シングルペアレントってなんだかマイナスなイメージがありますよね。
私も母子家庭で育ちましたが、インターネットで検索すると、「金銭問題」とか、「不幸」とか「子どもが可哀想」とか。気軽に情報収集しようとすると、インターネットの力によって精神的なダメージを食らってしまうことも。
病気も、なんでもそうですが、ネットの情報ってマイナスなことが意外と多く目についちゃったりしますよね。体の不調を少し調べただけで「大きな病気の恐れがあります」と言われたり。
うるさいよ!!!と言ってやりたくなります(笑)
確かに命の危険や、未来を生きる子どもや自分のためにもそういった情報を受け入れることも必要だと思います。マイナスな情報の全てを否定することはできないけど、そんなに気にしなくてもいいんだよ!というポジティブな記事がもう少しあってもいいと思うんです。
「シングル」はネガティブなことばかりじゃない。
でも、他の家庭はどうなのか、子どもはどう思っているのかってなかなか聞けないですよね。
そこで今回は、シングルを経験している方々の声を聞いて、”シングルになる”という選択を考えている方や、シングルの家庭で生まれた子どもたちが、少しでも自信を持って前向きに生きられるような、そんなことを伝える記事を書いていきたいと思いました。
“シングル”という生き方をしている方たちは、いろいろな状況や理由があるから、この記事に答えが全て詰まっているわけではないけれど、こんな思いで生きている親も、子どももいるんだよと、迷いや不安を抱えている方が一歩前に進むきっかけになれたら嬉しいです。
シングルペアレントの皆さんに聞く、シングルになって思うこと
シングルペアレントの皆さんは、シングルになると決断した時、実際にどんな悩みや不安を抱えていたのでしょうか。
シングルペアレント12人の方にアンケートを取ってみました。
経済面の不安
・子どもを不自由なく育てていけるのか
・仕事と家庭を両立することはできるのか
・習い事などたくさんの経験をさせてあげられるのか
精神面の不安
・働きながら、家事と育児をきちんとやれるかという自分の体力気力の不安
・先の見えない不安
・身内や周囲からの声
子どもの成長に対する不安
・寂しい思いをさせないか、子どもに惨めな思いをさせないか
・再婚問題、恋愛問題
お話を聞いてみると、漠然とした不安や前に進んでも消えない不安がたくさんあったそうです。
ですが、シングルとして子どもを育てていく過程の中で、考え方が変わったり、不安になってしまうことよりも大切なことに気づいたそう。
そんな声をご紹介していきます。
不安があっても、忘れてはいけないこと
一人だけで全部やろうとせず、周囲の人をいっぱい頼って良い
「シングルマザーになって早10年、今はとても幸せです。一人でどうにかしようと考えたり、完璧主義すぎるとしんどいです!子どもも親の笑顔が1番!周りを頼って時には手を抜いて、自分がご機嫌でいられるのが子どもにとっても1番!子どもと笑って過ごせることを1番に!」
「情報やコミュニティがある今は、一人で悩まずまわりに相談、頼ることが1番です。」
「将来に対する漠然とした不安は拭えないし、パパという存在がいたらなぁと思うこともあるけど頼れるもんは何でも頼って、周囲の助けを借りられれば案外何とかなったりします!」
いつでも子の味方、理解者である事を伝えること
「負い目や不安というのは子に伝わってしまい、気を使ったり、大人の目を気にしてしまったりするので、それよりも、シングルでいても自分は子を愛し幸せである事を伝える。」
「母が我慢して笑顔が無い状況より、笑っていられる状況の方が子どもに対しては良いと思います。」
自分の選んだ道を正解にする
「どんな選択が正解か今は分からないかもしれませんが、自分の選んだ道を正解にする!の精神で離婚して、前向きに生きてます。親や友達、先生に助けられて生活していて毎日楽しいですし、あまり1人で育ててる感覚がありません。 どんな選択をしたとしても皆さんが幸せになれますように!」
「私の場合は、経済面が問題の離婚だったので、離婚したことにより、子どもにさせてあげれていることもたくさんあるので、よかったと思っています。」
「もしも苦しい状況が続いているのであれば、勇気を出して離婚も1つの選択肢かと思います。私は不安もあったし、今でも不安がたくさんですが、離婚したことは後悔していません。」
「離婚は必ずしも悪いことではないです。『離れる』という感覚よりも”一旦、関係性を変えてみる”という感覚で離婚をしてもいいと思います。」
“戦うシングルマザー”として活躍をしている吉田実代さんのインタビュー記事もあわせて読んでみてください!
