今回は。ダンサー、そしてバイオリン製作家として活躍されている平川祐也さんに取材させていただきました。
ダンサー・バイオリン製作家として頑張っている人にも、キャリアについて迷っている人にもぜひ読んでいただきたい記事となりました。
リーマンショックを経て抱いた新しい夢
ー幼少期の将来の夢はなんでしたか?
平川祐也さん:特に夢はなかったですね。 幼稚園の時のアルバムを見ると「将来の夢」の欄にひよこって書いてました(笑)
大学生になって、実際に就職活動を始めた時も、「留学経験や大学での専門分野から漠然と語学を活かした仕事に就くのかな」というような考えはありましたが、語学は目的ではなく手段でしかないという意識だったので、まだ確固とした将来像はありませんでした。それが実際に就職して社会に触れてみてから、「あ、他にこういうことがやりたい」というのが段々見えてきました。
ー現在ダンサーとしても活躍されていらっしゃると想うのですが、ダンスはいつ頃から始められたんでしょうか。
平川祐也さん:僕がダンスを始めたのはすごく遅くて18歳の時なんです。大学に入って新歓でストリートダンス部の先輩方のパフォーマンスを見て、ダンスやってみたいなと思って始めました。
−ありがとうございます。次に平川さんのファーストキャリアをお伺いしたいです!
平川祐也さん:大学卒業後、メーカーに就職したんですが、ちょうどリーマンショックが起こったんです。そして入社後すぐに2ヶ月間自宅待機でした(笑)
その後も月に数度休業日があったりということもあり10年後にそのメーカーで働いているビジョンが想像し辛かったんですよね。
就職活動を始めたころは本当にどんな業界やどんな職種が良いかとかもあまりなくて、とりあえず大学に就職説明会に来てくださった企業をいくつか受けたりしていました。そのなかで、最初に就職した会社の人事の方が1番こまめに連絡をくださっていたので、そのままその会社に入社することを決めました。
ー現在ダンサー以外にも多岐に渡ってマルチに活躍されてらっしゃいますが、楽器制作など、現在のキャリアを歩もうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
平川祐也さん:ダンサーとしてクラブイベントに出演した際に、バイオリニストの方も出演していたんです。
その方と話すきっかけがあり、その時に「クラシック向けの楽器ではなく、アンダーグラウンドや野外イベントでパフォーマンスするような人向けの楽器が作れたら面白いのでは」と興味を持ったんです。
その後は会社を退職し、バイオリン製作の専門学校に通いつつダンサーとして収入を得ていました。
大切なのは”点”を増やし続けること
ーダンサーとしての活動はどのようなものがあるんですか?
平川祐也さん:ダンサーとしてはALSOKやエプソン等のCMでのキャスト、氣志團万博やNHK紅白歌合戦でのバックダンサー等として活動してましたね。
ー楽器制作はどのように極めていかれたのでしょうか。
平川祐也さん:弦楽器(バイオリン)製作ではファッションショーとのコラボや、企業依頼でオリジナルバイオリンの製作を行っていました。ダンサーとしての縁で依頼を頂くことも多かったです。
その傍ら、オーストラリア人の知り合いが興した会社を引き継ぎ、EC事業を展開する企業の取締役にも就任しています。
ー経営者でもあるんですね!活動の幅がとても広いですね。マルチに活躍する、という点での覚悟は生半可なものじゃないと思います。当時や現在の想いをお聞きしたいです。
平川祐也さん:そうですね、「今の仕事とは違う何か新しいことを始めるぞ!」という意識があったというよりは、それまでやってきた仕事の中から新しい別の分野のチャンスが出てきて、それに乗っかっているような感じです。なので能動的というよりは流れに乗っているうちに活動の幅が増えていってしまったという感じです。
ー今後のビジョンや目標も明確に決まっているんでしょうか。
平川祐也さん:ダンスの現場で「英語が喋れるダンサーを探している」と声をかけられて仕事をもらったり、お世話になったメイクさんが企画しているファッションショー用のバイオリンを製作することになったり、製作したバイオリンを持ってアメリカに行ったついでにダンサーとしてPVに出演させて頂いたり、、、と自分が培ってきた色んな点(要素)がつながって新しい仕事になっていっているので、今後も自分が持つ点を増やしていきたいです。
そして、その点をつないで、自分だからできる新しい仕事を生み出していきたいと思っています。
ー平川さんがキャリアを積んでいくにあたって、大事にしているという想いはありますか?
