことを紹介します!
食事、入浴の時間を意識する
寝る前の状態はできるだけ、心も身体もリラックスした状態を作ることが理想です。
そのため、寝る3時間前以降も食事をしていると、胃の中に食べ物が残ってしまい、胃腸が食べ物の消化のために働き続けてしまうために質の良い睡眠を取ることができません。
帰宅から就寝までの時間がどうしても短くなってしまうときは、消化に良いものを摂るなど心がけましょう。
また、同様にリラックスに良いとされている入浴も、寝る2時間前には済ませておきましょう。睡眠時は身体の中心の温度である「深部体温」が下がる傾向にあります。そのため、入眠直前に入浴してしまうと身体の深部体温が上昇してしまうため、「ノンレム睡眠」の状態に入りにくくなってしまいます。
なので、食事は入眠の3時間前まで、入浴は入眠の2時間前までには済ませるように心がけましょう。
寝る前の過剰な光やアルコール、カフェインの摂取を控える
スマートフォンなどの電子機器から出る光はブルーライトと呼ばれ、太陽の光に近い性質のため、脳の時間間隔を麻痺させてしまうことがあります。
他にも、眠るときに必要な副交感神経の働きを鈍らせてしまうカフェインは寝る前に摂取することは控えましょう。アルコールも、体内でアルコールを分解する酵素であるアセトアルデヒドが発生してしまうため、入眠前の摂取は控えましょう。
寝る前にストレッチを行う
身体の血液循環を良くするストレッチは、身体をリラックスさせる効果があるとともに、深部体温をスムーズに下げる効果があります。そのため寝る前にストレッチを行うことは効果的であり、深い眠りにつきやすくなります。
温かい飲み物を飲む
温かい飲み物は、深部体温の上昇を促します。身体は深部体温が下がり始めるときに自然な眠気がおきるので、睡眠前のリズムをつくるのにおすすめです。
もちろん、温かい飲み物と言ってもコーヒーなどは避け、安眠効果を高めるために白湯などのノンカフェインのものを選びましょう。
自然に近い音を聞く
木々のざわめきや川のせせらぎ、小鳥のさえずりなどの自然に近い音は副交感神経が優位になり、リラックス効果が期待できます。これらは睡眠アプリやYouTubeなどの動画配信サイトで簡単に音源を見つけることができます。
眠れない日は是非試してみてはいかがでしょうか。
以上で紹介したことを意識すれば入眠時に、よりリラックスした状態で望むことができ、睡眠の質を上げることにも繋がります。
しかし、忙しい人や、時間がない人にとってはこれらをすぐに改善することは難しいことかもしれません。まずは自分ができることから始めてみましょう。
すぐに、睡眠の質を上げることによって、身体にもたらされる変化に気づくことができると思います。
睡眠の質を上げるにはこれらに頼ることも大切ですが、まずは自分の私生活を今一度見返すことも必要です。休日に二度寝や三度寝を繰り返してしまうと、夜に眠れなくなるようなサイクルに陥ってしまい夜型生活の促進を招きます。
できるだけ毎日規則正しい生活を心がけることで、生活のリズムが作られて睡眠の質の向上も期待できます。
繰り返しますが、睡眠不足は注意力や作業効率の低下を招き、運動やトレーニング中の怪我や故障にもつながるので、できるだけ避けましょう。
眠れないのは身体の異常のサイン?!
これらを試してみてもうまく寝付けないといった方は、睡眠障害を患っている可能性があります。文明の発達とともに睡眠障害にかかっている人はどんどん増えました。
現代の社会では5人に1人が不眠に悩み、20人に1人は睡眠薬を服用していると言われています。不眠は特に年を重ねるほど発症リスクが高くなりますが、日本人は性格上、不眠に悩んでいても病院に行かず、アルコールなどに頼ってしまう人が少ないそうです。
また、不眠の原因にはうつ病や精神疾患などの心の病気から来ているものもあります。睡眠障害かなと思ったときは遠慮せずに病院で診察してもらい、原因となる疾患を治療し、適切な生活を送るように意識したり、薬物療法などを受けてみてほしいです。不眠の改善だけでなく、普段の生活もより快適で豊かなものに変化するかもしれません。
現代日本人の抱える睡眠の課題
OECDの「 Gender Date Portal 2019」によると、先進7 か国で最も睡眠時間が短い国は日本であるという結果が公表されています。
日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、イギリスの8時間28分、フランスの8時間32分、スペインの8時間36分、アメリカの8時間47分と比較して1時間以上も短いことが分かります。
よって、世界的に見ても日本は睡眠不足の国ということがわかります。
日本には24時間営業のコンビニをはじめ、深夜まで営業しているスーパーや、飲食店などが多く「眠らない街」という言葉までも生まれました。また、スマートフォンや、パソコン、ゲームなどの発達により全世界を相手にオンラインでいつでもどこでも楽しめるようになったため、時間に縛られないような働き方や、娯楽によって夜型の生活を送る人が増えました。そんな時代背景も、就寝時間が遅くなってしまったことの要因の一つとして考えられます。
もう一つ考えられるのは、海外諸国と比べて日本人の睡眠に対する意識が低いことです。海外では子供の時から睡眠に対する教育を行っている場合もある中で、日本では睡眠に対しての系統的な学びが体系化されていないことが挙げられます。
現代社会では生活を夜型に移行する人が多く、短時間睡眠化が進んでいます。それにより、睡眠障害を訴えている人が増えているのです。
無理のない範囲で睡眠の質を上げる生活に
この記事を読んでいる人の多くは、自分の睡眠に対して悩みを抱えているのではないでしょうか。
しかし、現代日本人は仕事や、プライベートの付き合いなども増えて、睡眠に当てる時間がどうしても増やせないという方も多いと思います。
また、忙しく過ごしている人ほどプライベートの時間で一番削られがちなのは睡眠時間かもしれません。
しかし、前述の通り睡眠と身体は密接につながっています。
睡眠時間を削ることは自分の身体の健康を削りながら生活していることを知っていてください。
まずは、短い睡眠時間でもいいので、睡眠の質を高めていく努力をしましょう。
寝る前に軽いストレッチをしたり、温かい飲み物を飲むだけでも、睡眠の質を上げることはできます。
睡眠の質をあげることで、日々の生活が変わることをまずは実感してみてください。