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シングルペアレントの子どもの声を聞いてみた
親がやっぱり気にしてしまうのは、自分のことよりも何よりも、愛を持って育てている我が子のことですよね。
shabellbaseのライターである私 yukaと、ayakaもまた、シングルペアレントのもとで育ちました。
それぞれ状況も違うし、考え方も違うので、参考になるかはわかりませんが、シングルペアレントの方から頂いた子どもに対する質問に答えてみようと思います。
小学生の頃はひた隠しにしていました。友達の普通と自分の普通が違うことが恥ずかしくて悔しくて、「お父さんは出張に行ってるから家に居ないんだよ」って小学生の頃よく言っていたのを覚えています(笑)
でも、意外と周りに母子家庭や父子家庭で育った子がいることに気づいて、それからは特に気にするわけでもなく、「皆と何が違うっていうんだい!」と当たり前のように過ごしていましたね(笑)
うちの家庭環境が複雑になったのは、私が小学5年くらいからでした。住所が変わったりすることになんとなくモヤモヤしてましたね。でもそのモヤモヤがどういうことなのか整理とか言語化できていなかったな。
とにかく、変化してしまった身内の状況に対応するのが精一杯で、周囲の子に「なんで引っ越したの?」とか聞かれたら、「ちょっと家の事情で。」とでも言って済ませてた気がします。高校生くらいになると「あ、うち父親いないからさ(いるけど、いない)」と軽く対応できるようになっていました。
良い意味で、影響していると思います。今の自分が好きなので。恵まれているなと思えることも、幸せだなと思えることも、多少なりとも苦労してきたからこそ、色んな事に気づけるし沢山の人に感謝できるようになりました。
こんな風に育ててくれた親に感謝しています。ただ、いわゆる”普通の家庭”に憧れがあることも事実なので、自分が母親になることを考えると少し怖いです。愛情いっぱいに育ててくれた母親みたいになれるよう、たくさん成長していきます。
孤独を感じたことだって、悔しくて仕方なかったことだって、自分を整理できなかったことだってたっくさんあるけど、逆に言えば我が家のこの環境を経験できてるのはうちの家族だけだし、他の子には感じないことを幸せだと感じれるんです。それってすごく人生が豊かになっていることですよね。
私は周りに温かい友達がたくさんいたし、母だけじゃなく祖父や祖母にもたくさん愛してもらったので、寂しい思いをすること無くここまで成長することができました。私がお母さんに対して「私は幸せだから申し訳なく思う必要はないよ」と思うのと同じように、私が親に対して申し訳なく思うのはきっと違うんだろうな。これからもたくさん笑顔を共有できるように沢山の時間を過ごして親孝行していきたいです。
でも、離婚してたくさん苦労している両親だからこそ、「好き勝手に、楽しくやってほしい」という想いが強いですね。あ、父は好き勝手やりすぎですが(笑)
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最近では日本でも、キャリアを自由に形成できる仕組みが整ったり、支援が増えていったりと、シングルに対する考え方が少しずつではありますが寛容になってきたように感じます。
だからといって、「大丈夫だから気にするな!」と軽々しく言える世の中になったわけではありません。社会の仕組み以上に、親子の関係や気持ちがいちばん大事なんですよね。愛があるからこそ、自分の子どもの将来を考えると不安が消えるわけ無いですよね。
この記事を書く前から、片親=子どもも親も大変、というのは違うよなと思っていました。お互いがお互いを信頼しあって、支え合って、守り合って、そういう中で生まれる絆がいちばん大切なんです。幸せの定義は人それぞれです。
子どもは大きくなるにつれて、大変な思いをさせてしまったなと思うけど、子どもはそんな事を思わずに楽しく幸せに暮らしている姿を見せるのが、一番の親孝行かもしれない。
親も、申し訳なさは捨てて子どもとたくさんの時間を過ごすことが、子どもにとって一番の幸せかもしれないですね。