平川祐也さん:食わず嫌いをしない、ということでしょうか。好きなことと得意なことが違うというのはよくある話で、やってみたかったことが実はあまり得意ではない/パフォーマンスが悪かったということや、逆にそんなに興味がなかったことが何故か上手くできたりということは良くあります。先ほど言及したように色んな点がつながって新しい仕事になったりもするので、まずはやってみるということを大事にしています。
どんな仕事がしたいかわからなくても大丈夫
ーshabellのお話を聞いたときの、率直な印象を教えて下さい!
平川祐也さん:希少な職の方と出会える場だと感じています。また、その道のプロの方(以下:シャベラ-)が増えれば同じ職種でも色んな視点の話が聞けると思うんです。バックグラウンドは人それぞれ異なるので。そこはすごく面白いなと思います。どんどん登録者が増えてほしいですね。
今回シャベラ-として登録をしたのも、既にシャベラ-登録をしていた知り合いに「面白いアプリがあるから見てみて!」と紹介されたのがきっかけなんです。
相談者の視点で話すと、聞きたいことが聞けるかのリサーチ力やインタビュー力(営業につながる)が養われるとも感じます。もちろんお金を払って、という立場なのでフラットな状態ではないですが。価値は十分にあると思いますね。
ー学生時代にこのアプリがあったら、使っていたと思いますか?
平川祐也さん:間違いなく使っていましたね。大学卒業間際まで確固たる仕事の希望がなかった部分があるので、とにかくいろんな職種の方に話を聞いていたと思います。昔shabellがあったら、色んな職の人に話を聞いて、その結果今とは違う道を選んでいたかもしれないですよね。
ーもし現在の職業と異なる方向に進んでしまっていたとしたら、、と考えると怖くはないですか?
平川祐也さん:怖いとはあまり思わないです。色んな経験を経て今の仕事をしていますが、これまでもひとつの職業にあまり固執はしていないので、「現在の職業と異なる方向に進んでしまっていたら」というのを考えるのは逆に楽しいかもしれません(笑)
ー今後このアプリに期待することはなにかありますか。
平川祐也さん:元々の目的に沿った使い方でそのまま広まっていって、下の世代の皆さんによって有意義なアプリになることですね。「夢を応援する」というアプリの想いにすごく共感できたので、リクルートアプリにならないようにしてほしいです。
そうなってしまうと、相談者がシャベラ―の話を聞く場ではなく、シャベラー側が相談者について質問していく場になってしまい、当初の目的と異なってしまうと思うので。
ー最後に夢を追いかける若者に対して、応援メッセージをいただけますか?
平川祐也さん:確固たる夢があって、それに向かって真っすぐ突き進んでいくという道はもちろん素晴らしいことです。ただ、もし将来何をやりたいのか分からない時には、まず何かやってみる、行動してみる、ということが大事だと思います。そうしたら見えてくる部分があると思いますし、最初から正解にたどり着かなくても、方向転換はいつでもできます。やってきたことは将来どんな時に活きるか分からないので、怖がらず、挑戦し続けてほしいです。
挑戦しながら考える、挑戦してから考えるというやり方もあるんだ、ということを知ってもらえたらと思います。
色んな積み重ねが最終的に自分の道になっていくので、やりたいことが分からないなら、色々やってみるのが良いと思います。
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今回は、ダンサー、バイオリン製作家、そして経営者として、活躍していらっしゃる平川祐也さんに取材を行いました。
就職活動中、確固たる夢や目標はなかったと語っていました。しかし現在ではマルチに活躍し、活動の場を広げています。
「色んな積み重ねが最終的に自分の道になっていくので、やりたいことが分からないなら、色々やってみるのが良いと思います。」自分にまだどんな可能性があるかわからない、だからこそ1つ1つの挑戦や出会いを大切にしていき、培ってきた”点”を線にしていった平川さん。
shabellbaseでは、今後もたくさんの職種の方のリアルなお話を聞き、あなたのなりたい未来を応援します。
- 平川祐也さん
ひらかわ ゆうや|楽器製作者 経営者1986年生まれ。長崎県出身。メーカーで海外営業および現地法人・代理店マネジメントを4年間経験したのち、フリーランスのダンサーとしてCMやPV撮影現場等で活動を行う。その後バイオリン製作の専門学校に通いながらダンサーとして活動。ダンスから音楽へ、楽器へとマルチに活躍の場を広げている。
平川祐也wisterience HP: https://www.wisterience.tokyo/yuyahirakawa
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